コーヒー遺伝子

caffeine

僕はコーヒーをよく飲む。中学生の頃から自分でコーヒーミルを買って、コーヒー豆をゴリゴリ挽いていた記憶がある(今そのことを思い出したのだが、いやなガキだねー)。今でも1日に3杯は飲んでいるが、カフェインの覚醒作用を楽しんでいる訳ではなく、ヘビースモーカーのように癖になっているだけだ。寝る前に飲んでも平気ですぐ寝てしまうもんね。

面白いペーパーをみつけた。「お酒やコーヒーなど日常的飲み物と日本人の遺伝子. 筑波大学技術報告 31:33-38, 2011 」。アルコールを分解するアセトアルデヒド遺伝子多型の違いにより酒に対する強さが変わるのだが、それを都道府県別に調査して秋田、鹿児島、高知、沖縄など酒に強いと言われるところは遺伝子からでもそれが実証されたなど興味深いが、コーヒーのカフェインに対する感受性も遺伝子に左右されるという僕の全く知らなかったトピックが書いてあった。

アデノシン受容体というのがあって、ドーパミン作動神経細胞と呼ばれる覚醒や鎮静を司る神経系の細胞にも存在している。ドーパミンがこの細胞のドーパミン受容体に結合すると精神が高揚し覚醒した一種の興奮状態になるが、アデノシンは同時に分泌されアデノシン受容体に結合してドーパミンの作用を調節(抑制)する役割を担う。

コーヒーに含まれるカフェインはアデノシンと構造が似ており、アデノシン受容体に対して同様の結合親和性を持っていてアデノシンの結合を阻害、その結果ドーパミンの作用抑制が阻害されるので不眠や興奮などの作用が増強される。

このアデノシン受容体の遺伝子型にタイプがあり、シトシン(C)、チアミン(T) の組み合わせによりCC型、CT型、TT型に分けられる。Cがあるとカフェインの親和性が強く結果としてよりドーパミンの効果が出やすい。言い換えるとカフェインの覚醒作用が強いということになるわけだ。中国を除くアジア地域ではTT型が多くアフリカや南米、アメリカの白人などではCCが多い。

CCはカフェインの効果(覚醒効果や気分がよくなるなど)が高いため多飲傾向があるようである。カフェインはお茶にも含まれる。中国はアジアでは珍しくCCの多い地域で、雲南省がお茶の起源であるが、唐代の詩人魯仝はお茶の効用について次のように述べている。

『1杯飲むと喉が潤い、2杯目で一人思い悩むことが無くなり、3杯目で詩想があふれ出し、4敗目で不平不満が無くなり、5杯目では全身が清清しく爽やかになり、6杯目で神仙の境地に達し、7杯目では羽が生えて空を飛ぶ思いであった』

すげっ・・・  僕はコーヒーをよく飲むけど効果から考えるにCCじゃないだろうな。  

CCになりたい!

 

 

 

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