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彼女はグッドデザイン

AERAをパラパラ見ていたら「スローなデジにしてくれ」というタイトルで片岡義男氏の記事が出ていた。彼の全著作の電子化が進んでいるという記事。過去の作家と思われていたが「日本語の外へ」という批評集より再評価され、今は刊行も多くあらたな黄金期といえる、ということらしい。タイトルは彼のヒット作「スローなブギにしてくれ」(映画化もされたよな、浅野温子主演、南佳孝の音楽で)をもじってダサいですが、嬉しい記事である。最近Kindleでもちらほら昔の作品が出てきたので早速購入していたのだがそうだったのか・・・。

彼は僕が20代の頃に多大な影響を受けた作家です。同世代の中には結構そういう人が多い。ライフスタイルに影響大で、いい歳をしてバイクの免許を取ったのも彼のせいである。彼が悪い。そしてキャッチ―な言葉の使い方。

本棚から昔の著作を捜すと「彼女はグッドデザイン」という短編集が出てきた。これは彼の著作を全集のような形に編集しなおしたものの1冊で、オリジナルな短編集のタイトルではないけれど、まっ、グッドタイトルね。

あっという間に彼の世界に没入する。

 

・・・何が違うんだろぅ。

 

「あいまいさ」が無いというのに気が付いた。主人公は自分のやりたいこと、やるべきことが分かっていて、他人に左右されない。自分の判断基準でそれをルーズに甘くしない。

だらしなくない、のである。

淋しいとか絶対言わない。自己充実してる。彼が結婚していないのはそのせいじゃないかなと思ったりする。

フォーカスがきっちりあっている、という感じ。よけいなゴタゴタが周りに無い。すっきりとシンプル。主人公がジーンズに白いTシャツが多いのもそういうことか。勿論腹も出てないし。美意識も同じ。

 

考えてみてすっきりした。実は俺は基本的にはそういうのが好きなんか、と。

その割に実生活は全然違うぞ、と。

「彼はグッドデザイン」   こういきたい。   いくよー。