月別アーカイブ: 2014年4月

陸上部総監督日誌

marathon

なかなかビジーな日曜日であった。

午前中、我が陸上部員2名が交野チャリティマラソン10kmに参加するので応援に行く。

参加選手の一人イッシー(芸名)の車で奥様も一緒に現場に向かうが駐車場が全く見付からず、イッシーは「もう不参加にして帰りましょう」と暴言を吐く。彼はフルマラソンを何度も走っているので10kmは朝飯前と言うか、ちょっと間違ってエントリーしたと言うか、とりあえずどんどん不機嫌になってくるので温厚な私がいさめる役にまわる。監督の重要業務、「機嫌の悪い部員を持ち上げる」である。

イッシー夫妻を会場付近で降ろして僕がどこかに車を止めて合流ということにし、運転を代わって少し車を走らせると、なんと! 今までフルに満杯だったコインパーキングに「空」の文字が。前方にそれを見つけて突進してくる車を瞬時に確認し、フルスロットルで1秒早くパーキングに車を突っ込む。やったー、パチパチパチ。拍手喝采の中、監督の重要資質、「何となく運が強い」を確認。、

会場でもう一人の選手、サングラス岩井(芸名)と合流(彼は会場から家が近い)。もう十分アップをやり込んでいるようである。イッシーはアップと称して飲んでいたお茶のペットボトルを捨てに5mほどちょこまか走っただけであるが何も言うまい。「選手の自主性に任せる」である。

で結果は両人ともまずまずであった。お疲れさん!

その後家庭サービスをするというサングラス岩井選手と別れ、僕とイッシーは一路、当院陸上部主将である男爵が初フルマラソンに挑戦!の四国は徳島マラソン会場へ。

途中、車が高速道路上でガス欠寸前になるという顔も引きつるエピソード(イッシー、ちゃんと確認しようぜ)もあり、ゴール地点にはほぼ男爵と同時に到着!おめでとう、初マラソン完走!素晴らしい!男爵は極めて不機嫌であったが(「フルマラソンをしようって人の気持ちは全く判りません!」)そのガッツは賞賛に値する。足を引きずりなかなかダメージは大きそうであったが、いつも楽しそうなのでたまにはいいであろう。でもあんまり痛そうなので持っていた鎮痛剤をあげる。「選手のコンディションを気遣う」。

その後宴会をしに XXじXXンドホテルに行く。きれいだがフロントは3人の老けたおっさんだけという暗い雰囲気、他のスタッフも食堂も含めほとんど女性がいない。ベリーストレンジ。しかもその男性スタッフが全員信じられない位どんくさく(間違った部屋に案内する、クレジットカード使用に15分を要すなど)、喋る口調もなぜか昭和。極めて個性的であった。また泊まりたくはないけど。

翌日朝6時にチェックアウトし、途中イッシーの車のナビが急いでいるにかかわらずホテルの前をもう一度通るという訳のわからんルートを選択(多分ホテルの呪い)するというアクシデントがあったが、ちゃんと8時過ぎにはクリニックに到着した。よかった。いつも通り数々の伝説を作ったイッシー、一日で回復し、舌の根も乾かぬうちに神戸マラソンを申し込んだ男爵、次回はフルマラソンね!のハイポテンシャル・サングラス岩井君、お疲れさんでした!

 

 

 

肉食系警察

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月に一度の健康相談をしに、産業医をしている大阪府警交通機動隊のビルディングにはいる。

「んっ?」 

何かが引っ掛かっていつもは全く見ない掲示板を確認すると上のポスターが。人間は興味あるものしか目に入らないものである。草食系より大阪府警かー。駄洒落ね。ケイしかあってないけど。大阪府警は肉食系と言いたいわけだ、この図柄は。

草食系男子のホルモン動態についてペーパーを書いたこともあって、草食系という言葉には割と敏感である。草食系男子という言葉は日本だけと思っていたが(草食系男子は英語圏でJapan’s harbibore menとされている)、去年出た論文によればフィンランドやデンマーク、アメリカといった先進国では、同世代で比較すると血中テストステロン(男性ホルモン)量は時代とともに平均値が低下していっているとのことである(A cohort effect on serum testosterone levels in Finnish men. Eur J Endocrinology 168:227-233, 2013)。文明世界同時草食化である。理由として環境ホルモンや食事などいろいろ説があるが不明。

草食系男子が必ずしも悪いものとは思わないが、加齢とともに低下していくテストステロンレベルが高い男性ほど長寿であることはエビデンスがある。認知機能も高いと言われ、東大の川戸 佳教授は記憶の重要部位である脳の海馬は男性ホルモンを産生しており、その量が減るとシナプス数も減少し、外部から補充するとシナプス量が回復したというラットの実験報告をされている。

当院でMCI(認知症の前状態)の高齢男性群にテストステロンの軟膏塗布を1年間行ったスタディを今度の抗加齢医学会総会で発表するが、認知機能より精神機能の向上が強く、前向きで不安感が減少するのが明らかだった。こういった精神作用も長寿に関係するだろう。筋トレをすると男性ホルモンが増加するのは周知の事実だが、メンタルが変わった、強くなったという人が多いのはやはりテストステロンの作用だな。

と考えると、「草食系より大阪府警」というコピーも悪くないかもしれん、と思えてきた。少なくとも犯罪者よりテストステロンレベルが高い方がいいな。凶悪犯のテストステロンは高いという古典的な報告があるが、負けないようにポリスマン諸氏は男性ホルモンレベルを上げてください。