どうやら来たね・・・夏。異常に蒸し暑い。僕は暑さには強い、というか鈍感な人間である。法人本部のエアコンが壊れ、修理は不可能で買い替えには数十万必要という見積もりのため、数ヵ月後には移転するのでもったいないという声がスタッフから上がった(なんといい人たちであろうか!)。冷房のきく部屋にみんな分散して仕事をしており、僕の机も一応移していただいているのだが、ほとんどもとの部屋にいる。
僕が本部の部屋にいるのは1,2時間あるかないかだし、しかも30分は食後の墜落睡眠のためである。お昼を食べると牛になろうがサルになろうがソファーに横になりたくなる。陽が差し込んでいる。やわらかい風が吹き込み頬を撫ぜる。極楽である。「あつー!よくこんな部屋にいますね!」といわれようが平気。自然の状態が一番よ、と思い目を閉じる。2秒後には意識を失う。
午後診の前に薬のメーカーさんが秋の講演会の依頼に来られる。
「これって10月?すげえ先の話だなあ」
「先生、そんなこと言ったってすぐですよ。あっという間。だって気がついたら今もう7月ですよ」
「えっ、もう7月なの(何言ってんだか)」
「そうですよ、すぐ紅葉」
「て言ってる間にもうクリスマスかー」
「正月はどうしようか、なんてね」
「花見はどこで?とか」
「とか言ってる間に夏休み」
「一巡かよ!」・・・と際限もなく続くのであった。
青年よ、人生は短い。アホなことを言ってる暇はない。君に片岡義男氏の名言を送りこの項を閉じよう。
夏とは単なる季節ではない。それは心の状態なのだ。
楽しみたまえ、とつぶやき眼を閉じるのであった。