月別アーカイブ: 2007年1月

仕事始め

 今日は仕事始めである。仕事モードに戻ろうと朝6時に起きて愛犬の散歩をしたが、外は真っ暗じゃないか!満月に近い月が煌々と西の空に見える。犬の白い体が暗闇に浮き出している。1月とは思えないくらい暖かい。

 阪神高速に乗って朝日に向かって車を走らせる。CDをかけるとビューティフルな、ストーンズの「友を待つ」が流れてきた。「Jump back」という中期ストーンズのベストアルバムは最近のベリー・ヘビー・ローテーションである。ミック・ジャガーに待たれていたりしたら俺なんて滅茶苦茶あせっちゃうな、とか考えて、まだ例のオービスの呼び出しが来ていないことを思い出す。もうすぐ3ヶ月である。あれは幻覚だったんでしょうか、皆さん。幻覚だと嬉しいんですけど。でも3ヶ月ちょうどで来たやつもいるしなー、これの結果で今年の運勢を占うことにする。おみくじより確かな気がする。

 外来は快調に1時過ぎに終わり、腹が減ったのを我慢してデイケア、デイサービス3ヶ所の利用者さんに新年のご挨拶をしに行く。皆さんいい感じで迎えてくれて、1つのデイサービスでは認知症の利用者さんに「院長先生、何しに来はった?」とニコニコして言われ、「お年玉もらいに来ましたー」と答えて笑いをとる。全く威厳というものがない。

 午後診が終わり、午後8時過ぎに今日の報告を法人本部で聞き、またちょっと疲れ(診療よりも何よりも人事が疲れる、総ての人が仲良くやっていくことは僕がマスターズに出るより難しい)、家路に就く。またも始まる仕事の日々。しかしな、今年は結構激動なのだ。トラブル・サーフィンに決まってる。でもね、楽しく頑張るよー。スタッフのみんなも頑張ろうな!

PS.今年の目標の一つは No TV at all !!です。あっ、except スポーツ中継ですね。

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この日をつかめ!

忙しい天国

 新年2日目。なんのかんのやることはあるが原則的に暇である。日頃やらなくてはならないこと、考えなくてはならないことに追い回されているので天国のようなものであるが、天国は毎日いると退屈かもしれん。

 ご高齢の方を診察していて思うのだが、退屈されているというのがネガティブファクターだと感じる。敬愛するディレッタント、故植草甚一氏が「遊ぶほうが仕事より難しい。なぜなら自分で頭を使わないと楽しく遊べないから」と述べているが至言である。仕事が休みくらいで退屈といっているようでは先が思いやられるぜ!遊ぶことに頭を使おう。

 同じ遊びでも徹底的にしないとつまらない。何事も700時間やればそれなりに格好がつくという説がある。だとすれば1日30分毎日練習したとすると1400日、約4年。新しいことでも今からはじめれば十分である。結構やりたいことがあるのでワクワクしてきた。

 僕は仕事も遊びと等価のところがあるのだが(ゆえに、いわゆる遊びにあまり時間を取れないというところがある)、たくさんの可能性を設けたほうが楽しい。人生を遊び倒せ!と今日は心に刻んだ。それが本当の天国。

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やるよー

元旦ばなな

 新年明けましておめでとう御座います。

 区切りですよね、こういうのは。毎日の生活を自分で1章1章区切っているのですが、このような強制的な区切りは意味がある。いっそ大切にしていくべきかと思います。リセットのいい機会ですよね、誰も文句を言えない。

 大晦日から元旦にかけて何をしていたかというと本を読んでいました。この時期に読もうと思っていた本があってそれを1冊読破し、2冊目も終わりかけである。選択がよかった。読み終わった1冊はよしもとばななの「デッドエンドの思い出」です。

 よしもとばななは1時期モストフェバリットの作家でした。「ムーンライトシャドウ」という短編は、個人的に好きな短編のアンソロジーを編むとしたら、間違いなく最初に思い出す大好きな作品で、最後の2行は本当に涙が出てくる。今まで10回くらい読み返していると思います。でもここ数年は遠ざかっていました。ちょっとつまらなかった。

 「デッドエンドの思い出」は書評もよかったし、彼女自身が1番好きとコメントしていることもあって気になっていたのですがどうも機会がなかった。しかし読んでよかったです。最近本当に素晴らしいと思った短編集は村上春樹の「東京奇譚」ですが、個人的にはそれに匹敵します。

 甘くない不幸な話ばかりなのですがみんな救いがある。一言で表現できないですが、特別な関係の人に対してだけではなく、普通の関わりの人達に対しても、気を使った思いやりの心があれば何とか人はやっていくことが出来るというメッセージを感じました。アメリカの作家であるカート・ボネガット・ジュニアが「愛は負けても親切は勝つ」という言葉を残していますが、それと同じかなと思います。

 少し引用。

 この世の中に、あの会いかたで出会ってしまったがゆえに、私とその人たちはどうやってもうまくいかなかった。
 でもどこか遠くの、深い深い世界で、きっときれいな水辺のところで、私達はほほえみあい、ただ優しくしあい、いい時間を過ごしているに違いない、そういうふうに思うのだ。

 いがみ合ったりするのはつまんないですね。
 グッド・ラック!

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幸福な思い出があれば生きていける