もう旧聞に属するかもしれないなぁ。あの「なでしこジャパン」がPKで優勝を決めた時、喜ぶナインの輪に加わらず、敗戦に打ちひしがれるアメリカチームに駆け寄っていった選手がいた。左MFの宮間あや選手である。
彼女自身普段はアメリカのチームでプレーしていたせいもあるろうが、本来負けるはずの無いチームに負けて茫然自失、そのショックの大きさをあの歓喜の中で思いやって激励に走るということはなかなか出来ることではない。世界一のGKであるアメリカのホープ・ソロ選手が、アメリカのニュース番組でゲストに呼ばれた時、その時のことを話して「私には日本チームにフレンドがいるんだ。宮間あや選手だよ」と言っていたのである。
宮間選手は特別なものをもっている。試合翌日は控え組の苦しみを知る故、控え組に交じってプレーする。勝利の中でも、変えられた悲しみに打ちひしがれるFWに寄り添ってささえる。ワールドカップ後も、すぐ岡山の地元チームに合流してマスコミへの過剰露出を避けている。澤選手が最も信頼するプレーヤーと名前を上げるのも当然か。
こういったプレーヤーは男性には少ないように思う。ワールドカップに出る位だから身体能力は当然、メンタル面でも闘争心強烈だろう。唯我独尊というタイプがもてはやされる傾向もあるが、このように他者への気遣いをさりげなく示せる実力者というのは女性に特有な気がする。
いまだ男性中心といった社会が多いと思うが、その中でこういった宮間あや的な行動をとれることは本当に大事なことだ。ことに女性が大きな戦力となるこの時代において。でも多くの女性は実生活においてさりげなくやってるよな、考えてみると。彼女はおそらく男性ホルモンがやたら多い女子サッカー界にいるから目立つのかもしれない。男がやれるかというのが問題なんだ。
チームにおいて宮間あや的存在の価値は計り知れない。
この日本に男性版宮間あや、多く出でよ。
同じ思いの人も多いだろうなぁ