いやー、暑い。僕はクーラーがあまり好きでなく、車に乗るときもどちらか言うと窓を開けてしまう人間なのですが今年はちょっと無理ねー。といっても寝付くときに1時間ほど使用する位ですが。でも夏はいいです。空気の中に日常的に蝉の声が紛れ込んでいるこの季節が1年中続けばいいのに。
夏の音といえば、必ず一度は聴いてしまうゴンチチです。僕がこの素晴らしいギターディオを知ったのはかなり古く27歳の時だから、えっー!もう26年前ですね。人生の半分は結構濃密な時期も含めて付き合ったことになります。
なんではっきり記憶しているかというと、その当時独身だった僕は、仕事が終わって飯を食った後に当時出来始めていたレンタルレコード屋(大手は無かった)の気に入りの店に時々行っていて、そこで初めて彼らのデビューレコード「アナザムード」を見つけたのです。やはり夏でした。蒸し蒸ししてあまり人も歩いてなかった夜の8時頃の記憶がある。苦楽園の駅前です。どこかで立ち読みしたレコード評で覚えていたので(日本の夏にふさわしい音とかなんか書いてあったような気がする)ぱっとしないジャケットを持って帰ってレコードに針を落としたのであった(陳腐な表現だなぁ)。
その時からですね.腐れ縁が始まったのは。夏を表現するのにこれほどぴったりした音があるのだろうか。「アナザムード」に入っていたのは僕にとっては当時行った八重山諸島の空気を強烈に喚起する音でした。で、その年、早速コンサートに行っています。めっちゃマイナーで、チチ松村氏が「次は僕らの曲で初めてコマーシャルに使われたやつです(パチパチ)。眠りの島といいます。嬉しかったです。でもねー、葬儀屋さんのコマーシャルなんですよ。でもそれがねー、ぴったりなんですよ。」と言っていたのも思い出しました。
チチ松村氏は大阪の人で(今でも住んでるんだっけ、本当にかなりの奇人で面白い人のようです)、僕の診療所のすぐ近くで結構長く居られたようです。もともとは額縁屋さん。脅威のテクニシャン、ゴンザレス三上氏はドイツ銀行にお勤めでした。今は本拠も東京に移っていますが、大阪の生んだグレート・ミュージシャンです。今はギターディオもゴンチチみたいな音楽も結構ありますが、彼らは少なくとも日本においてはまぎれもなくパイオニアで、本当に美しい音楽だと素直に感動します。僕の音楽の殿堂の中では、ベスト・ギター・ディオ、ベストお笑いMC部門に入ってます。
「修学旅行夜行列車南国音楽」「南方郵便船」などが流れると、心はどこか南の海の、月が大きくやたら明るい、椰子のはえている砂浜に行ってしまいます(あまりにもステレオタイプですが、でもそうなってしまうのである)。彼らの本領はもっと別にありますが、でも僕はデビューアルバム、僕の夏の季節のバックミュージックに戻っていってしまうのである。
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