月別アーカイブ: 2015年5月

いい習慣、悪い習慣

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ポジティブサイコロジーの第1人者であるタル・ベン・シャハー教授の「ハーバードの人生を変える授業」という有名な本があって、僕の友人が発刊された時に強く推薦してくれた。その時社会人である彼女にとって印象的だったのが「習慣化する」という言葉で、毎日歯を磨かなかったり洗顔しないと気持ちが悪いように、勉強も習慣化するといいんだ!と目が覚めたのである。

「習慣を作るには、確固たる価値観に基づいて、決められた行動を、特定の時間に行うことが必要である」

繰り返しはパワーを持つ。運命とは性格が大きく関わり、性格は行動で作られ、行動は習慣で作られる。つまりあなたの運命を変えるには習慣を変えなければならない・・・多分。

・・・僕には自慢ではないが(とても人には言えないような)悪い習慣しかない。今さらではないが少しでもましな人間となるようにいい習慣をつけよう、と決心する。で、いつやる?なにやる?

僕は大体朝7:45にクリニックに着く。8時半くらいから予防接種や超音波など検査を開始することが多いから大体45分間、朝のゴールデンタイムがあるわけだ。何をしているかというと、①前夜やり残した事務仕事をする ②メールチェック ③唄を歌う ④呪いをかける・・・くらいで大したことはしていない。ここをあてることにする。

でなにやるか?これは決まってる!「確固たる価値観」からいっても筋トレしかないじゃん。でも本格的なやつでなく自重でのスクワット、プッシュアップ、カーフレイズくらい。可能ならダンベルでのカールというところで、1セットしかしないから30分もかからない。十分効果を出すには3セットしたほうがいいけど朝から疲れるからこれくらいでいい。

で、ここ2週間ばかりまじめにやってるのですが、これがはなはだ具合がよろしい。軽く汗ばむ感じなのだが実に爽快。身体も軽い。たった30分でも全然違うんだと驚く。身体の調子がパッとしないときは休めるよりむしろ動かしたほうが改善するというのは経験則でわかっていたが再認識した。

ハーバード大学で「ハーバード・オン・ザ・ラン」というプロジェクトがあって、授業前に短時間ジョギングをしたグループは成績が向上したという報告がある。身体を動かすことは頭を活性化するのである。勿論それも狙ってるわけであるが元々の問題があり著しい変化はまだない・・・かな。少しましなったような気もする。誤解か。

まっ、あとは継続することだなー。人生で初めていい習慣がつくか、勝負の6月。

 

 

 

コウノメソッドで覚醒する連休

今日で連休も終わりっと。

何をしたかというと、これがまた本当に読書三昧でございました。人間換算で100歳という老犬がいてとても預けることは不可能で遠出は出来ないのである。国内旅行は癒し、海外旅行は刺激のためと思うけど、この久々の長期休みはガツンとたるんだ脳細胞に刺激を与えるいい機会ではあった。だけど、ま、お楽しみはまとめてとっとこう。

何を読んだかというとちょっと恥ずかしいので全部は書けない。でもトータル1000ページ以上は読んでるな。今回の休みはコウノメソッドの教科書読み返しという一つの目標があったのだが、新規に「ピック病の症状と治療」も読んだ。ピック病(前頭側頭葉変性症の一部)は認知症の中でそんなに多くはないとされていて、僕も明らかにピック病という患者さんは10名も思い当たらない。それでこの本も読んでいなかったのだが、なんと・・・

この本は素晴らしい名著です。

彼の多くの著作の中でもかなり力を入れた本であるのは間違いない。ピック病という名称はそもそも日本人医師が最初に独立疾患として認めたこともあり日本では一般的であるが、最近の外国の認知症分類では前頭側頭葉変性症分類の下位に組み入れられ消え去ろうとしている。河野先生は尊敬する先生方がピック病という名称を残したいという思いでおられることを知り、それでタイトルにピック病を冠したということを前書きに書かれている。普通だったら学術書だったら入れないと思う。それだけでも思い入れが分かろうというものだ。

彼の本は面白い。文章に本当に経験した凄味がある。そして内容が本当に実践的で、僕の頭の中に「あの人はピックなのかもしれない・・・」という患者さんの面影が複数名よぎった。ピック病は明らかに思っているより多く、見過ごしているだけなのかもしれない。これはいかん・・・。

内科臨床に携わっている医者は是非読むように。医学的知識充実、ヘタなエッセイより面白く、つまらん自己啓発本(キャリヤポルノともいうね)よりはるかにやる気にさせてくれるぞ。後書きのこの自信→「・・・どの医師も経験できないような大勢の患者数から得られた教えが集積されたものなのです。それは「バイブル」と言われてもおかしくない宝の知識だと私は思っています。」

信じましょう。 間違いなく連休のBest Bookでした。