「いやー、年が明けてから忙しかったなぁ。光陰矢の如し。かわいい少年老い易く学成り難しだな。気がつけば2月じゃないの」
「ブログも気がつけば昨年末より書いてませんね」
「ったく。自分でもびっくりした。浦島太郎状態。気が付けばじじい」
「でも最近なにか考えてません?時々クリニックに怪しげな油が配達されてますけど」
「ああ、あれね。あれはCBDオイル」
「しーびーでぃ?」
「CBDというのは正式にはカンナビジオールと言ってマリファナの一成分ね。」
「マリファナ!? やめてくださいよ!クリニックにパトカーが横付けされるは避けましょう。先生は大阪府警の産業医ですけど無理なんじゃ?」
「当たり前。CBDは日本でも合法で、アマゾンなんかじゃびっくりするくらい売ってるよ。質がいいかどうかはかなり疑問だけど」
「合法?何のために使うんです?」
「これはいろいろあって、アメリカでは小児のてんかん治療薬としてFDA(厚生労働省みたいなもん)も認可してる。慢性痛、多発性硬化症、線維筋痛症などにも有効というちゃんとした学術論文があるし認知症や統合失調症にも効果がある可能性がある。他にもいっぱいあるぞ。そもそもマリファナには嗜好用というか快楽をもたらすTHCという物質が多く含まれているんだけど、次に多い成分がCBDだ。CBDオイルはTHCを含まない。マリファナには60種以上の成分が含まれているんだけどその配合によりタバコやアルコールより害が少ないということで、医療用のみや全面解禁とかいろいろな程度でアメリカでは25の州で解禁されている。ヨーロッパでも同様、いろいろなパターンでオランダ、イギリス、スペイン、フランス、ポルトガルなどで罪にはならなくなっているみたいね」
「うーん、でもなぁ」
「よく知るとマリファナ、大麻はかなり複雑な経過をたどって現在のちょっと怪しいというポジションにあるんだけど、もともと日本では「偉大な麻」の意で、今でも下駄の鼻緒とか相撲取りの化粧まわしに使ってるし、種は七味唐辛子に入ってるな。日本と中国ではなじみ深い植物。薬品はもともと植物から作られているものが多いから、ひょっとするとひょっとするかも」
「・・・先生は何に使ってるんです?」
「CBDは痛みとかストレス緩和で癌患者に用いるケースがよくある。うちの患者さんでもそれでお使いになっているケースがある。僕が気になりだしたのは、某国の某大使館で職員がストレス緩和にみんな使ってると当の某職員さんからいただいてから。これは自分でも本当か今でもよくわからないんだけど、それを使って数分後から始めた筋トレで、今までと全く違って筋疲労がほとんど起こらずウエイトの記録を作ったこと。なんじゃこれは!」
「ほんとですかぁ?」
「わからん。トレーナーに確認しても今までと同じ重量だというし、自分でも信じられなかった。で以後継続的に使用してみるとアンガーコントロールというか、トラブル時の精神安定がとても上手になった。これは確かね」
「ふーん、あまり悟ったようにも見えませんけど。しかし継続されてるってことは何か感じるものがあるんでしょうね」
「そうだなぁ・・・(以下次号に続く)」