夏のパヒューム

午後の診察が終わり、1件往診に行く。自転車に跨った時、夏の湿度の高い水の匂いがした。「日本の夏」の香り。梅雨時の匂いだ。

 

五感の中で嗅覚はもっとも原始的な感覚である。古来鼻で感じるシグナルは生存に欠かせない、危機の感知に必要なものであったのだろう。敵の匂い、危険な現象、物が焼ける匂いなど。その名残で匂いや香りは人間の奥深い感情をもっとも強く刺激するらしい。

 

僕にとって夏の匂いは今までプールの塩素のにおいであった。プールに行かなくてもどこからか漂ってきたような気がしたものだが、昨今ご無沙汰である。プールに行ってもそんな匂いはしない。過去の記憶の中の匂いか。

 

ココナッツの香り。こいつも夏だ。サンオイル、昔風の資生堂とかの香り。今はサンオイルは使わないで、サンスクリーンに変わってしまった。蚊取り線香の匂い。素晴らしい。でもこいつも出会うことが少なくなってしまった。線香花火やなんか、打ち上げじゃない花火。いいなぁ。でもやらなくなって久しい。こう考えるとすべて過去の香りである。潮の香り、森の草いきれ、これは幸いなことに今でも感じることができるが、都会の夏の香りではない。

 

2009年の都会の夏の香りは何か?

 

誰か素敵な女性のコロンだったりしたら楽しいけどねー。まあまだ夏は終わっていない。夏が終わるまでに決めておこう。

 

仕事が終わっても明るいのは嬉しいな。

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