月別アーカイブ: 2008年7月

夏が来たね

 どうやら来たね・・・夏。異常に蒸し暑い。僕は暑さには強い、というか鈍感な人間である。法人本部のエアコンが壊れ、修理は不可能で買い替えには数十万必要という見積もりのため、数ヵ月後には移転するのでもったいないという声がスタッフから上がった(なんといい人たちであろうか!)。冷房のきく部屋にみんな分散して仕事をしており、僕の机も一応移していただいているのだが、ほとんどもとの部屋にいる。

 僕が本部の部屋にいるのは1,2時間あるかないかだし、しかも30分は食後の墜落睡眠のためである。お昼を食べると牛になろうがサルになろうがソファーに横になりたくなる。陽が差し込んでいる。やわらかい風が吹き込み頬を撫ぜる。極楽である。「あつー!よくこんな部屋にいますね!」といわれようが平気。自然の状態が一番よ、と思い目を閉じる。2秒後には意識を失う。

 午後診の前に薬のメーカーさんが秋の講演会の依頼に来られる。

「これって10月?すげえ先の話だなあ」
「先生、そんなこと言ったってすぐですよ。あっという間。だって気がついたら今もう7月ですよ」
「えっ、もう7月なの(何言ってんだか)」
「そうですよ、すぐ紅葉」
「て言ってる間にもうクリスマスかー」
「正月はどうしようか、なんてね」
「花見はどこで?とか」
「とか言ってる間に夏休み」
「一巡かよ!」・・・と際限もなく続くのであった。

 青年よ、人生は短い。アホなことを言ってる暇はない。君に片岡義男氏の名言を送りこの項を閉じよう。

夏とは単なる季節ではない。それは心の状態なのだ。

 楽しみたまえ、とつぶやき眼を閉じるのであった。

lalasumaer
夏の犬

 

禁煙外来

 20歳の時にタバコを止めてからほとんど吸ってない。吸い始めの頃はかっこいい吸い方とかいろいろ考えたりして結構本数も多かったのだが(バカだったわけです)、気分悪くなったり、クラブ活動で長距離を走るようになってこれでは走れんと切実に思ったりしたのですぐ止めた。

 僕の意志の力はトータル0.2馬力くらいしかないので、止められたのは結局好きじゃなかったのだろう。

 で、禁煙外来である。タバコ1箱1000円の噂が出てから(ニューヨークではほんとに1000円位するようですが)急に訪れる人が多くなった。みんな実は止めようかなーと思っていたのだが、きっかけがなかったという人が多い。早く1000円になれへんかなーと思てますなんて人もいて、自立して何かを決定するというのはなんと難しいのであろうか。

 今までの経験では男性はかなりの禁煙達成率である。ほほ100%。それに比して女性は成績が悪く、半分くらいであろうか。最初に禁煙外来に来られたときから女性はなんとなく歯切れが悪い。あまり切実さがないのね。

「で、タバコを止めようと強く思ってる?」
「えー、薬のんだら勝手に止められるんでしょう?」
「あのね、止めようと強く思ってなきゃ無理よ」
「えー!うそー」

 うそー、と言いたいのはこっちである。薬で依存性をかなり絶つことは出来ても、喫煙は習慣という、なかなか抜けない罠があるのである。これを忘れ去るには本人の強い意志が不可欠である。習慣を変えるのはかなり難しいのだ。

 喫煙の悪影響を調べる手段として呼気中の1酸化炭素量を調べる。正常は1%以下で、禁煙すると数日で値が下がってくる。本当に禁煙したかこれで調べることが出来る。今までの最高値は20歳の女の子の13%で、これはなかなかのものですよ。禁煙外来に来る大概の男性は5%程度である。彼女はお母さんが引っ張ってこられたのだが、予想したとおり2回目の外来には来なかった。今頃どうしているのであろうか。

 今の僕の眼には、この時代に喫煙をしているというのは相当のチャレンジャーという気がする。死をも恐れない勇者である。その勇気を別の方面に。あなたならきっと出来る。

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ベタでした。