カテゴリー別アーカイブ: 未分類

東京日和

 東京に行ってきた。連休で旅行、じゃなくってお世話になっているヘルシーパス主催の「ミネラル栄養療法実践セミナー」に参加してきたのである。

 東京は人が多い!なぁー。丸の内、大手町周辺しか行かなかったので震災後の影響とか全然わからず、相変わらずの東京でした。快晴。

 会場はいっぱいで盛況。内容も大変ためになった。特にNPO法人「食品と暮らしの安全基金」の中戸川貢先生の講演は目からうろこ。いわゆる外食ではいかに必須ミネラルが不足しているか、コンビニで買える加工食品はどれだけ栄養学的にプワーか、必須ミネラルを減少させるリン酸塩がいかに多くのものに使われているか!

 唖然…これでは何も食べられません。便利さと引き換えにいかに貴重なものを失っているか。

 これからは出来るだけ自然なものを自然なやり方で食べたいと思います。そしてマルチビタミン・ミネラルもちゃんと飲もう。ヘルシーパスさん、どうも有り難う。出来る形で皆さんに還元したいと思います。

 

証拠物件                    おまけ:お電気自動車テスラ・ロードスターじゃないか!

                               日本で売ってるの?

 

先週のこと

 当たり前の話だがやたら早く時間が過ぎる。先週は何をしていたんだっけ…? 会食が多かったんだ。

 月曜日、抗加齢医学的検査の一つ、遺伝子検査「ジェノマーカー」をお願いしているG and G社のTさんが福島から来阪される。本社が福島なのである。仕事柄アイソトープを扱う資格もお持ちのTさんは放射線にも詳しく、この原発事故において、政府、東電、メディアの放射線被害の発表、報道がいかに遅く、適格性を欠くか、技術者の精密な頭で判断しホットに憤りを訴えられていた。

 マスメディアの報道は公平でも正確でもない。きわめて何かの意思が加えられたものである。そんなことは前からわかっているが溜息がでる。真実を知るには頭を使わなくてはならない。ボーとしていてはだめなのである。Tさん、頑張ってください、応援してます。

 週の中盤もいろいろあって土曜日は、城東区の盟友N先生と僕が世話人をしている勉強会が3時から。済生会野江病院、糖尿病内分泌科の部長であり京都大学の臨床教授でもある安田浩一郎先生に新しい糖尿病薬DPP4阻害薬を中心に講演してもらう。この会は恥ずかしがらずに何でも質問する、演者は気を悪くせずなんでも答えるという規約があり(まぁ別にそれがためという訳でもないですが)、質問も多くお話は非常にためになり、いい会であったと思う。安田先生、のってますね!

 この会は今回が10回目で、開業医が自主的にはじめた会がこんなに続くことは珍しい。お手伝いをしていただいているN社のご厚意とともに、忙しい中向学心をもって参加してくださる先生方に感謝。終わってからN先生と会の今後についてお話しする。なかなかいいアイデアが出たのでもう少し練ってから諸方面にあたることにする。N先生のいつもながらの実直な人柄に感銘を受ける。

 時間もないし、本来こんなことはしなくてもいいことなのになぜ手を出してしまうのか?自問するが性格なんだなぁ、そういうしかない。決められた仕事だけをしてあとは自分の趣味に生きるという感じの人生には縁がない。つまんないじゃない。アメリカの有名なニュースキャスター氏(名前は失念した)が「俺は年をとってヨットの上やゴルフ場のグリーンの上で死にたいとは思わない。このデスクの上で突っ伏して死ねたら本望だ」と言っていたが、僕も気持ちを同じくするものである。

 午後6時半から神戸で大学病院時代のボス、現済生会中津病院院長の川嶋先生を囲む定例会。年に2回、もう10年以上続いている。もともと動物実験グループで、メンバーは大体いつも7,8人集まる。僕は在宅でかなり危険な状態の患者さんがおり、いつ呼び出されるかわからないのでノンアルコールである。それでもおいしくフレンチをいただく。2次会のバーもソフトドリンクである。以前ならフラストレーションがたまったが今はむしろホッとする。あまりアルコールは飲みたいと思わない。素面だと酔うというのは結構みっともないわね、と思います。皆さんお元気でした。

 帰りは車でK先生を送る。家が僕とほとんど離れていないのである。歩いて3分。彼は神戸市医師会の理事として超多忙である。1か月に20回医師会に出務!?。この震災も医師会からの災害派遣医師としてすぐ駆り出されていき、報告書も見せてくれた。もともと熱いタイプであるが最近はよりヒートアップしているようにも見える。

 「その情熱はどこから来るわけ?」「うーん、やっぱり好きなんやろなぁ。そうじゃないとでけへんと思う」

 

 人により情熱の向く先は違う。こういうことは誰に論評も出来ないことだ。そして仕事が趣味より上とかそういうものではない。仕事も遊びも等価だと思う。好きなことをやろう。やることに意味がある。男は8の倍数で体調の変化が来るというのは一つの説だが、彼も僕も56だし。

 

ノンアルコールなのに酔った写真

 

ライブ2つの土曜日

 土曜日の診療が終わってから、飯を食う時間もなく竹内教授の講演会に行く。竹内先生はパワーリハビリテーションの創始者であり、現在も高齢者ケアの一環として、老健オムツゼロ運動(老健の入所者みんなのオムツを外そう)を積極的にされていてかなり効果が上がっているようである。

 僕は幸い懇意にしていただいていて、講演の時も何かと話題に挙げてくださる。でも「池岡先生は抗加齢医学を熱心にされていて、今も若く見えるけど結構としなんです」と、まぁ、最近はこればっかりだ。

 講演自体は一般の方を対象にしたもので目新しいものではなかったのだが、講演のあとお茶を飲みながらお話しした雑談はかなり目の覚めるものであった。先生の最近の興味は高齢者の嚥下機能、栄養に移っていて(僕と同じ)、「オムツを外して寿司屋に行こう!」というのが目標とのこと。キザミ食やペースト食にするのは間違っているという話で、ではどうするか、話を聞いて僕は相変わらずの先生の視点の面白さ、実行力に感銘を受けたのだ。今やろうとしていることにすごくヒントとなった。深謝します。

 その後、約束していたライブに行く。高校の同級、芦屋の悪社長と一緒である。前行ったKawoleさんのライブが苦楽園であったのである。以前からあったバーであるが新装開店したようで恐ろしくスタッフが不慣れである。雰囲気は客層も含めハイソ苦楽園そのもので、悪社長は「コージーじゃないな」という。同感である。

 しかし音楽はよかった。Kawoleさんは初めて一緒にやるメンバーなのだと言っていたが、不慣れな感じもなく彼女は全くぶれない。自分ができてるのね。久しぶりにウオッカをがぶ飲みするが、僕はビールだとすぐ酔うくせに蒸留酒は強い。あまり酔わず、悪社長と震災後のこれからの日本の話をする。どうしてもこうなる。遊んでると後ろめたいがそうばっかり言っててもなぁ。気持ちはしっかり真面目である。そして今、日本1大変な男である同級生、Y福島第1原発所長の健闘を祈る。

 

New Year

 明けましておめでとうございます。

 

 おそい!キャー、もう7日よ!

 どういうわけか珍しく仕事始めからやたら忙しい。例年年初はスローなのだが、今年は年末みたいなラッシュである。訳がわからぬ。しかし僕のような凡庸な医者にもかかろうかと思う方がいるというだけでも幸せと思え!努力せよ!と、おしっこに行く時間もないが感謝する。

 お昼もどういうわけか来客や用事が多い。僕の生命線である午睡をする時間も勿論ない。で、夜9時半頃に帰ってきて飯を食い風呂に入ると、そのまま浴槽で居眠りをしてしまう。あぶねぇ、あぶねぇ。

 で、ブログを書く時間も気力もなかったのだが回復してきました。

 今年はいつになくガッツが入っている。何にって、仕事ですよ、仕事。で、それだけじゃなくいろんなことにフルフォースでいこうと力がみなぎっている。こういうことは近年無かったので嬉しいです。なんというか説明しにくいですが、いろいろなピースが収まりのいいところに落ち着いたのでやっと準備OKという感じ。

 今年もよろしくお願い申し上げます。Wow !

子供化

 今年も残り少なくなってきた。

 内科開業医が最も忙しいのは冬場、風邪の季節であり、特に年末はちょっと今まで気になっていたことを片付けておこうと受診される方も増える(考えてみるとすごい話だが)のでやたら忙しい。しかもオフでは忘年会やらなんやらで、ほんとにブログを書く余裕がなかったのであった。

 睡眠時間が削られる。これが全くダメだ。そんな時は何が何でも昼寝を、絶対これだけはやってくださいというお願いも平気で無視してやっていたのだが、この頃は来客やらなんやらでそれも出来ず、夢遊病状態で活動していた。これはイカン。

 僕はタバコは吸い出して2年くらいでやめた。その頃ノルディクという走るスキーをクラブでやっていたのだが、タバコを吸うと明らかに走れなくなるというのを自覚して、その頃は克己心も強くさっさと止めてしまった。あまり身体にあってなかったのだろうな、多分。

 ここ数年、アルコールもほとんど飲まなくなった。少なくとも20年以上は晩酌と称して毎日飲まない日はなかったのだが、ある時アルコールが入るとすぐ寝てしまう非生産的な日常を変える必要があり、最初は不安だったのだが(ほとんど依存症だね)アルコールなしの朝の目覚めは高校生のようだと感じてから、これもあっさりと止めた。でもタバコと違って時々は飲むけどね。

 睡眠時間は6時間弱が多かったのだが、ちょっとしんどい。で、できるだけ12時前に就寝を意識する。たまにできたときは爽快である。

 煙草、酒、夜更かしという大人の快楽をどんどん放棄し、いまや子供である。半ズボンにランニングで、ランドセルをしょってリコーダーを吹きながら通院するのが夢である。

 子供は何をするか?外で遊ぶのである。それしかないでしょ。僕は昔の子供だからインドアはあまりしないのである。できれば1日中、暗くなって「ご飯だよー、早く帰ってきなさい!」と怒られるまで帰らない。

 外で遊ぶこと、つまり運動することの重要さ、これは何度言っても言い過ぎることはない。僕は外来で「運動してる?」しか言わないので患者さんにはほかに言うことないのか、と思われていると思うが、実際大事なんだから。そして思っているよりちょっと激しくやらないといけない。せめて汗ばむくらい、ちょっと息が切れるくらい、が最低必要なのだ。

 歩くならバスに乗り遅れそうなので速足で歩いているくらいに(特に腕を意識して振るのが大切だよ)、うちでこまごま動いてますという人は、それにスクワットや腹筋を入れる!少しでも身体を動かすという運動マインドが大事なのだ。1日中うちで閉じこもっていてはいけない。

 大きいのは脳の働きに運動がとても役に立つということだ。散歩の時にいい考えが浮かぶというのは昔から言われていることだが、身体を動かすことで脳が活性化することは科学的に実証されている。そこでも歩くより軽いジョギングのほうがいいというデータがあった。身体を動かすと(特にリズミックな運動は)セロトニンが増加して鬱を防ぐというのも実証済みだ。

 子供化がいかに素晴らしいかわかったかな。みんな、なりたくなったでしょう。

 僕は自称小学5年生で行こう。やーい、上級生だぞ!ざまーみろ(知能の子供化はいけません)。

  

一無二少三多

 急に寒くなり風邪をひいている方が増えている。僕も珍しく風邪をひいた。

 何となく寒気がし、鼻水がやたら出てきた。もともと僕はアレルギー体質で、血液の抗体価を見るとびっくりするくらい多い。スギ、ヒノキ、ハウスダストなんかはもとより、あらゆる種類のものに抗体ができているのではないか、患者さんだとすると思わず「お気の毒です…」と言ってしまいそうなくらい派手です。

 でも症状は出ないのだ。抗体価と症状は必ずしも相関しないという臨床的事実はここにある。理由ははっきりしない。

 しかし鼻水がいったん出だすとやはりかなりしつこいのです。集中力が途切れてくる。これはいかんと抗ヒスタミン剤を飲む。普段あまり薬を飲まないせいで20分くらいで効いてくる。急に鼻水が止まる。

 あとは2日ほど、午後10時には眠りにつく。やらなアカン仕事も日々の筋トレもお休み、免疫力の増強をはかり休息を取る。で、3日で完治した。

 普段の診察でも早めに来た方は治りがはやい。「ゾクッ」ときたらすぐ薬を飲み(抗生物質は必要ない、抗炎症剤は無効と言われているが効く気がする)、体を温め(入浴も可)、最低8時間くらい寝てしまう。2,3日はいつものペースを落とし休息する。普通の体力の方、普通の風邪のウイルスならこれでOKです。

 やはり免疫力が大事。そのためには日頃から、「一無二少三多」です。禁煙、小食、少酒、多動(運動)、多休(睡眠たっぷり)、多接(美しいもの、面白いこと、いい人に多く接する)です。これぞ極意!これからの季節は特に意識してくださいね。

話は違うがロッテ、おめでとう!応援してたよ!

プレゼント

 まだ仕事始めから3日目だけど(というか、だからか)結構お疲れモードになってきた。これではいかん。抗加齢医学会の中心人物である慶応の眼科学教授である坪田先生は、年始のメールで彼個人の「2010年の10大ニュース」を予測して送ってこられた。これはつまり今年の目標ということである。僕もモチベーションをあげるため僕の10大ニュースを製作しようとするも5つで行き詰る。うーん。

 家に帰ると小包が届いていた。もう10年くらい会っていない、賀状交換をしているだけの僕の後輩S君からだ。僕は20代後半から30代前半まで(多分今までの人生で世俗的な意味で一番面白かった時期)いうのも恥ずかしいがウインド・サーフィンに人生のかなりを捧げていた。ごく僅かの時間でもあれば香枦園の海の潮風に吹かれて細胞の活性化を図っていたわけだが、S君は僕をそのウインド・サーフィンの世界に導いてくれた恩人なのである。

 彼とはいろんなとこに行ったなぁ。勿論聖地であるマウイ島にも一緒に何回か行って、今とはまったく別のライフスタイルがあるということも教えてもらった。彼は湘南ボーイであり、海とともにする生活が自然な人だったのである。

 小包には2枚のCDと手紙が入っていた。彼の中学、高校の同級生である益田ひろしという人のソロギターアルバム。「彼の曲にはヒーリング効果がありますので、ちょっとお疲れの時に聴いてみてください」とあった。こっちのコンディションを察知しているかのような絶妙のタイミングのプレゼント。

 彼が鎌倉・材木座でウエット・スーツを着てウインド・サーフィンをしている写真が添えてある。「相変わらず海で遊んでいます」とある。もう50前だったっけ。ソロギターは素朴で直球という感じの音楽で青春の香りが漂う。元気を出せってことだね。

 

鍼灸礼賛

「緩和ケア研修会」は無事終わった。いろいろ得ることが多く、参加してよかったと素直に思えるのだが、1つの収穫は、鍼灸が呼吸器リハビリテーションに使用されているということを知ったということである。

 

 グループミーティングの時、癌末期の患者さんの痛みをとる手段として鍼灸はどうでしょうかと僕が話していたら、「鍼灸ね、それはいい。うちでもCOPD(慢性閉塞性肺疾患。タバコが主たる原因で年月が経つと呼吸困難が出てくる。これから患者さんが大変多くなると予想されている)の患者さんにやってもらっていて、すごーく良くなるよ」と呼吸器センターのF先生がおっしゃったのである。

「それは呼吸筋がリラックスするからですか?」

「多分ね。本当にすごく良くなるのでもっと(鍼灸師さんに)来て欲しいんだけど」

「!!!」

 

 僕がアキレス腱を切って、それに伴う股関節の障害等でちゃんと歩くのもしんどい、となってから久しいが、最近目覚しく改善してきたのは、それはひとえに鍼灸のおかげであると断言できる。いろいろ人のやりそうなことは試してきたのだが、うちの鍼灸院のH先生の施術を一度受けてこれに賭けようと思い、週に3回は施術していただくという贅沢な、しかし切実な絨緞爆撃作戦の結果、間違いなくADLが向上したのである。来年からジョギングを再開するという目標に手が届きそうな感じまで来たと思う。

 

 おまけに実験的に顔針(顔の周辺にひまわりのように刺す。針が細いので全く痛くない)もしているのだが、どうも白髪まで少なくなったような気がする。ぼくが30年近くお世話になっている散髪屋で「白髪減ってない?」と言うと「いやー、やっぱりそうやね。少なくなったなと思っててん。一時多かったけどね」という返答であった。リップサービスかもしれないが本人の印象もそうなんだな。

 

 鍼灸は副交感神経刺激作用があり、刺入部位のみならず四肢末梢の血流量も増加することが証明されている。筋肉の弛緩効果もあいまって毛根部の血流増加がおこってそうなったのか。そういえば最近あまり疲れないけど、交感神経過緊張があまり起こらないせいかもしれないな。

 

 というわけで薬も使わないで、刺激により体内の化学工場をドライブする鍼灸は相当お勧めです。どの鍼灸師の先生がやっても一緒とは思わないけど。また怖がっている人には言っとくけど痛くない。考えていると来年の抗加齢医学会に向けて鍼灸のデータを取るアイデアも出てきた。乞うご期待というところです。

 

 

 

そう、そう。

同級生

高校の同級生とゴルフに行く。2組集まったのだが、そこでびっくりする話を聞かされる。

 

ほんの数日前に同級生が亡くなったのだ。彼は優秀な精神科医で、ある事件に巻き込まれていて(新聞にも載るような)、そのことで僕もメールをしたのだが少なくとも返事の文面上は元気そうであった。だけど突然ちょっと複雑な亡くなりかたをした。

 

数年前の同窓会で本当に30年ぶりくらいに会って、その時中学1年の時の臨海学校で僕がよく足がつった話(その時よく一緒にいたのだった)を楽しそうにしてくれて、僕も嬉しかったのだ。その後も何回か会ったのだが、とても頭がよくてパワフルで、エキセントリックなところも少々あったのだが、心の優しい、その分少し生きづらそうな感じを受けた。 

 

全員絶句した後、

「死ぬ気やったら何でもできるやろー。何してんねん」

「ほんまや。おまえなんか何やっても絶対死ねへんな」

「そうや。俺ぜったい人のせいにするもん。すべて他人のせい。ゴルフやったらクラブの 

 せい」

 

などと言っていても元気はない。

 

その瞬間に何を考えていたのだろう。

 

夕方、風に吹かれて月を見る。「君が死んでも世界は変わらない。でも君が生き続けていると世界は変わるかもしれない」という言葉を思い出した。優秀な彼にふさわしい。でもこんなこと何の慰めにもならないなぁ。心の中は他人には判らない。

 

本当に残念。いろいろな意味で。

 

 

私的音楽療法

今週はどういうわけか忙しかった。仕事が終わってからの会合が3つ、で、今日も午前診が12時半に終わってから往診、15分で昼食、交通機動隊の検診、かえって外来ミーティング、そのまま午後診に突入、終わって、帰って、晩飯食って風呂に入ればもう11時である。

 

朝は梅雨明けを思わせる爽やかさだった。診察室で「こんなとこに居る場合ちゃうで。俺はビーチや」なんてほざいていても、実際は潤いも余裕もちゃんちゃら無いのであった。

 

で、診察室でゴンチチをかける。待合室とは別の音楽が診察室ではかかっているのである。「南方郵便船」「修学旅行夜行列車南国音楽」、この2曲はキラーチューンである。前奏が始まっただけで僕は副交感神経優位の状態となり、心は南の潮風の中を漂う。患者さんが何を言っても気持ちよく受け止め、優しく励ます言葉しか出てこない。望ましかるべき医者の姿が1枚のCDで現出するのである。まぁお安いといえばその通りであるが、こういう処方箋があるのは悪くないではないかね。

 

音楽は人間を変容させる強力なツールである。不眠の方が、ベッドで音楽を聴きだして入眠剤が要らなくなったと言っていた例もある。デイサービスでもやっているが音楽は療法なのである。

 

僕のCD処方箋の一部(現時点ね)。

 

頭をクールにしたい・・・マイルス・デイビス「In a silent way

菊池成孔「花と水」

攻撃モードでいこう!・・・同じくマイルスは「ジャック・ジョンソン」

ゴキゲンでいこう!・・・リー・モーガン「サイド・ワインダー」

            ハービー・マン「メンフィス・アンダーグラウンド」

つらい・・・アートアンサンブル・オブ・シカゴ「ナイスガイ」

 

なーんてね。今回はジャズで揃えてみました。もっとあるけど眠気で思い浮かばず、また来週。

 

love it !