深い瞳

 

今日は午後の外来が終わってから緩和ケアの勉強会に行く。

 

緩和ケアとは生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、魂の問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで生活、生命の質を改善するためのアプローチであります。実際的には末期がんの方の在宅診療において痛みのコントロールなどをどのようにしていくかというのが僕のような開業医にとって問題となる。

 

講師の池永先生は淀川キリスト教病院のホスピス長で、緩和ケアの日本を代表する第1人者である。先生とは今まで何回か講演で顔を合わしたことがあり、患者さんもお世話になっていることもあり僕が司会をすることになった。

 

講演される前に15分ほどお話をする。非常に温和な方です。でも以前もブログで書いたことがあるのだが、眼の光の中に深淵を覗いた方の深さ、暗さがあるのである。ごく僅かだが今日もやはりそれを感じた。アーメン。

 

講義は非常に有意義であった。病診連携も目的のクローズドな会で、市内の開業医が10人ばかり参加したのだが、なにか熱気みたいなものはやや希薄な気がする。主催した製薬会社の方も言っていたのだが、案外緩和医療に興味を示すドクターは少ない。僕はこれぞ開業医の真骨頂を示せる機会だと思うのだが。

 

会の後、一緒に製薬会社の記念館を見せていただいたりで、池永先生とはなんとなく親しくなった気がした。これからいろいろ勉強させていただこうと思う。僕の瞳も少しは深さが増すであろうか。

 

会場へ向かう車から。黄昏は厳粛で緩和モードに。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です