ニュースをチェックしていると 「65歳以上は高齢者」見直しを という見出しが眼に飛び込んできた。フムフム。外来で患者さんを診ていると、確かに65歳というのは全然若いなぁと思うことが多い。イメージとしての高齢者は75歳以上か。65から75歳というディケイドは高齢ビギナーというか見習いという感じです。まだまだ本番ではありません。医学的な区分の変更かと思ってたら、実はニュースはこう続く・・・
政府は65歳以上を一律に「高齢者」と位置づける現行の定義の見直しに着手する。5月をめどにまとめる「高齢社会対策大綱」で、高齢者も可能な限り「支える側」に回る考え方を打ち出す。元気に働くシニアも多く、すべて「弱者」と見なす仕組みでは、現役世代の負担増大に歯止めがかからないためだ・・・
なんじゃらほい。税金の話である。ともかく何とかしてお金を取ろうという話だなぁ。いや、気持ちはわかるよ。人口構成が変わるから当然考えていかなくてはならない問題ではあろう。それがムッとくるのは、もうちょっと何とかせいよという部分を知らぬふりをしてこう持ってくるからなんだが。
この話は置いといて実年齢の話だが、実際高齢者の身体能力に関しては、昭和の頃と比べ10年は若返っているとデータで示されている。
また見かけで若く見える人も増えているが、若く見える人は実際に長寿であることも1卵性双生児を使った(つまり遺伝子構成は同じわけだ)デンマークのスタディで報告されている。70代以上になると双子でも外観の印象が変わってくる。それは40代以降のライフスタイル違いによるところが多い。どちらかがより若く見えるという差も出てくるわけだが、それを判定して7年後調べると、老けて見えた方の死亡率が明らかに高かったのである(British Medical Journal, 2009) 。
ということは暦の年齢より見かけの年齢の方が実際の年齢というか老化を反映しているということになる。化粧でごまかすのはナシね。見かけの年齢がその人の内臓の年齢、とくに血管の年齢を示しているという印象は多くの医者が感じていることではなかろうか。
見かけとは何か?皮膚がツヤツヤ、表情が豊か、姿勢がいい、皮下脂肪が少ない、動きが素早い…ここら辺が若い印象だなぁ。と考えると、これらは必ずしも実年齢が若いことが絶対条件でないということが分かる。そういうふうになるには何がポイントか?これは運動量だと思う。日常生活でどれだけ動いているか。人が老いるのは年齢のせいではない。それは動かなくなるからだ、というのは確立したセオリーである。
若者のように動くこと、10代のライフスタイル、そんなことを意識しているだけで変わっていく可能性がある。「そんなこと出来るわけない…」、そう思った時点で君は老人である。実年齢が80代であろうと「おお、わかった!」と言えればあなたは若者なのである。
50歳からのポイントとしては週4日有酸素運動(ジョギングより早歩きが安全)、2日筋肉トレーニング(ウエイトは軽くていい)。毎日ストレッチ(関節の柔軟性は一番大事だ)。実行すると間違いなく最低5歳は若返る。実行!
この双子の違いはどこから生じたのでしょう?