時々読むコジャレた雑誌「T JAPAN」の編集後記タイトルが「Exploring Disinterest」だった。
おっとー、なかなか洒落とるじゃないの。「興味のない世界への探検」って感じでしょうか。この編集長はキャンプに全く興味がなかったが仕事上止むを得ず付き合うことになり、思いがけず大変楽しかったので、興味がないからという理由で断ることはよくないと自戒しているのである。そのご友人は「全く興味のないイベントに1ヵ月に1度は参加することを自分に課していて、それを修行と呼んでいる」とのこと。
太宰治はあまり気が合わない友人と好んで付き合うようにしていたという話を読んだことがある。何のために?と思うが色々得ることも多いであろうとも察する。ほんまに修行やぁ。気の合わない人はともかく、あまり馴染みのない人々との会合は努めて出た方が得ることも多いと自分では思う。慣れた環境は快適であるが進歩はない。人間は基本的に安全を望むようにできていて、同じことをしているのが一番安全であるが、しかしこれでは錆び付くだけである。
人間どうしはハードルが高いが、イベントとか趣味であまり接点のない領域に触れるのは悪くないぞ。
車の中で聴く音楽は嬉し恥ずかし70〜80年代ロックとかジャズとかだいたいお馴染みのものが多いのだが、この頃時々FM802に合わせる。最近の曲はどの曲もおんなじに聴こえるわいと思っていたのだが、そうでもないぞ。結構いい。気分も若くなってくる(ような気がする)。
キップ・ハンラハンという(多分ほとんどの人が知らない、Wikipediaでも英語版しかない(泣))ミュージシャンが作る音楽が肌に合い、ちょっととっつきにくいけど彼の音楽を好きでいる間はボケたりしないだろうとここで書いたことがある。でも耳になじんだ音楽、好きだった曲は大概ずっと好きだ。それよりも新しい音楽、若い人の曲を聴くほうが脳のトレーニングになるのではないかな。ホンマに修行や!と言いたくなる曲もあるけど。
あっ、いいです、と断る人も多いけど、NOと言わない私、すべてまずは経験、やってみなくてはわからない。食わず嫌いはやめて、たとえ興味はなくても種々の未経験の領域を探検しようではないか。案外すごく好きになることも稀ではないんだから。