月別アーカイブ: 2011年9月

宮間あやさんゑ

 もう旧聞に属するかもしれないなぁ。あの「なでしこジャパン」がPKで優勝を決めた時、喜ぶナインの輪に加わらず、敗戦に打ちひしがれるアメリカチームに駆け寄っていった選手がいた。左MFの宮間あや選手である。

 彼女自身普段はアメリカのチームでプレーしていたせいもあるろうが、本来負けるはずの無いチームに負けて茫然自失、そのショックの大きさをあの歓喜の中で思いやって激励に走るということはなかなか出来ることではない。世界一のGKであるアメリカのホープ・ソロ選手が、アメリカのニュース番組でゲストに呼ばれた時、その時のことを話して「私には日本チームにフレンドがいるんだ。宮間あや選手だよ」と言っていたのである。

 宮間選手は特別なものをもっている。試合翌日は控え組の苦しみを知る故、控え組に交じってプレーする。勝利の中でも、変えられた悲しみに打ちひしがれるFWに寄り添ってささえる。ワールドカップ後も、すぐ岡山の地元チームに合流してマスコミへの過剰露出を避けている。澤選手が最も信頼するプレーヤーと名前を上げるのも当然か。

 こういったプレーヤーは男性には少ないように思う。ワールドカップに出る位だから身体能力は当然、メンタル面でも闘争心強烈だろう。唯我独尊というタイプがもてはやされる傾向もあるが、このように他者への気遣いをさりげなく示せる実力者というのは女性に特有な気がする。

 いまだ男性中心といった社会が多いと思うが、その中でこういった宮間あや的な行動をとれることは本当に大事なことだ。ことに女性が大きな戦力となるこの時代において。でも多くの女性は実生活においてさりげなくやってるよな、考えてみると。彼女はおそらく男性ホルモンがやたら多い女子サッカー界にいるから目立つのかもしれない。男がやれるかというのが問題なんだ。

 チームにおいて宮間あや的存在の価値は計り知れない。

 この日本に男性版宮間あや、多く出でよ。

同じ思いの人も多いだろうなぁ

昔の人の言うことは(または成功するダイエット)

 昔から健康に関して言われていることはたくさんあるが、これが結構正しい。

 寝る子は育つ・・・寝ると成長ホルモンの分泌が盛んになるからだ。腹八分目・・・これぞ生活習慣病の極意。早起きは3文の得・・・午前中の方が創造的な能力が発揮されやすいというのは脳科学的に証明されている。そのほかいっぱいあるぞ。来年の抗加齢医学会も「故きを温ねて新しきを知る」というか、健康に関する諺の科学的な検証をする企画が設けられている。

 これというのも、昔の人は賢いというか、観察する時間がいっぱいあったからだろうなぁ。エビデンスをひたすらに観察することで得ていた。治療法も少ないし真剣だったんだと思う。

 で今年の欧州糖尿病学会でまた同様の発表があった。よく噛んで食事をすることで、あまり噛まないで飲み込む“早食い”に比べ、食後の血中グルカゴン様ペプチド(GLP-1)値とペプチドYY(PYY)値が上昇することが確認された。奥羽大学薬学部の斉藤美恵子氏らが行った試験で明らかになったもの。

 GLP-1は今話題の小腸から出るインクレチンという、インスリンの分泌を刺激するホルモンの一つ。PYYは視床下部に働きかけて、食欲を抑制することが知られている。この2つが働くことは糖尿病の発症抑制、また治療にきわめて有用と考えられる。

 よく噛むというのは30回、早食いは5回という定義をしていて、GLP-1とPYYの分泌量は大幅に変化した。座長から「おばあさんによく噛めと言われたものだが、どれくらい噛んでいいのかわからなかった。いいヒントを有難う」とコメントをいただいたそうである。

 やっぱりよく噛まなくてはならない。僕は恐るべき早食いで2,3回しか噛んで無いような気がするが、大いに反省する。この前、高槻赤十字病院内科部長の金子至寿佳先生の講演で、インクレチンは野菜を食べるとよく出る、肉類は少ない、という話を聞いた。食事の最初に野菜を食べるようにと。

 そこで秘訣を教えよう。ダイエットを成功させようと思ったら、食事の前に野菜を30回以上噛んで食べることだ。そして満腹が近いと思ったら、その時にやめること。空腹を感じた時にのみ食べること。習慣で食べるのはよくない。ゆっくり食べると少食でもあまり空腹を感じなくなる。

 間違いない。ダイエットは簡単だよ(本当にやる気があればね)。

また800

 待望の残暑が続いているが皆さんお元気かな?夏はまだ終わってほしくない、できれば3か月くらい続いて12月になったら「ハイ、これから冬!」の掛け声とともにバンッ!と寒くなってほしい。メリハリがあってほしい、と自称小学5年生の僕は思う。中途半端はいいです。

 日曜日に時間があったのでDVD、「800-Two lap runners」を見る。聞いたことないでしょ?「800」は川嶋誠氏の素晴らしい、もう一回言おう、素晴らしい小説です。文庫本の解説で江國香織氏が大絶賛していたが、波長の合う人にはどうしようもない傑作。優等生広瀬君と野生児中沢君の二人の高校生800m走のランナーを中心に気が付けば実は複雑なラブストーリーが展開する。つまんないスポ根ものじゃないよ。それが1994年に映画化されて結構いろんな賞を取っている。DVDに記載されているのでは文化庁優秀映画作品賞(全く似合ってない)だとか日本映画批評家賞監督賞だとか。監督の廣木隆一氏はもともとピンク映画の出身で、安西水丸氏がとても自分の口に合う監督だと雑誌に書いていた。しかし好きな本ほど映画化されても失望することが多いので見なかったのだが、魔が差したわけだ。

 が、結論を言うと見てよかった。わざとやってんのか!と思うほど型通りの演出があり(ピンク映画っぽい)、ここで挫折する人もいるかもしれないが、これが逆に青春映画っぽい。そして「プリンセス・トヨトミ」もそうだったのだが、原作より作者の意図せんとすることがはっきり表現されている。高校生がこんなことしていいのか!という変化球のラブストーリーも、「治ったの」という言葉でなるほどと思えてきます。

 女の子達が主演2人のナイスガイぶりに較べて全然見かけ可愛くなくてちょっとがっかりですが、まぁ高校1年生かそれ以下という設定だもんね。むしろリアルか。そして映画一杯に「夏」が溢れている。これはかなりのものです。ステレオタイプでなくリアリティのある日本の夏。君も僕も感じているありきたりの日本の夏の盛りがギューと詰まって入っている。気持ちよかった。

 ほんとに走りたくなってきた。影響力大でした。つまんないこと言ってないで身体を動かせ!そういうことね。

新人賞もとっているこの二人はどこに行ったのであろうか?

初仕事

 台風一過、爽やかな秋空が朝の散歩の時に広がっていた。今日は本来休みだが某医療専門学校の講師にこの秋からなることになり、今日が第1日目である。

 前途を約束するような、というほどカッコいいものではないが今日はうまくいきそうな気がする。講義とか講演というのは準備の段階から成否が大体予想できるのである、僕の場合。1コマ90分、今日はそれが2コマで3時間しゃべりっ放しとなる。パワーポイントで100枚以上になったのだが、気分は非常にフラットで冷静。あがるわけもなくこんな時はうまくいくのだ。

 ・・・で予想通り大変うまく出来た。 聴衆を前に喋っていると、眠そうな人、注意力が切れてる方は一目瞭然である。そこで挫けずどうするか。全く気にせず熱心な人に照準を合わせ心を込めて話を盛り上げていくことにしているが、今日は部屋が狭いこともあったけどスリーピィな人もあまりいず満足であった。

 実際ネタとしてもこれで寝られちゃ切ないよ、お客さん!というくらい抗加齢のアップトゥーデイトな話てんこ盛りだったからな。次回のことは考えない。宵越しの銭はもたねぇよ!こちとら江戸っ子でぃ、なわけない。

 3時間もしゃべった割には疲れてない。しかし腹が減った。今週末には小さな勉強会の座長もある。夏は過ぎる・・・これでいいのか?3か月くらい残暑が続いてほしい。迷惑でしょうけど。秋はちょっと待ってね。