月別アーカイブ: 2014年7月

私を野球と海辺に連れてって

甲子園広告

梅雨もあけて夏らしくなってきた。朝、愛犬の散歩に行く時にはすでに汗ばむ気温である。

「胸をはり 犬と歩くや 夏の朝」 なんてね。愛犬のダルメシアンも15歳と飼い主に負けず劣らず高齢であり、実際はよたよたと犬が倒れるか飼い主が倒れるかという散歩ではあるが、まっ、夏らしく爽やかにいこう。

通勤で結構早い時間に車を走らせていると、今日一日めいっぱいやりまっせ!という感じで空が目覚めていくのが分かる。こんないい季節はないな、1年中夏だったらいいのに、と思う。すべての人が「暑い、暑い」と言っていても関係ない。

夏と言えば思い出すのが片岡義男氏の名セリフである。

「夏は単なる季節ではない。それは心の状態なのだ。」

そのとおり。そしてゴキゲンでないと意味がない。

と鼻歌を歌っていたらスペシャルな贈り物をもらった。患者さんのOさん、以前某テレビ局の「隣の人間国宝」でも取材された、野球場の模型を手作りされる名人です。以前ボストンレッドソックスのフェンウェイパークもいただいて点滴室に飾ってある。

今回はデコレーションケーキ並みの大きさの甲子園!!です。しかも当クリニックの広告看板付き。うーーーー。

心で口ずさむのは「私を野球に連れてって」 (Take Me Out to the Ball Game)ですね。
でも、この季節は野球もいいけど「海にもね」(and Seashore) といきたい。 
素敵な贈り物を有難うございました、Oさん。

 

 

コーヒー遺伝子

caffeine

僕はコーヒーをよく飲む。中学生の頃から自分でコーヒーミルを買って、コーヒー豆をゴリゴリ挽いていた記憶がある(今そのことを思い出したのだが、いやなガキだねー)。今でも1日に3杯は飲んでいるが、カフェインの覚醒作用を楽しんでいる訳ではなく、ヘビースモーカーのように癖になっているだけだ。寝る前に飲んでも平気ですぐ寝てしまうもんね。

面白いペーパーをみつけた。「お酒やコーヒーなど日常的飲み物と日本人の遺伝子. 筑波大学技術報告 31:33-38, 2011 」。アルコールを分解するアセトアルデヒド遺伝子多型の違いにより酒に対する強さが変わるのだが、それを都道府県別に調査して秋田、鹿児島、高知、沖縄など酒に強いと言われるところは遺伝子からでもそれが実証されたなど興味深いが、コーヒーのカフェインに対する感受性も遺伝子に左右されるという僕の全く知らなかったトピックが書いてあった。

アデノシン受容体というのがあって、ドーパミン作動神経細胞と呼ばれる覚醒や鎮静を司る神経系の細胞にも存在している。ドーパミンがこの細胞のドーパミン受容体に結合すると精神が高揚し覚醒した一種の興奮状態になるが、アデノシンは同時に分泌されアデノシン受容体に結合してドーパミンの作用を調節(抑制)する役割を担う。

コーヒーに含まれるカフェインはアデノシンと構造が似ており、アデノシン受容体に対して同様の結合親和性を持っていてアデノシンの結合を阻害、その結果ドーパミンの作用抑制が阻害されるので不眠や興奮などの作用が増強される。

このアデノシン受容体の遺伝子型にタイプがあり、シトシン(C)、チアミン(T) の組み合わせによりCC型、CT型、TT型に分けられる。Cがあるとカフェインの親和性が強く結果としてよりドーパミンの効果が出やすい。言い換えるとカフェインの覚醒作用が強いということになるわけだ。中国を除くアジア地域ではTT型が多くアフリカや南米、アメリカの白人などではCCが多い。

CCはカフェインの効果(覚醒効果や気分がよくなるなど)が高いため多飲傾向があるようである。カフェインはお茶にも含まれる。中国はアジアでは珍しくCCの多い地域で、雲南省がお茶の起源であるが、唐代の詩人魯仝はお茶の効用について次のように述べている。

『1杯飲むと喉が潤い、2杯目で一人思い悩むことが無くなり、3杯目で詩想があふれ出し、4敗目で不平不満が無くなり、5杯目では全身が清清しく爽やかになり、6杯目で神仙の境地に達し、7杯目では羽が生えて空を飛ぶ思いであった』

すげっ・・・  僕はコーヒーをよく飲むけど効果から考えるにCCじゃないだろうな。  

CCになりたい!

 

 

 

コミュニケーション力をつける方法

kiss

年若い友人と話していて、時節柄ブラジルの話題となる(彼はしばらくブラジルで暮らしていたのだ)。

「むこうの人って本当に話しかけるの上手ですよ。知らない女の子なんかにすごい自然に話しかける」

「そういうのってどうして身につくのかねぇ」

「なんででしょうね。挨拶も頬っぺたにチュッチュするのでなんかコンタクトとるの慣れてる感じですね」

「そのチュッチュって普通の知り合い同士でもするの?」

「そうですよ。」  「なんか嫌いなやつとかいるじゃない?そういう場合でもするのか?」

「するって言ってました。これは挨拶だからって。でも嫌いなやつだと後で隠れて拭くと言ってました(笑)」

「(笑)なるほど。しかしフランスとかラテン系は結構抱き合って頬にチュッチュするのが一般的だな。ロシアもそうか。外国では結構ハグしたりするのもやるな」

「そうですね。東洋は接触しないですね。韓国もお辞儀ですね」

「ラテン系はともかく挨拶として握手が一番ポピュラーだけどそれでも身体を触れあってるもんな。アジアは触れないんだ。それが実は問題なんじゃない?最近のコミュニケーション力不足の。チュッチュしてるとコミュニケーション能力も上がるんじゃない?」

「・・・そうですね。案外そういうのあるかもしれないですね。身体をふれたら全然感じが違いますもんね」

「そうだろう。仲良くなると触れる機会が増えるもんな。最初から触れると壁ができにくいかも。いいな。これから院内でも挨拶はハグして頬にチュとすることにしよう。チュはエアーでもいいや。・・・・でも実行すると院長はスタッフの決議で更迭されるかもしれないな・・・」

「それ以外はすごい人格者だとみんなが認識していたら大丈夫ですよ(笑)」

「・・・それが一番自信ない」

実はその後、我々はコミュニケーション力をつける最強の方法を見つけるのであるが、それは彼の名誉のため一時秘密としておこう。しかし他人とコミュニケートするには恥ずかしがっていてはだめなのだ。