月別アーカイブ: 2007年4月

ニッキーズ・ドリーム

 今日もまたまたいい天気だー。とーぜんオープンで走ってます。開けてる時に聴く音楽というのは結構選択が難しい。ドンドコリズムのあるやつは暴走族っぽいし、ヒット曲ってのもねー。隣に車が並ぶと聴こえるのもいやだし、結局ジャズを小さくかけるか、音なし(外の空気を感じるのはこの方がいい)が多いです。

 今日はお昼にちょっと出たのですが、無音というよりもなにか意識しない程度に何か音がなっていて欲しいという気分であった。で何の気なしにかけたのがこれ!せいかーい。

 ギャビー・アンド・ロペスの「ニッキーズ・ドリーム」です。なんですか、それ?ハワイアンのディオみたいですが(ギャビー・バヒヌイはウクレレのカリスマおじいさんで、ジェリー・ロペスはサーファーだな)れっきとした日本人です。NATURAL CALAMITYの森俊二とTICAの石井マサユキというギタリスト2人の即興的バンド。ご存じない?全くご存じない?こりゃまった失礼しました(植木等調で)。でもこの2つのバンドは僕はちょっと気に入っていて静かな夜に1人で聴くことがあります。そういう音です。マイナーですが存在感のある、自分をしっかり持った音です。

 で、この2人のバンドということですごく期待して聴いたのですが、正直はぐらかされた。シンプルすぎ、ノン・クライマックス、小川のせせらぎがずーと聴こえているような、清涼ではあるがもう少しメロディックでもなー、という感じだったのです。

 でもね、初夏のそよ風の中を移動して聴くと・・絶妙・・でした。ブルータスの音楽特集で何人かの方が愛聴盤としてこのCDをあげていたのですが、これは察するにストーンしている時(意味はお調べください)に聴くとすごく気持ちがいいのですね。オープンで渋滞のない緑の多い道をゆったりとした速度で移動していると似たような気分になります。悦楽の気分を増幅してくれるのですね。

 しかし普通の気分で聴くと単調なだけです。興味ある人は聴かせてあげるから言って頂戴。買うと損した気分になるかもしれぬよ。

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それ風のジャケ

バック・トゥ・ネイチャー

 あーあ、いい天気だった。今日はゴルフに行ってきました。氷上郡にある「サイプレス」というゴルフ場ですが、ここは完全にリゾートでした。クラブハウスの前には全部芝生の練習場が広々と広がっており、自由に打ってくださいとボールがピラミッド型に積んであります。僕は慎重なK先生と一緒に来たのですが、連休で混むかもという彼の忠告で早めに出たせいで2時間も前についてしまい、練習を優雅にしたり(ボールの飛び方は優雅でない)生のフルート演奏のあるコーヒーハウスで朝ごはんを食べたり、満喫してスタート前にはもう帰ってもいいという気分でした。

 ところがぎっちょん、コースは結構ハード。まずカート無し。全コース歩きで、7Kmとのことでしたが我々は寄り道が多く10kmくらい歩いたような気がします。ドピーカンで暑い。林が多く、打ち込むとまあ半日は出れる気がしません。結局また100を切れず、体重も風呂場で計ると2Kgばかり減っていました。

 しかし完全に日常を忘れました。価値のある時間です。帰りは付近で有名な焼肉屋さんで久々にもどす寸前くらい食べる。1時間ちょっとで神戸に戻り、K先生のクリニックに止めてあった自分の車を夜風が気持ちいいのでオープンにして走っていて、ふと気温をチェックすると12℃でした。半袖のポロシャツ1枚ですが、でも全然寒くないのだ。焼けたせいかもしれませんが肉をたらふく食ったせいでしょうか。太陽の下で動き回って肉を食う。日光は皮膚に悪い、肉を死ぬほど食べるのは止めましょうと医学的には総て肯定できないことかもしれませんが、精神、バイタリティに及ぼす力はそういうのとは無関係です。予防医学はそういうところを考えていかなあかんね。

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リベンジしたい

人は見かけ

 人が物を買うのは何を頼りにするか?いろいろありますが8割以上は見かけというデータがあります。人間は視覚から得ている情報が一番多いというのは医学的に確かなことですが、やはり一番よく使っている感覚を信頼するのでしょうか。

 人も見かけが大事、という説があります。いやいや、人は見かけじゃ判断できないよというのも確かとは思うのですが、総てに当てはまる法則はなく、確率論的にいえば見かけはその人を語る。

 単なる静物的な造形ではなく、表情、声、姿勢、オーラとか動きの総て、服とか小物とかセンスが出るもの、それらの総計が彼、彼女を語る。でも一番大きいのは表情だな。

 僕は毎日100人内外の人に会います。顔を見ると病気は別にして(時に病気もズバリと)、その方の今までの生活、そして現在の状況がだいたい判ります。僕は「人は見かけ」とほとんど信じています。

 いい顔でありたい。そう思いますよね。それはボーとしてては出来ないな。総ての統合が表情に現れる。時々全く無防備の自分がどんな顔をしているか、あまり親しくない方に教えていただいくと勉強になると思います。

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仮面ってのもあるな

サーフィン・クラシックス

 今日外来に30代の男性が来た。帯状疱疹だったのだがピークは過ぎていて痛みもなく、投薬をして再診することにしたのだが…

 「実は今週サーフィンに行くのですが大丈夫でしょうか?」
 「うーん、基本的には激しい運動はしないほうがいいけど、君は体力も有りそうだしこのまま治まりそうではあるので絶対だめとはいえないなぁ。自己責任で行ってもいいと思うよ。どこに行くの?」
 「静岡です。普段は2人ぐらいなんですが今回は大勢で。実はまだやりだして4年ぐらいなんですが他のスポーツは全部止めちゃって完全にはまってるんです。」
 「最近結構いい年の人もやってるよね。ロングボード?」
 「そうです。僕も最初は50歳ぐらいに人に連れて行ってもらったんですよ。先生も焼けてますよね、やってるんですか?」
 「いや、僕はゴルフ。」
 「そうかー、やりましょうよ、連れて行ってあげますよ。」
と、青年はニコニコしながら出ていった。
 
 サーフィンと聞いたときから、僕の日常の固まった空気が揺らいで小さな穴が開き、そこから潮風が吹き込んできたのだった。

 20代後半はウインドサーフィンばかりやっていた。患者さんを持たない大学院生のときは、検査とか実験が終わったらまだ明るい午後5時頃に病院を抜け出して香炉園の海に行き、1時間半ばかりのってからまた病院に戻って夜遅くまでいるという生活をしていた。狂っていたわけですね。何も考えないで海にぷかぷか浮かんでいるということがどれだけライフスタイルを変えるかというのはよく判っている。

 うーむ、サーフィンか。そう思ったときから視点がずれて、本当に世界が少し変わって見えたのである。自分が実は本当に固定した世界に住んでいるというのが実感できた。

 「今度彼が来たらお願いしようかな・・・」

 決断・無視・安泰・退屈・水死・・・どうする!どうするよ!
 つづく!!

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死ぬまで無理、か?

サプリのせい?

 この頃どうも体調がいい。もともとあんまり体調が悪いことのない僕が感じるくらいだから相当良いんでしょうねー。なんかわからん。気分的にも安定しているのが意識できるくらいでまあ結構なことです。

 少し考えるに最近始めたことといえばサプリメントをとりだした事である。実は僕はずーとサプリに関しては否定的だったのですけどね。抗加齢医学会のセミナーに行ってから、足らないものは補充したほうがそりゃいいな、と考えるようになった。静岡で抗加齢クリニックをされておられる田中先生という方が、世の中にはいい加減なサプリがあふれているから、ということで相当高品質のサプリを少量だが作られている。そのマルチビタミンと、抗酸化物質(ビタミン類も含む)のサプリを送っていただいたので半月ほど前から内服している。

 同じトマトでも作り方、産地で全く味が違う。おお、トマトとは実はこんな味だったのか!と感じることがある。寿司といってもピンキリのように、どんなものでも、名前は同じでも実は内容は相当違うのだ。ビタミンのサプリといってもみんな同じではない。むしろ医薬品と違って厳密な監督をされていないぶん、かなりいい加減なものが多いことは知っておいたほうが良い。

 ビタミンなんかは野菜や果物からとればいいという考え方もあるが、実は野菜や果物のビタミンや他の栄養素の含有量は昔と比べてかなり減少している。味も薄い。昔はもっと濃厚だったという記憶があるでしょう?

 で、最近飲みだしたのだが、効果があったのか判りません。でも何か飲まないと寂しい、心理的なものとはわかっているがちょっと止められなくなっている。このようなものは相当長期にわたらないと結論が出ないと思うが、うーん、やっぱり止めたくないな。

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これ

インタビュー

 昨日は某大手製薬会社が医療機関に配布している雑誌の取材を受けた。全国版でしかも30周年記念号です!だそうです。全国の特徴あるクリニックを紹介する、まあよくあるといやーある連載物の一環として登場することになった。

 こんなことをお訊きしますと事前に手紙が届き、ホームページをよく見て考えてるなと思う丁寧な質問内容だったので(「decency」というポリシーに至った経過などお教えください、とかあった)それなりに考えてお待ちする、と言いたいが往診がありギリチョンでヒイヒイ言いながら2時前に帰ってきたときに偶然玄関で会う。こういうのは大概女の人だなと漠然と考えていたのだが、来たのは毛髪量のかなり欠如したおっさんと、いかにも製薬会社ですという感じのセミおっさん、の二人組み・フロム・トーキョーであった。あっ、それといつもの担当の女性MR。

 欠如おっさんは雑誌制作会社の人で、ややポイントをはずしているが、セミおっさんがうまくフォローしていく。しかし当初の予定の質問はほとんど出ず、どういうわけかほとんどパワーリハビリテーションとオープン予定の抗加齢外来のことばかり話すことになる。MRの女の子はうちの法人のPC連絡網「サイボウズ」にいたく感銘を受けていたようである。なんのかんの言ってるうちに1時間半が過ぎ、あと撮影で、欠如おっさんが突然僕の顔を逆光にも構わずバチバチ撮って終わる。後は事務長(女性)に任す。

 また一時間半ほどかかったようで(主として撮影)、事務長は私も撮られましたとのこと。「ちょっと立ってくださいとか、座って下さいとかいわれて何枚か撮っていかれました」・・・?俺は面倒くさそうにおんなじポーズでバチバチバチとやられただけよ。おそらく僕の写真は欠席した卒業記念写真のように、端っこに場違いに小さく載るだけだろうと確信する。

 ちなみに7月発刊だそうです。

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インタビュー風景(ウソ)

 

どうってことない

 夜も更けて夕刊をちらちら見ていたら「男性、性格丸くなれば長生き」というタイトルが飛び込んできた。アメリカのパーディユー大とボストン大からの報告で、43から91歳までの男性1663人を追跡し、調査開始時から性格が神経質になった群と穏やかになった群を18年後の死亡率で比較した。

 他の因子をそろえて比較すると神経質群は半数が死亡、穏やか群は85%の生存率。神経質な性格の度合いはその人の寿命を計る物差しになるとのこと。

 ふーん。そのものの文献にあたらないと正確な論評は難しいが「神経質」とはどんな性格か?物事を気にしやすい、細かい、少し暗い?死因は何が多かったのだろう。免疫機能が落ちそうだから癌かな。

 おそらく性格テストのようなもので判定したと考えられるが、性格が穏やかかどうかなんて結構判定は難しそうだ。パーディユー大の准教授は「血圧を下げれば心疾患が避けられるように、穏やかになれば死を遠ざけることが出来る」と大胆に述べているようですが。僕にはその人に降りかかったストレス量の違い、というかストレスと感じた量の違いのような気がします。

 あまり気にしないこと。最近気に入っている名言のひとつに「10年、100年経てばすべてどうってことない」というのがあるのですが、これを実践できれば確かに長生きできそうです。

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そのとおり

イマジナリィ・トラヴェラー

 「雨の日と月曜日はいつもブルーなのよー♪」と歌いながら月曜日が始まりました。今日はやり残しの仕事を診療所においていたせいで朝7時に出勤、ヒーヒー言いながらも外来、会議とサクサクすみ、ふっと気がついたらもう午後も11時過ぎです(ボケて記憶がとんでるのか!)。

 もー、こんな毎日だったら旅行でも行きたくなりますよね、ブツブツ、と思っていたのですが、考えてみると旅行って行く前にいろいろ想像しているのが実は一番楽しかったりします。

 想像というかイメージは、実は実際に脳のその領域を刺激していることが最近わかってきました。右手でボールを投げているイメージを持つと、実際に脳の運動野、右手の領域が活動しているのです。イメージトレーニングが大事というのがこれで判りますね。非常に快適な状況にいるとベータエンドルフィンなど脳内麻薬と言われる物質が分泌されますが、それも快適な環境をイメージすると出てくる。脳はだまされやすいのです。

 旅行に行かなくても、その場所の写真を見たり音楽を聴いたりすることでイメージが強く喚起されると、行ったと同じ快楽が得られるということになります。蚊に刺されたり不愉快なことが無いだけ想像上の旅行のほうが快適かもしれません。

 でも決定的に違うのは、想像上の旅行は自分を変えないということだな、多分。実際の体験は快楽も苦痛も合わさって自分を変えうる力を持ちます。自分が変化していくことはすごい体験ですよね。そこがない。当たり前だな。

 しかし快適な気分になるには想像上の旅行で十分です。この旅行の達人になると実はかなりグッドかも。今夜は夢でどこかへ出かけるぞ。

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これっす(陳腐なやつ!)

クリーンアップ・アンド・パワーアップ

 今日は雨で珍しく服の整理をした。最近僕は片付けづいているのである。まぁ、お珍しい!あの院長室の机の上の様子じゃ、何か物を整理することに恐怖感か何か抱かれておられるのでは、と思っておりましたわ。まーぁ、なにをおっしゃる、ちょっと時間が無かっただけでござーます。

 で、この季節に着る服が全く無いという事が判明したが、別に服を買いに行くわけでなく、その勢いで様々な角度で本が飛び出たり納まったりしている本棚を整理したりした。

 早寝早起き、整理整頓。これは精神科の春日武彦先生が統合失調症の患者さんの治療の一環として言われておられることである。精神的につらい状態にいる人の部屋はまず例外なく異常に散らかっている。少し前「片付けられない女たち」というのがあったが、ストレスのひとつの表現であり、部屋はその人の心の中を現しているのである。

 最近片付けると運がよくなるとか風水に関連して掃除の本がよく出ているが、確かに整理するとおっ、こんなのもが、とか役に立つものも出てくる。少なくとも損はしません。テレビを見ているより自分自身を見直すきっかけにもなりそうだ。明日は仕事場もやろーっと(どこまで続くか?)。

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クリーンアップ・アンド・パワーアップ

 

 

天職

 医者は僕の天職である。ここ何年かの間にそう思えるようになった。40代の後半からかな。医者になって20年も経ってからだ。

 天職が見つからない、天職を探しているのです、という言葉を聞くことがある。「天職は探しても見つからないよ」と僕はある人に言われた。「天職は創るものです」

 今やっている仕事を好きになってやり続けること、そうすることでその仕事は天職となる。いやいややっていてはその姿を現さない。そしてやり続けること。

 何か納得いかない気がするかもしれない。でも、今自分の仕事を天職と思っている人のかなりの多くがそう感じているだろうと僕は確信できる。仕事というものの本質は、それをやり始める若い頃には判らない。捜しまわって「青い鳥」は身近にいることに気づく。

 あっている仕事なんて無い。自分を仕事にあわせなさい。好きな仕事なんて無い。やっている仕事を好きになりなさい。やり続けることで仕事はその姿を変えてくる。また変えていけるのである。そしてある時、これは自分の天職なのだと確信する時が来る。そのために僕は、私は、地球上に在るのだと。missionでありcallingなのだと。

 今日は仕事というのものに関して考える機会があり、こんな風に思っていたのだと自分で気がついたのです。

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転職じゃないよ!