「緩和ケア研修会」は無事終わった。いろいろ得ることが多く、参加してよかったと素直に思えるのだが、1つの収穫は、鍼灸が呼吸器リハビリテーションに使用されているということを知ったということである。
グループミーティングの時、癌末期の患者さんの痛みをとる手段として鍼灸はどうでしょうかと僕が話していたら、「鍼灸ね、それはいい。うちでもCOPD(慢性閉塞性肺疾患。タバコが主たる原因で年月が経つと呼吸困難が出てくる。これから患者さんが大変多くなると予想されている)の患者さんにやってもらっていて、すごーく良くなるよ」と呼吸器センターのF先生がおっしゃったのである。
「それは呼吸筋がリラックスするからですか?」
「多分ね。本当にすごく良くなるのでもっと(鍼灸師さんに)来て欲しいんだけど」
「!!!」
僕がアキレス腱を切って、それに伴う股関節の障害等でちゃんと歩くのもしんどい、となってから久しいが、最近目覚しく改善してきたのは、それはひとえに鍼灸のおかげであると断言できる。いろいろ人のやりそうなことは試してきたのだが、うちの鍼灸院のH先生の施術を一度受けてこれに賭けようと思い、週に3回は施術していただくという贅沢な、しかし切実な絨緞爆撃作戦の結果、間違いなくADLが向上したのである。来年からジョギングを再開するという目標に手が届きそうな感じまで来たと思う。
おまけに実験的に顔針(顔の周辺にひまわりのように刺す。針が細いので全く痛くない)もしているのだが、どうも白髪まで少なくなったような気がする。ぼくが30年近くお世話になっている散髪屋で「白髪減ってない?」と言うと「いやー、やっぱりそうやね。少なくなったなと思っててん。一時多かったけどね」という返答であった。リップサービスかもしれないが本人の印象もそうなんだな。
鍼灸は副交感神経刺激作用があり、刺入部位のみならず四肢末梢の血流量も増加することが証明されている。筋肉の弛緩効果もあいまって毛根部の血流増加がおこってそうなったのか。そういえば最近あまり疲れないけど、交感神経過緊張があまり起こらないせいかもしれないな。
というわけで薬も使わないで、刺激により体内の化学工場をドライブする鍼灸は相当お勧めです。どの鍼灸師の先生がやっても一緒とは思わないけど。また怖がっている人には言っとくけど痛くない。考えていると来年の抗加齢医学会に向けて鍼灸のデータを取るアイデアも出てきた。乞うご期待というところです。
そう、そう。