月別アーカイブ: 2011年12月

黄金色の蝶ネクタイ

 メリークリスマス!皆様このクリスマス周辺のお休みを楽しまれておられることと思います。

 昨日はイブでしたが、一部のスタッフはかなりおしゃれで来たり(どこかに行くわけだ)、「5時までに帰らないと困るんです、今日は!」「これやってからでないとダメだよー」「えーーー!」と一部の上司の意地悪をうけていたりしていた。

 外来では2週間ほど前から全米1位の売り上げとなったマイケル・ブーブレのクリスマスアルバムをかけてムード作りをしていたわけだが、イブの日は全員ユニフォームの上に金色の蝶ネクタイをすることにした。外来チーフ、O嬢のアイデアである。

 もともとスタッフはクリニックのシンボルが刺繍でついた白いシャツ、黒いパンツというのがユニフォームであり、僕もズボンはまちまちだが同じシャツで白衣は着ない。看護師さんも同じ。白衣は子供さんが多いので怖がらせることのないようにという配慮からだ。それも浸透し、全く怖がられることもなく、子供さんは僕が椅子代わりに使っているバランスボールをつつきながら「なんでこんなんに乗ってん?」と言う。

 「院長はクリスマスだから白じゃなく赤のシャツにしたらどうですか?」と言われたのだが、実際やってみると、ま、これは遠慮しとこか、と自己判断をする。蝶ネクタイは女の子たちは可愛いが、僕がつけてもなー気持ち悪いだけじゃないかと思いながらも装着して診察開始。

 しかし案外誰も何も言わないのである。意識しているのはわかる。特に子供連れのお母さんたち。いつの間にか全くそんなことも忘れていつも通り診察をしていたのだが、東京から転居してきたおじさんが部屋を出る前に、「みんなそんなん付けておしゃれですなー。よく似合ってられます」とおっしゃってくださった。なんとなくホッとする。

 この日は休み明けでもあり大変混雑して2時くらいまでかかる。ふぇー。受付も大変だったようで、「お疲れ!」と声をかけに行ったら、蝶ネクタイが少しヨレヨレに見えた。まあ100均だしな。来年はもうちょっと上等がいいかもね。やり過ぎだとレストランになっちゃうけど。

ネクタイより顔の方が可愛いんだけど、実物は見に来てください。

お餅つき

この土曜日は餅つき大会をした。

ここ数年、法人のお祭りとして、小さな講演会や模擬店、鍼灸やリハビリ体験などとともに餅つき大会をしていた。風邪などでクリニックを利用してくださるKさんは、趣味および健康増進として餅つきをされておられるのだが、専用の高価な臼を持ち、その手際はプロ並みの餅つき師として大阪の有名ホテルからも正月はお声のかかる人である。そのKさんが毎年ボランティアとして餅つきをなさってくださっていた。

その法人のお祭りであるが、今年から講演会1本の形式に変えた。医療介護の組織としてはスタッフ教育も考えて、本来の勉強に専念すべしと決めたのだ。地域の皆さんとのつながりを強くすることも大事なことであるのだが、と思いながらも。

すると久しぶりにKさんがわざわざいらっしゃて下さったのである。「先生、今年はいつやりはんの?」と。

いや、ほんとうにすいません、今年は餅つきは無しで、と言いかけようとしたとき、あれほどみなさんが喜んでくれる餅つきを中止するのは罪だぞ、これだけで年末の一つの行事にさせていただくことを考えてはどうじゃ!とどこかで神が叫んだのだ。

で、今年は外来の小児科に来られるボーイズアンドガールズを中心に患者さんのみなさん、今まで通りデイサービスの高齢者の方々も参加していただいて(通りすがりの皆さんも勿論OKで)、年末の餅つき大会を開催させていただくことになった。

とりあえずクリニック、デイサービスを中心に広報をしたのだが、正直どれくらいの人数が集まるのか見当がつかなかった。外だし寒いし土曜日というのもなぁー。担当のプラナリア男爵は憂鬱な位心配していたそうである。しかし、その心配は無用。盛況であった。子供さんも順番に餅をつけたし、つきたてのお餅も大変おいしかった(外来のチーフ、O嬢は杵をたたき折り、そのパワーを見せつけた)。

院内に水墨画が3点ほど飾ってある。高槻のぶ子さんの作品である。昔水墨画を書かれていた時、すごく気に入って購入したのである。その時以来何かご縁がある。少し前お話ししたのだが、ネットで餅つき大会のことをお知りになり、わざわざ来ていただいたのも驚きでした。有難うございます。

予定を全部消化し、Kさん、お手伝いのYさんは颯爽と帰って行かれた。Kさんの愛車は20年前のサーファー仕様シボレーである。かっけー。スタイルも容貌も若々しいが、それはこのような他人に喜んでいただくということを趣味としているせいに違いない。細面の平安時代の貴族のような容貌は伊達ではない。ハートが高貴であることの表れだー。反省!

家族会

 今日日曜は当院の認知症対応型デイサービス「サニーデイサービス」の家族会があった。

 認知症の方を介護しているご家族の心労は大きい。同じような境遇のご家族と知り合い、話し合うだけでも気持ちが軽くなり、また対応を話し合ったりいろいろな知恵を共有することもできる。スタッフはご家族の話を聞くことで、デイサービスにいる時とは違う利用者さんの姿を知ることができる。逆もまた真で、家庭とは違うデイサービスでの様子をご家族も知ることができる(今日もビデオで見てもらった)。認知症の方はプライドもあり、いろいろ取り繕われることも多いのである。

 今までも定期的にやっていたのだが、移転やらいろいろあってしばらく開催していなかった。久々である。13年にわたり通われている97歳のOさんのご家族も来てくださった。

 今はケアプランセンターに属しているが、8年以上にわたりサニーデイに関わり責任者であったI君の司会で始まった。彼は29歳だが本当に落ち着いて立派になった。的を得た言葉。「いいぞ」と僕は思う。彼に限らずスタッフはみんな以前に較べて本当にしっかりしている。安心できるな。

 僕は認知症の理解とケアについて、国際医療福祉大学の竹内教授の理論(大事なのはミズ、メシ、クソ)をベースに少し私見を交えて30分ほどお話しする。そこからご家族からの質問が始まり、だれることなく2時間余りの家族会は終わった。利用者さんのデイでの情景をスライドショウや動画で見ていただいている時は、音楽療法士のNさんがピアノで伴奏をつけてくれ、ちょっとホロっとした。

 こういう機会があるとご家族とスタッフの間にいわゆる顔の見える関係ができてくる。ご家族同士も仲良くなることが多い。こうして認知症の方は多くの絆のネットで守られることになる。ご家族も孤独な介護でなくなるのである。今回来られなかったご家族の方にも是非次回は参加してほしいと思う。そして頑張ってくれたスタッフのみんな、お疲れ様でした。いい日曜日になったよ。

 

12月には

 12月でござる。

 ちーっとも寒くない。自転車で行く往診も、2日前は半袖である。とはいえ師走。クリスマス。季節感は大切にしなくっちゃという訳で院内はツリーも立て、クリスマスソングが控えめに流れ、ロビーでは大男のサンタが今年も門番よろしくみなさんをお出迎えする。

 ときどき覗くBig Picture に、世界各地のクリスマス時期の様子をとらえた素晴らしい特集があった。厳格なキリスト教の伝統がない地域でもコマーシャルなフェスティバルが年々盛んになっていると書いてある。日本だけじゃないのね。

 知り合いにフランスで暮らしている人がいるが、彼女の子供の幼稚園は何のイベントもないと言っていた。いろいろな国、様々な宗教の家庭の子供が集まっているので、季節的な行事は多くは宗教的な要素を持つことが多いため全員参加できないというのがその理由らしい。まっとうな理由である。地続きのヨーロッパを感じる。

 日本のように何でもやっちゃえ!というのは、コマーシャルベースが徹底してちょっと恥ずかしい。最近ハロウィンもなかなか派手らしいが、なんでやねん!と僕でも思う。その割に日本古来の七夕とかお月見とか菖蒲湯とか、そこらへんが寂しいみたいで、やるならこっちでしょう。

 サンタを出しといてそういうのもなんだが、日本の伝統行事をクリニックでちゃんとすることに決めた。ちなみに12月は煤払い、大掃除で、本来12月13日に行うものだそうである。終われば「鯨汁」を食し、商家では胴上げをすることになっていたとwikipediaにある。ほー。クリニックでは時間が取れないため、先月から普段やらないところの掃除をスタッフが率先してやってくれている。出来の悪い院長ではとてもできないことである。サンキュウ!胴上げはしてほしくないかな?多分そうだな。