月別アーカイブ: 2008年7月

サンダー・アンド・ライトニング

 今日も少し雷が鳴った。夏の夕立だ。個人的には大変好きです。雷、稲妻。

 一人部屋にいるとなんか暗くなって、雨の匂いがして、部屋の中が夕暮れの暗いオレンジ色に満たされる。するとドーンという腹の底に響く雷鳴と、激しく降る雨の音。キャーというような子供のはしゃぎ声。そしてピカッと白く外が光る。

 なんか自分が子供の頃を思い出す。

 サンダー・アンド・ライトニングですが(ギルバート・オサリバンにこんなタイトルの曲があったな。アローン・アゲインの人です)、この二つの違いは?

 他にもあるのかもしれないが、落雷の場合はサンダーは使わずライトニングを使います。さすが稲妻。サンダー・アンド・ライトニングで「激しい怒り」の意味もある。ライトニングだけだと「ひじょうにすばやい」って意も。

 小学生の時に父親が「雷鳴と汽車」というレコードを聞かせてくれた。激しい雷鳴の中を汽車がひた走る記録レコード。リアルな雷鳴と、悲鳴のような汽笛が鳴り響く臨場感溢れるレコードでしたが、僕はその頃ベンチャーズのエレキギターの音に目覚めた頃であり、「それで」って顔をしていたのだろう。喜ぶだろうと思って期待していた父親の残念そうな顔を思い出す。でも今でも覚えているのだから印象深かったんだね。

 梅雨が明けてせいぜい3週間くらいが日本の夏の盛りだと思う。
 吹けよ風、呼べよ嵐!(ピンク・フロイドだって)

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i-podにも落ちるよ

コーヒーと痛み

 僕はコーヒー・アディクトであり、日に2,3杯は必ず飲んでいる。多いときは10杯近く。で以前、コーヒー常飲者はコーヒーを止めると作業能率が落ちるという文献を読んだことがあり、ますます止められないじゃないの。

 最近スポーツ能力とカフェインの関係を調べた文献があり、どちらか言うとプラセボ効果という結論であった。

 で、面白いのでコーヒー関連の最新の医学情報を見てみると、運動前にコーヒーを2杯飲むと、その後の筋肉痛を50%近く減らすことができるという報告があった。コーヒーの筋肉痛緩和効果はアスピリンのような鎮痛薬で一般にみられる鎮痛効果より高いという。ほんとかよ?

 カフェインの疼痛緩和作用は、普段カフェインを摂らない人や運動しない人に著明に現れるようである。

 「カフェインで筋肉痛を和らげることができれば、運動を始めた最初の週から長時間の運動プログラムに入るのが容易になる」とジョージア大学の Victor Maridakis氏はニュースリリースで語っている。

 今回の研究は、カフェインを摂る習慣がなく筋肉トレーニングも定期的に行っていない9人の女子大学生を対象に、運動後の筋肉痛に対するカフェインの影響を検討した小規模研究である。研究結果は『Pain』オンライン版に12月11付けで掲載され、同誌2月号に掲載予定である。

 カフェインに鎮痛効果があることは調べてみると一応裏づけがあるようだ。この発表は運動後に筋肉痛に限ってみれば既成の鎮痛薬より効くというのがミソだな。

 今、癌の骨転移の痛みに苦しんでいる方を診ている。鎮痛作用があるのであればお勧めしてみてもいいかもしれない。効けばいいな。

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タバコと同じで本当にうまく感じるときは案外少ない。じゃない?

リハビリ奇兵隊

 昨日、僕が世話人で定期的にやっている「今更訊けないこんなこと勉強会」がありました。講師はリハビリテーションでは世界的に有名な森之宮病院のリハビリテーション科部長、矢倉一先生で、「自宅で出来るリハビリテーション」というお題をお願いしていました。

 先生はリハビリテーション専門医且つ神経内科医で、ミラーニューロンなどの専門的な話から「だらけ体操」という誰でも出来るベッド上運動の紹介など(これも裏づけがある)、僕にとっては本当に有益で頭がニコニコするような時間でした。今までの使いまわしでなく、ちゃんとこの小さな会のためにパワーポイントを作っていただいて恐縮です。

 特に興味深かったのは、これからのリハビリテーションは専門職だけがやっていくのではなく、様々な職種、一般の方も含めていろいろな人がリハビリテーションマインドをもって関わっていくべきだという主張でした。それを彼は土方歳三の新撰組(武士だけ)から高杉晋作の奇兵隊(武士以外、一般庶民も含む混成部隊)へ、という言い方をされていました。

 これは僕の考えていることと同じで、身体にトラブルの多い高齢者がますます増加していくこの時代に専門職の方だけに頼るのではなく、みんなが勉強してみんなでリハビリテーションをやっていこうというパワーリハビリテーションのコンセプトに一致します。矢倉先生はパワーリハの支持者で、今まで多くの患者さんを当院に紹介していただいていますが、最近では患者さん同士の口コミから紹介してくれといわれるとおっしゃってました。嬉しいなぁ。

 外来パワーリハビリテーションはこの暑いのに遠方から多くの方が来られ、ドロップアウトも無く熱心に続けられています。良くなりたい!その強い意志を感じます。そのためには僕たちはどうしていけばいいか?謙虚に熱心に勉強を続けることだ。そう再確認した日でもありました。

 矢倉先生、本当に有難うございました。

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優秀且つ謙虚な先生

 

A day in the life

 今日は朝礼から始まる。2箇所に施設が分かれているので週に2回、曜日を変えて1分ほどの話をする。同じ話をすることもあるし、全然違うこともある。今日は「人間は何を考えているかではなく、何をやったかで評価される」という話をする。

 勿論僕個人のことは棚に上げている。

 お昼、僕と年齢の近い、癌で末期の男性の往診をする。深い、見通すような眼をされている。この前僕が癌を宣告された夢を見たのは彼のせいかな。

 「先生、不治の癌です(こんな言い方するか?)」と知り合いの医者に言われるのだが、案外動揺も無く「困ったなー、あれとかこれをどうしようか・・・これから痛みが出るのかな」などとぼんやり考えていた。朝眼が覚めたときも一瞬夢とわからず、夢かーとわかったとたん少し安堵感がこみ上げた。少しだけ。

 その後産業医をしている大阪府警交通機動隊に医療相談にいく。府警本部で産業医をしている女医さんが挨拶に来られる。共通で知り合いのドクターがいることがわかりなんとなく年齢が明らかになる。彼女は多分僕より5歳以上は若いが「私より下だと思ってました」と驚愕の顔で言われる。

 と言われてもなぁー、医者としては不便なことも多い。日焼けしすぎ、パンツの股上浅すぎでしょうか。

 夜、花火の音で天神祭りだったと思い出す。夜の阪神高速からビルの間の花火が見える。絶景である。昔ビールのコマーシャルで同じような景色があったな。「日本には○○ビールがある」だっけ。去年も車の中から見たことを思い出す。おお愛する日本の夏。

 「人は二度と帰らない大切な時間を無駄にやり過ごしてしまう。それが夏ならばまた再びめぐり来もしようが」というフランスの哲学者の言葉を思い出す。

 なんとなく暗いな。やっと説得して入院していただいた患者さんに対する病院の態度が全然ダメと言う情報が入ったせいだ。うーむ。

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必死で花火撮ったのに・・・

30 ways to be トヨエツ! part 2

第2章 自己認識は鏡でね。

あなたの自己認識は、食べたとたんに血糖値が300まで上がりそうな安っぽいデコレーションケーキより甘く、そして15年はいたパンツのゴムよりもゆるい、というのが相場である。

それはK氏とて例外ではない。ゴルフのフォームをビデオで見せていただいたとき、はっきり言ってもう止めようと強く決心したのだが、せっかく買ったゴルフセットのことを思い出し、泣く泣く思い留まったのである。まあ、今から思えば止めないでよかった。フォームはあんまり変わらないけど生活におけるライフラインを自分で切ったことになるからである。まっ、フォームよりスコアよ、スコア!(といってもこちらも公開できる値ではないが)

このことから判るように、自分のことを知りたかったら自分の姿を直接見るのが一番だ。

年齢はどこに出るか?某女性によれば背中だそうである。背中つまり後姿である。普段意識しない後姿、意識しない分年齢がそのまま出る。それは静止しているときよりも、動いているときに顕著である。

では後姿をビデオで撮ってもらおう、といってもこういうのは案外難しいが。最近は携帯電話でも動画が記録できるから、頼める人がいたら短時間でもいいからこちらが意識しないときに歩き方を撮ってもらおう。

見た瞬間に血の気が引くと思うけど。

他人に頼るのがいやだったら、自分で鏡で見る。自然に立っているとき、歩いているとき、その姿を見る。どうすれば自分で納得できるか、修正を加える。

形だけ直してもそれが若さを保つことになるんですかー?
もっともな質問だ。しかしそれがなるのである。
一つは意識付けの問題。前回でも言ったがこうありたいというイメージを持つと持たないでは大違いである。1年経てば雲泥の差。そのために意識する。

もう一つは、いい姿勢、歩き方というのは全身の筋肉を活性化し、結果的に若さを保つことに寄与するのだ。歩くというのは、とくにトボトボじゃなく背筋を伸ばして颯爽と歩くというのはかなりいい筋トレなのである。

ちゃんと出来ているか、結構まめにチェックすること。

男にとって鏡を見る時間ほど個人差のあるものは無いだろーなという気がする。若い奴は必要以上に気にするが、いい年になると極端に鏡と縁のなくなる人が増える。ナルちゃんじゃないよ。身だしなみのために鏡は必要だ。全身とともに、顔とか他のパーツも鏡でチェックすることを心がけたほうがいい。男性より女性のほうがいい年になると若々しい人が多いのは鏡でチェックすることが習慣になっているからではないかな。

まず、自己認識は鏡を見る時間を増やすこと。といっても1日30秒以上見ることはまず無いK氏ではあるが。

夏は朝

 清少納言によれば「夏は夜」であるが、僕にとっては「夏は朝」です。

 休みにもかかわらず個人的サマータイム制度導入のために早く起きる。全英オープンのため睡眠不足ですが(興味のない人には全くどうでもいいでしょうが本当に面白かったですねー、さすが発祥の地であります。あのコンディション。僕だったらスタートしたら最後戻れません、多分)すっきり爽やかです。

 涼しいうちに少し運動する。日がさしている。風が吹いている、人の影もなく緑だけがキラキラしています。心より気持ちがいい。頭の中に快感物質が充満してくるのがリアリティをもって判ります。

 普段僕たちは、理性というか頭でもって判断を行っています。でも、頭というやつは自分で調節するのですね。それなりの計算を行い、自分を納得させる。体の感覚はバッドでも、いやいやそんなことはないと無理やり納得してしまう。こういった修正は日常的に行われており、自分でもそうと気がつかないのですが、実は心にストレスをかけていることが多いのです。それはちょっと、と引っかかっても(それさえも意識していないことが多い)、頭は実にうまく言い訳しちゃうのね。

 夏の朝のように、心から美しく、自分にとって気持ちのいいことが選択基準であるように意識すれば行動も変わってくるのではないかな、と朝のクリアーでシンプルな僕の頭は考えたのであった。他人になんと言われようとね。

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発想は午前中に、というのは脳生理学的にじょーしきである

アナザサイド

 今日は7月15日である。この前7月だ、夏だー、と思っていたのにもう半分過ぎている・・・愕然。

 青年、もとい中年(でいいでしょう?)老い易く学成り難し。毎日本当に業務に追われ(それを仕事というんだけど)、はっと気がつけばほぼミッドナイトという生活。充実しているといえばそれはそうだが、仕事以外のオレのオリジナリィティがないのは淋しいぞ。

 実は仕事がらみでも全くの趣味の領域でも、やりたいことはゴマンとあって目移りがするくらいだ。シンプルに時間がない。時間がちょっとあると墜落睡眠してしまう。これじゃーだめだ。

 というわけで、毎日なんとか人生のアナザサイドを確立するべく最低30分の時間を割くことにした。30分?短すぎるんじゃないの?と言うなかれ。とれんぞー、これが。結構四苦八苦。三日坊主という言葉の正確さを思い知る。なんとかそこはクリアーしたが、これからどうなることやら。

 でも半年続くと間違いなく一皮剥けると確信している。この努力は結構楽しい。僕はまだ固まっていない未熟な人間なので自分でも楽しみだ。どうなろうと変化はすべて善。停滞より良し。ポジティブにいきましょう。

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こういう感じ

 

クールジャパン再び。

 サミットとか6ヶ国協議とか、外交のニュースを見るたびに、どうして日本て存在感が少ないのかと思う。これって外交におけるコミュニケーション能力の問題ではないだろうか。

 日本という国の能力は本当に素晴らしく、世界レベルで考えてもナンバー1の分野がいくつもある。それでなんであんな卑屈な感じなんだ?もっと自信持ってもいいんじゃない?

 前にこのブログで「クールジャパン」という話を書いた。 http://decency.seesaa.net/article/29705881.html
日本はかなりイケテますという話を世界各国で取材した雑誌を取り上げたのだが、その中で東京観光に来ていたアメリカ人が、「数時間前に財布を忘れたのだがそれがそのまま返ってきた!信じられない!これぞクールジャパンだ!」という記事があった。同じようなことになるが、僕がよく見るブログでサトナオ氏がパリに留学している友人の言葉を書いている。そのまま引用すると・・・

こちらでの日本人の評判のよさにはいつもびっくりしてる。
学校の誰に聞いても「日本人ほど丁寧でやさしくて謙虚な人はいない。」って答えるし、友達のソフィアのパーフェクトな気遣いやユーモア、アメリカ人とは思えぬ謙虚さを「なぜ!?」って聞いた時、「日本人をまねしてみたらこうなったの」って教えてくれた。

私からすると、韓国人にも似たものを感じるし、それがヨーロッパの人なら尚更だろうって思って聞いても、「韓国人と日本人は全然違う!日本人の方がやさしい。」って誰もが断言。パリのコルドンのシェフの奥様も全員日本人だよって聞いた。ジェニファーは「日本人でいやな人がいるなんて想像もつかない!」と断言。

すごいなあ。ここまでの信頼。
長年にわたって積み重ねてきた方たちの存在を思い知るよ。
後にきた私も、自分の国籍を誇りに思えるような気持ち、私もバトンを次につなげていかないと。
 
 どうですか。ここまでいかなくても日本人の精神的にすぐれた部分というのは世界に誇ってもいいと思うんだけど。

 同じことを言っても自分に自信のあるときとそうじゃないときとは他人に響き方が違うというの誰でも感じていると思う。世界に対する外交でなにか自信がないからうまくコミュニケーションできないんじゃないんだろうかね。日本人であることが最高のウリであると自信を持とう。もっとも裏の事情もあるでしょうが。

 今の10代というのは、あまり臆することなく世界に対応できる人が多い気がする。日本人のいい部分を持ったままだと、彼らが外交の主役となるときが日本の真価を素直に表現できるときでしょうか。もっと早くてもいいよな。

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もう一度

  

夏の色彩

 今週前半はやることが多く、更新しないままにすぐ時間がたってしまった。ブログを書く時間が取れるのは寝る前である。何かの締め切りがあったり、会があって遅くなったりするともうきびしいね。書けなかったなーと思っているうちに4,5日はすぐたつ。シンジラレナーイ!

 で、話は急に変わるがゴルフに久し振りに行ってきました。気持ちよかったです。夏でした。入道雲を見て気持ちがアップしました。

 一緒に回った3人は僕より20歳以上若い。彼らはどう思っているか判りませんが、僕はジェネレーションギャップを感じることもなく、とても楽しく過ごせました。スコアは100チョイでたいしたことないですが、夏の昼下がりにそよ風に吹かれてフカフカする芝生の上を歩くと本当に幸せな気持ちになります。僕にとって仕事やら何やらで心に中にうっすらとたまっていっている不純物がサラサラと流れていく回復の時間なのです。

 今日の僕はオニューのちょっと地味な(うそ)ズボンで、他のやつも全身ピンクやら白いハンチングやらパンツずれおちそうやらまあ結構元気なアピアランスで、こういうのもいいです。おっさんと行くとそこらへん淋しくていけません。

 T君、M君、I君、また付き合ってな。人生を決めるのはまだ早い。まだまだ迷って、そしてリベンジ待ってるよ!

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もう、歩き疲れたで。

 

 
  

野生の思考

 菊地成孔氏の「野生の思考」を聴く。素晴らしいなー。なんと美しい音楽だろう。

 菊地成孔氏はまぎれもなく天才だと思う。一時完全にアディクトとなり、アルバムから著作までかなり集めた。そのどれもが失望することはなかった。

 理論派である。東大で講義もしていたが(内容は著書として発売されている。「東京大学のアルバート・アイラー」というタイトルで)、でもね、こいつは絶対変態だぞ。神経症(欝かな)にも一時なっていた。

 彼のテナーサックスの音が完全に好み。彼と清水靖明氏(この人も天才肌でバッハの無伴奏チェロ組曲をサックスでやったアルバムを出している。これもすごくいかすのだ。)の音は、僕の中の原初からある音に近い気がする。多分お二人とも僕とは全く違う資質の方だと思うのだが。勿論才能も。しかし確実に触れてくる。

 「野生の思考」ではあまりサックスは鳴らず、弦楽が主となっている。そこが当初気に入らなかったのだが、素直に耳を傾けると本当に美しい音楽だ。突如現れる恐ろしいくらい甘い旋律。戦慄!(わかってね)。

 DEGUSTATION A JAZZというメジャーデビューのアルバムでは、あらかじめ作った何十曲のオリジナルを、ごくわずかずつだけ切れ目なくつなげる(DEGUSTATION という、少しずつ小皿で何皿も出すレストランの方式を真似ている)という革新的な方法を提示した。次のアルバムのタイトルは「南米のエリザベステイラー」という意味深なものである。内容もこれまた美しい。ともかく曲者です。

 夜、一人で自分の心の中に沈潜するとき、彼の音楽が今のところ一番ふさわしい。それは僕にとって大いなる喜びである。

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ジャケットにもうるさいよー。