夜明け前はオッサンの時間

dawn

最近ライフスタイルが変化した。週に2回、朝5時半に起きてクリニックで7時から筋トレをすることにしたのであります。今までどっちかというと夜型のタイプであった僕としては、性格までまっとうになったようで気分がよろしい。

朝、ぼくとはダメな馬とダメな騎手のように気が合う愛車で西宮を出発する頃は真っ暗で、最近は大阪についてもまだ暗くヘッドライトはついたままである。こんな夜明け前でも人は動いている。フロントガラスの中から眺める寒い街には、圧倒的にオッサンが多くうごめいている。女性は出かける前の支度でまだ家の中だろう。

最近激増のジョガーも多いけど、仕事に向かう、もしくはすでに仕事をしているプロのオッサンたちがほとんどだ。こういう人たちで日本は維持されてるのだなぁとしみじみ思う。阪神高速はトラックをはじめどの車もすさまじいスピードで飛ばしていて、素人の付け入る余地は全くない。日曜日の路面とはえらい違いだ。僕も今までの通勤時間の范文雀、じゃなかった半分弱でクリニックに着くという偉業をなしとげ(もちろん一般的制限速度内で走っているのだ)、これこそ時空をワープするという感覚そのもの、車通勤はこの時間じゃないと意味ないね、と思う。 

昔アメリカに留学していたころも、ボスに誘われて朝の6時からジムに行っていた。暗い中、ジムの前には車が数台アイドリングをしたまま待っていて、玄関が開くと地味なオッサン達がぞろぞろと入っていった。僕はマシンの使い方もよく判らないで何かやっていたのだが、気がつくと地味な一人のオッサンがじっと僕の方を見ている。何か言いたそうに唇が痙攣しているので「なんでしょう?」とジェスチャーをすると、意を決したように自分のマシンから降りてきて、「これはこう使う」と教えてくれたのを思い出した。言葉も通じるかわからない、東洋人の子供みたいなやつにちゃんと時間を割いてくれたのである。早起きの地味なオッサンは親切でおせっかいなのである。

朝7時から武ちゃんにきちんとストレッチをやってもらって、スクアットが終わる頃には患者さんもクリニックに現れ始める。以前は朝運動をすると一日眠くてたまらなかったのだけど、今はそんなことはない。体幹がしっかりするにつれ、生活の中での時間軸のとり方もしっかりしてきた。朝を有効に使うことは、有効な時間を延ばすことであり、ひいては時間の進み方を遅くしているようなものだ。朝から動くオッサン達は夜にうごめくオッサン達より若い時間を生きているに違いない。夜明け前のオッサン達に幸あれ。

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