サーフィン・クラシックス

 今日外来に30代の男性が来た。帯状疱疹だったのだがピークは過ぎていて痛みもなく、投薬をして再診することにしたのだが…

 「実は今週サーフィンに行くのですが大丈夫でしょうか?」
 「うーん、基本的には激しい運動はしないほうがいいけど、君は体力も有りそうだしこのまま治まりそうではあるので絶対だめとはいえないなぁ。自己責任で行ってもいいと思うよ。どこに行くの?」
 「静岡です。普段は2人ぐらいなんですが今回は大勢で。実はまだやりだして4年ぐらいなんですが他のスポーツは全部止めちゃって完全にはまってるんです。」
 「最近結構いい年の人もやってるよね。ロングボード?」
 「そうです。僕も最初は50歳ぐらいに人に連れて行ってもらったんですよ。先生も焼けてますよね、やってるんですか?」
 「いや、僕はゴルフ。」
 「そうかー、やりましょうよ、連れて行ってあげますよ。」
と、青年はニコニコしながら出ていった。
 
 サーフィンと聞いたときから、僕の日常の固まった空気が揺らいで小さな穴が開き、そこから潮風が吹き込んできたのだった。

 20代後半はウインドサーフィンばかりやっていた。患者さんを持たない大学院生のときは、検査とか実験が終わったらまだ明るい午後5時頃に病院を抜け出して香炉園の海に行き、1時間半ばかりのってからまた病院に戻って夜遅くまでいるという生活をしていた。狂っていたわけですね。何も考えないで海にぷかぷか浮かんでいるということがどれだけライフスタイルを変えるかというのはよく判っている。

 うーむ、サーフィンか。そう思ったときから視点がずれて、本当に世界が少し変わって見えたのである。自分が実は本当に固定した世界に住んでいるというのが実感できた。

 「今度彼が来たらお願いしようかな・・・」

 決断・無視・安泰・退屈・水死・・・どうする!どうするよ!
 つづく!!

surfin.jpg
死ぬまで無理、か?

サーフィン・クラシックス」への2件のフィードバック

  1. セイジ

    連れ合いの実家が静岡県御前崎の近くで、関西からもよくサーファーが来ているようです。

    あー、ビッグウェーブが懐かしいなあ・・・
    仲間をハワイの波で失ってから、僕はボードを封印しているのです。
    …嘘をついてしまいました。ごめんなさい。ついつい空想を…

    返信
  2. decency

     セイジさん、コメント有難う。相変わらずかましてますねー。一遍行きませんか?実は結構やる気になっているのですが。無謀?年寄りの冷や水?もう別に怖いもんないし・・・

    返信

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