モーニング

昨日休みだったんだけどやることがあって早く出かけた。少し早く着いたのでどうしようかなー、コーヒー飲みたいなと思っていると「モーニング」と看板を出している喫茶店があるではないか。

「モーニング」!20年以上いただいたことが無い。研修医だった頃に同期生の部屋に泊まって出勤前に食べたとかそんな程度だ。しかもその時点でファミレスだったような気がするので、由緒正しいモーニングは多分学生の時、30年以上前ではなかろうか。

少し覗くと定年後のおじさんがスポーツ新聞を読みながらトーストを食べている。これこれ。王道です。入ると決めてドアを開けると、少しくたびれた感じのオバサンが「いらっしゃい」と言いながらメニューを持って来た。何種類かあって一番シンプルなやつをチョイスする。

コーヒーがやってきたのだが、一口飲んで衝撃を受けた。30年前とおんなじ味がする!こういう喫茶店のコーヒーの味は何故同じなのであろうか。コクよりというよりも単に苦く濃い感じ、昔初めて喫茶店に入って飲んだコーヒーの味そのままである。なにか決まった業務用があるのかな。

一瞬激しくタイム・トリップするが、また意識を店内に戻すとこれまたレトロなんだなー。ジョージベンソンの「マスカレード」がかかっている。びっくり。一人で入ってきたお姉さんも髪型が激しくタイム・トリップしている。自分が学生のような気になってきた。何人かいるビジネス・マンも、どっちか言うとサラリー・マンというほうがぴったり来る野暮さで、全員スポーツ新聞、煙草であった。

結構楽しんで出てきたのだが(僕は長居したのでコーヒーを2杯飲んだ。こういうのはモーニング界においては邪道と思われる)、こういった店が存続しているのはかなり素敵なことである。馴染み客のようなおじさんが「新井組が倒産したてほんまか?」と言いながら入ってきたが、この商売の存続が難しい時代に、スタイルを変えないで(微調整はしているに違いない)着慣れたジーンズのように身体にぴったり合った感触を気に入っている贔屓を相手に着実な商売をする。ロウ・リスク、ロウ・リターンだが歴史を作っているのは間違いない。

僕はしないだろうが個人的には実は結構好きなのだ。

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案外おいしかったりするのだな、これが

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