タミフル

 朝起きて新聞を見てびっくり。タミフルの10代への投与を原則見合わせるよう厚生労働省が発表したとある。うーむ、昨日10代の患者さんに説明の上だけど3人投与したな…。連絡することにして、これでインフルエンザの際のタミフル投与は希望する大人だけにしようと決めた。

 調べた範囲では、タミフルの異常行動への関与は因果関係がはっきりしない。小児科医を対象にした数千人単位のアンケートでは、インフルエンザの際に異常行動を起こす例はタミフルに関係なく認められ(発熱のせいかもしれないし脳症かもしれない)、発生率はタミフル投与例と非投与例との間に統計的に相違無しであった。10代だけに多く発生する原因もはっきりしない。

 テレビで見た記者会見でも原則的に因果関係が無いと考えているが発生件数が増加しているので、というようなちょっとすっきりしないものであった。仕方ないか。世界的にあまり報告が無いが、世界のタミフルの相当量を日本だけで消費しているもんなー、インフルエンザの迅速測定キットも世界中の95%以上を日本が消費しているのだ。ワールドスタンダードでは、インフルエンザはちょっときつめの風邪ということになっていて、対処法は普通の風邪と同じである。タミフルはいい薬だと思うが、鳥インフルエンザのために取っておいて、これからは日本も世界標準でいくほうが自然かな。

 高齢者の死亡例が報道されてからインフルエンザへの恐怖心がマスコミによって煽られたような気がする。ノロウイルスもそうだけど報道は一般受けを狙ってやや扇情的であり、またそれに過敏に反応する傾向があるとおもうが国民性なのでしょうか。

 インフルエンザもノロウイルスも大昔からあるもので、もっと泰然としてていいと思う僕は医者として怠慢かな。

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だけどよく効きます。

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