ケアをするという生き方

 今日はJONET(城東区ケアマネージャー連絡協議会)と医師会の共催で緩和ケア勉強会があった。緩和ケアとは末期癌等で治癒の見込みがなく痛みが著しく強いとか死を受け入れられないという患者さんを、積極的治療をせず安らかに看取ることを中心にするというケアの形態である。在宅で末期癌の患者さんを診る機会が増え最近注目されている。ホスピスは病院における典型である。

 もともと僕が末期癌の在宅患者さんを持ったことで、緩和ケアに興味を持ったことが始まりだ。某製薬会社さんに、いろいろ教えていただけるような先生知らない?と話していたら、エキスパートの先生がいる、それならみんなで話を聞きましょうということになり、講演をしていただくことになった。

 演者は淀川キリスト教病院のホスピス長、池永昌之先生です。緩和ケアの第一人者で恰幅がありとても落ち着いた感じの先生だが、司会としてお会いしたとき、最初に気がついたのが「眼」だった。

 人間の心の深淵を覗いたことのある、というかずーとそれに付き合ってきた、楽観性を捨てたニュートラルな眼である。表面を見透かし、内面だけを見ているような眼。精神科のドクターに同じような眼を見ることが多い。

 もともと医者向けに実際的な麻薬の処方などを織り込んだスライドを最初用意されていたのだが、聴衆の多くがケアマネージャーや看護師、介護士であることがわかると、死にゆく人とのコミュニケーションのとり方にスライドに変えられた。講演慣れしている方は違う。

 タイトルは「ケアをするという生き方」。僕が普段接している病弱な高齢者の方との付き合い方にも大変ヒントとなることが多くあった。大変有意義な1時間でした。真摯に話を聞くということが基本である。

 最後の「ケアをするという仕事を選んだということは、ケアをするという人生を選んだということなのである」というのが身にしみた。
 どうも有り難う御座いました。

 

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