月別アーカイブ: 2006年4月

時間が無い僕たちへ

時間が無い。ほんとに無いんだなぁ、毎日少しずつ宿題がたまっていってる感じです。ずーと無い。全然無い。どうすんのよっ俺っ!続く!!ちゃうって。同じように感じている人は結構多いようだ。患者さんに説明する。1日30分、週に2回でいいから歩きましょうよ。いやー、時間無いし。そうだねー、でも身体の事だから・・・。彼はたぶんやらないだろう。でも考えよう。多忙は怠惰の隠れ蓑です。本当にそれだけのこともする時間はないのか?テレビ見てない?「仕事が忙しくて…」というのはデートを断る典型的言い訳だぞ。

優先順位というのがある。センスオブバランスというのもある。何に重点を置くか?そのまっとうな判断ができるのが古典的な英国紳士の資質といわれている(らしい)。テストになれば小説が読みたくなる典型的非英国紳士的資質の持ち主である僕は自戒の意味もこめて皆さんに言いたい。「身体の手入れに時間を使いましょう!これの優先順位はかなり上だよ。」

幸福の条件を考える。

まじめに考えると案外少ない。愛する人がいること、誰かに愛されていること。これで十分か。でも次くらいに健康であることというのが来てもおかしくないでしょ。身体はメインテナンスフリーじゃない。何もしないでちゃんと動くのが普通というわけじゃないのだ。長距離の長い旅に自家用車で出かけることを考えよう。それなりに車の整備に気を使うでしょう?人生って最長の旅で大切なビークルである身体をおろそかにしてどうする!

提案です。毎日テレビを見る時間を30分減らして身体のために使いましょう。散歩でもいい。軽い筋肉トレーニング。水泳。ヨガ。太極拳。打ちっぱなし。マッサージ。他のことは何も考えず身体に集中する。他にやらなければいけないことがあるのはわかる。でもそれを犠牲にしても得るものは大きいと思うよ。

 前にも書いたが今僕はパワーリハビリテーションをやっている。毎日30分。1年半ほど前から両側の股関節、右のアキレス腱の痛み(手術後)でまともに歩けない。誰でもできる歩行を意識してやらないと、とってもみっともない格好になるのだ。積極的に訓練しようと目覚めて半年、わかったことは、①鍼灸はほんとに痛みが消える、しかし効果の持続は数日で、継続しないといけない。②ストレッチは大変有効だ。大層に考えずに、日常のわずかの時間に犬が伸びをするように、こまめに行うのが良し。③パワーリハビリテーションの器械の組み合わせは、発表されているデータが示すように歩行機能の改善にもっとも有効であるように思われる。ストレッチ効果が加わるためか驚くべきことに直後から痛みが消える。伸びをしたときのように気持ちがいい。

 ご老人の多くがいろんな場所の痛みを訴える。その主たる原因は使わないからだ。過負荷で無く満遍なく全身を使うこと(それこそがパワーリハビリテーションの本質だが)で必ず痛みは消える。僕は確信している。そしてできればそこまでいかないうちに予防しておこう。他力本願じゃだめ。自分で時間を作って身体のメインテナンスをしよう。結構快感になるって。やらないとわからないよ。

嘘だと思ってやってね!

僕は雑誌が好きだ。雑誌ポパイの出現により世界が変わったポパイ世代であり、“NOW”(知ってる?)“ワンダーランド”(知ってる?)“話の特集”(めっちゃ面白かった)“アンアン”“オリーブ”(女の子のやつだろ?いやいやこれがなかなか共に初期のセンスの鋭さは当代随一、ノンセックスで楽しめた)“ブルータス”(一時期低調でしたがこの頃はなかなか)などなど、その時々の僕の精神生活を賦活してくれた大切な友人です。

で最近は“GQ”が気に入っていたのですが、延々とヤンエグ(死語)とはお友達路線を続けるのでコリャだめだと思っていたところ、アンチエイジングの特集が出て思わず買ってしまった。渋いグレーをバックに表紙は古田じゃないか!実は古田選手はアンチエイジング特集とは全然関係なかったのですが。で内容はといえば見かけのみ、しかも顔に絞ってケア用品を紹介するのがメインで、やはりどうってことなかった。しかし斉藤薫女史の男のアンチエイジングに関する巻頭論文?は興味深かったです。男の場合若く見える人とそうじゃない人は大きく二極化する。それは見かけに気を使うかどうかという点において分かれるのであり、年をとっても女性を女性としてみているか否かという意識の違いによる。また一律に若く見えれば善しではなくて、その見え方も職業により適切なものがあるのでお気をつけあそばせ等、フンフン、参考にさせていただきやしょう。

でもアンチエイジングにおいて若く見えることは付加的なものに過ぎず、年を取っても元気で楽しく人生を送るということがその本義である!よいか皆のもの!間違えるなよ!若く見えてもボロボロの人はいます。少ないけど。見た目が年齢というのは大本において正しいのですが、それは内面(内臓、精神)の充実が現れてこそ正しいのであり、皮だけ取り繕ってもしかたねぇよ!と言いたい。中身が本物でこそアンチエイジングです。

で、アンチエイジング覚書。今のところ学問的に正しいであろうといわれているところプラス個人的意見をランダムに。詳しくは今までpearlsに書いたものの中に(あるものもあります)。参考になれば幸いです。

①実年齢と実際の老化度とは別。

②中年以降の健康状態は個人差が大きいが、それは遺伝因子よりライフスタイルで   決まる場合が多い。

③ライフスタイルの変更はいかなる年代からはじめてもそれなりの効果があり“手遅    れ” はない。

④基本は脳と足腰。両方とも鍛えればある程度の年齢になってからもちゃんと向上    する。

⑤足腰の鍛錬は単に生活と同程度の軽い運動(散歩など)よりわずかの負荷をかけ   る筋肉トレーニングが有効。

⑥関節の屈曲性能が落ちてくるので、ゆっくり深く関節を曲げるストレッチが有効。

⑦肉体的なトレーニングは精神機能にも好影響を与える。必須。

⑧“食べ過ぎない”というのが基本。何でも満遍なく少しずつ。元気で健康な老人の   共通点は決して太っていないことである。

⑨抗酸化食品、サプリメントなどは金の無駄(と言い切ってしまおう)。

⑩老化とは乾燥である。特に口腔内は要チェック。1日2L程度の水分摂取を心がける。

⑪頭を鍛えるには単に情報を入れるだけなく、自分なりに処理加工して出すこと。人   に説明する、自分なりにまとめて書き留める、気持ちを何かの形で表現する(絵や音  楽にするなど)ことが大事。

⑫手順を考えたり並行して複数のことをするのは有効。料理や掃除など家事をする   のはいい手段である。

⑬“まめ”でいこう!面倒くさがりは百害あって一利なし。足も腰も軽く。

⑭計算や書き取りなど単純な知的活動は脳の回路を錆び付かせないために有効で   あるように思える。

⑮酒、タバコ、日焼けはミニマムに。

⑯義務があることは大切。無ければ作ろう。誰かに必要とされているという自覚はボ   ケを防ぐ。

⑰“年はとりたくないねぇ”“お迎えが来るのを待ってます”などは死んでも言わない。

⑱犬を飼おう。異性と接する機会を増やそう。

⑲でももう一つ。人に頼らない、一人で生きていくという姿勢は精神を錆び付かせな   い。

⑳若くあろうと常に意識すること。

では諸君、グッドラック!