月別アーカイブ: 2011年1月

スティーブ・ジョブス

 少し前の話だけどアップルのスティーブ・ジョブス氏が病気療養のため無期限の休職に入ったという報道があった。今まで膵臓癌や肝移植などいろいろなトラブルに見舞われてきても再起してきた彼である。今回も再び立ち上がってほしいと切に思う。

 彼と僕は同年齢で誕生日も11日違うだけだ(ちなみにマイケルソフトのビル・ゲイツ氏も同じ年)。まぁ関係ないけどさ。だけど同世代だと、感じていることも近いのでなにかリアルに受け止める。

 彼は実際はなかなかイヤな奴というか、トラブルメイカーであるが、そこはあの業界で名を成した人はみんなそうで、アスペルガー症候群はシリコンバレーで働いている人の3分の1に当てはまるという説もある。彼がそうかはわからないが、社会性のある成熟した大人とはとても言えない。卓越したキャラクターは魅力的であるが実際に付き合ってみるとかなり疲れるだろう、たぶん。ここを見るだけでもその片鱗が判るから読んでみてください。

 友人に勧められて「スティーブジョブス・驚異のプレゼン」を読んだ。彼がアップルの新製品を発表する時のマスコミに対するプレゼンの仕方はカッコよすぎるのだが、それが単なるキャラクターでやってるのではなく、非常によく考えられたものであるということがわかる。そして彼は人任せにしないで、やりたいことは全部自分でやっちゃう人なのだな。短気なんだ、やっぱり。

 プレゼンの時必ず着ている黒のタートルネック。これも聴衆に与える効果を計算しているのだそうだが、実際にかなり本人が気に入っているのだ。それについてとても面白い話がある。僕はすごく気に入りました。

 彼が以前病気から再起した時、スタンフォード大学で講演し最後をこの言葉で締めくくった。

 「Stay hungry, stay foolish !」   

 そうでござると同世代の僕は深く同意する。そして必ずもう一度同じように講演をしてほしいと思う。

 

この人は禿げてからのほうがかっこいい。

ニューフェイス!

 外来受付にニューフェイスが登場した。

 ジャーン!サーモミラー君です。名前はまだ無い、っていうかー、試用期間中です。

 新型インフルエンザが大騒ぎになった去年、空港とかで発熱者を感知するためにサーモグラフィーが備え付けられたことがあった。赤とか緑とか体温の分布が人型に表れている写真をご覧になった方も多いであろう。それと同じ原理で、鏡をのぞきこんだ顔の表面温度を瞬時に計測する。設定により高熱の場合は警告ランプが点滅する。

 新聞で読んだとき、これは今のインフルエンザの流行時に役に立つかも?と思いデモをお願いしたのである。で今日持ってきていただいたのであるが・・・①皮膚の表面温度は実際の体温より外気温の影響を受け2,3度低い。その低い温度がそのまま表示される。②皮膚温と実際の体温との相違は外気温の変化と相関したデータが取られているのだが、それを計算、変換して実際の体温を表示する機能はない。③皮膚温は測定場所によりかなり異なる(鏡を覗き込んだとき、赤いレーザーポインタでどこを測定しているか場所がわかる)。ゆえにやや再現性に欠ける・・・などなど気になる点が出てきた。

 そんなこと、どこにも書いてへんかったで!とぼやくより、実際にちょっと使ってみて役に立つか試してみることにした。大体のレベルを設定し、それより上だと実際に体温を測ってもらうと・・・。

 うまくいくであろうか?だめならお払い箱である。みなさん、一度現物を見たいならお早くね。大阪で医療機関からの引き合いは僕のところが最初だそうである。

黒いところが鏡。下に日付、時刻。上のグリーンに外気温が表示されている。

 

土曜日

 昨日の土曜日は城東区医師会の新年会に行ってきた。毎年行ってるけどなにか年々勢いがおとなしめになってるような。世相を反映してるような。気のせいかな。

 僕は8年間医師会の理事をさせていただいて、とても僕の能力では継続は無理と思ってやめさせていただいた。ほとんどボランティアで大変な仕事を片付けていく。めっちゃ優秀な理事の先生方の大変さはよくわかる。で、こんな勝手な僕が言うのはなんですが、新しい、new、novoな医師会が必要なのでは。理事の先生方はすでによくお考えだとは思いますが。

 帰りにジュンク堂によって雑誌を買った。Brutusのバックナンバー3冊。久しぶりだなぁ、Brutus買うの。創刊当時から数年間、1冊も残らず買っていた。当時もっとも原稿料の高い雑誌だけのことはあって内容もデラックスで、新鮮な世界を教えてくれた。明らかに僕の一部を形成してくれた雑誌。一時全く見なかったが、最近は快調な印象。

 「本」の特集。2011年、世の中を考える175冊。ものすごく面白かった。内容濃し。数時間熱中して読んでいた。雑誌の活字量って新書とかより多い?北極圏の永久凍土の地下にある「種子銀行」の話や、自己啓発本に対する記事(知識でなく高揚感を提供するから。つまりサプリメントだ)など、最近読んだ本、雑誌の中では出色でした。こういう号があるからやめられないなぁ、雑誌は。

 話が前後するが雑誌を買った後はクリニックに戻って会議に出たのだった。常勤スタッフが集まっての月1度のミーティング。介護領域の今ある問題点を話し合う。I君のパワーポイントを使っての前向きな提案。結論は出なかったが今後の変化を予感させる実のある会議だったと思う。皆さん、お疲れ様でした。有意義な1日であった。

これね。

 

仕事について

 今の高齢者は昔より10年若い。これは体力的なデータで科学的に証明されている。外来で拝見する方々も60,70みんなお元気である。

 引退は早いんじゃないの?

 「Happier」という本を読んだ。ハーバード大学で肯定心理学(ポジティブ・サイコロジー)を教えるタル・ベン・シャハーという心理学博士の書かれた本でその講義はハーバードで最も人気があり、全学生の2割が受講するそうである。

 従来の心理学は心の病を研究するものであるが、肯定心理学の焦点は心の健康にある(この点、従来の医学と抗加齢医学の関係に似ている)。単純に言うとどうしたら幸福になれるかということを学問的に研究するチャーミングな学問なのだ。巷にあふれる根拠の希薄な自己啓発と親しみにくい伝統的な心理学の間のギャップを埋める存在といえる。

 非常に面白い。ここではお金は幸福と直結しないということがはっきりと示され、我々が集めるべき究極の通貨は「幸福」であると。そのためのアイデアがいくつか示される。

 アイデアの一つとして、仕事が挙げられている。仕事は常に辛く、娯楽は常に楽しいというのは偏見で短絡的なアイデア(起源は聖書からだそうだ)であると結論付けている。しかり。アメリカ人は常に早く引退して余生を楽しもうと思っているというのは偏見であったようだ。

 説得力のある話が続くが、僕が言いたいのは、引退した方がよく口にされる「退屈だ。生きていてもしゃーない」という寂しいセリフは、仕事(これは自分にとってやる意義のある、つまり誰かが必要としていて自分の都合で勝手に休んだりできない作業ということになるか)を自主的に見つけることにより解消されるのではということだ。

 「年寄りに働ける仕事がない」とおっしゃる。条件のいい仕事はないだろう。しかし経済的にメインというのじゃなく自分が幸福になれる手段としての仕事はあるし作り出すこともできる。気持ちの問題。ブラブラしているよりいいんじゃないかな。

 若い人の就職難も、マッチングの問題で中小企業とかでは人手不足のところも多い。賃金や見栄でなく、自分が幸福に感じられるための仕事は必ず存在する。

 必ず。

今朝は寒かった。雪のなかの朝日。

New Year

 明けましておめでとうございます。

 

 おそい!キャー、もう7日よ!

 どういうわけか珍しく仕事始めからやたら忙しい。例年年初はスローなのだが、今年は年末みたいなラッシュである。訳がわからぬ。しかし僕のような凡庸な医者にもかかろうかと思う方がいるというだけでも幸せと思え!努力せよ!と、おしっこに行く時間もないが感謝する。

 お昼もどういうわけか来客や用事が多い。僕の生命線である午睡をする時間も勿論ない。で、夜9時半頃に帰ってきて飯を食い風呂に入ると、そのまま浴槽で居眠りをしてしまう。あぶねぇ、あぶねぇ。

 で、ブログを書く時間も気力もなかったのだが回復してきました。

 今年はいつになくガッツが入っている。何にって、仕事ですよ、仕事。で、それだけじゃなくいろんなことにフルフォースでいこうと力がみなぎっている。こういうことは近年無かったので嬉しいです。なんというか説明しにくいですが、いろいろなピースが収まりのいいところに落ち着いたのでやっと準備OKという感じ。

 今年もよろしくお願い申し上げます。Wow !