学会報告

 金曜日、土曜日と抗加齢医学会に行ってきました。段々規模が大きくなる学会ですが、今年はぐっと研究色を強めています。参加者は本当に熱心で、各シンポジウム、セミナー会場は入れ替え制でみんな終わる前からお目当てのところに並ぶのですが、一杯で入れないところも多い。そして完全に抗加齢というのが一般的に根付いてるという印象を持ちました。新しいものをちょっと覗きに来たというのではなく自分のところでどう生かすかとみんな考えているという感じです。印象に残ったものを2つほど。

 ①動物実験と臨床両面からのデータで、運動強度の違いで脳の反応する場所が違い、3メッツほどの軽運動(歩く程度)が海馬の血流量を増やし神経新生を促しBDNF’(脳由来神経栄養因子)を増加させて認知機能を改善する。激しい運動はかえって海馬を萎縮させる。快適だと思える範囲の運動がベスト。・・・パワーリハにより認知症が改善することがよく報告されているのですが原因は推測の域を出ませんでした。これで説明がつく。認知機能が落ちている高齢者にパワーリハは身体面だけでなく脳機能の面でも最適で、デイケアでの利用はもっと推し進めるべきだと思います。
 ②前立腺の癌マーカーであるPSAが高くても針生検で癌が見つから無い場合、様子観察になるのですが、PSA自体の上昇が前立腺にとって炎症を惹起し悪影響である。クルクミン(ウコンに含まれる)とイソフラボン(大豆ね)のサプリメントがPSAが10以上の患者さんの場合半減させた。・・・帝京大学泌尿器科堀江教授からの報告。サプリメントがはっきり治療効果を示した例で今までに例が無い。今年中にこの合剤が発売されるようです。

 ほかに男性の場合、メタボリック症候群の原因として男性ホルモンの低下が考えられるというのも面白かった。最新の知識と刺激を得られる学会参加はこれから是非スタッフにも行って欲しいと思います。

 金曜日の夜、抗加齢医学会評議員で静岡アンチ・エイジング研究会の会長である田中先生(僕が目指そうとしているクリニックをすでに作られています。利益でなく社会貢献することを考えろといつもおっしゃいます)に眼の覚めるような!イタリアンと楽しく役に立つ話を奢っていただきました。同席した聖マリアンナ医大の本間先生ご夫妻、ヘルシーパスの田中社長、井村さん、田中クリニックのスタッフの皆さん、少し酔っていて失礼なことを言いまくりましたことをお許しください。田中先生、これに懲りず隠れ家に連れて行ってくださいね、掃除機はもって行きますから(まだ言ってる)。

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今回の会長である同志社大学アンチエイジングリサーチセンター 米井教授

学会報告」への1件のフィードバック

  1. 高齢者・福祉ETC

    デイケアデイケアとは、福祉・医療関係施設が提供するサービスの一種。老人・幼児・精神科に分かれており、利用者同士が交流するということが特徴としてあげられる。昼間にレクリエーションなどの活動で人と接することによって社会復帰を目標とする。このサービスの夜間のものとしてナイトケアというものもある。関連項目デ

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