楽しくないけど知っといたほうがいい事実

 最近の浴室本は「世界を見る目が変わる50の事実」である。ジェシカ・ウィリアムズというイギリス公共放送BBCの女性ジャーナリストが著者。普段余り目にすることの無い興味深い事実を挙げて解説を加えている。

 例えば「世界の死刑執行の81%はわずか3カ国に集中している。中国、イラン、米国である」とか「日本女性の平均寿命は84歳だがボツナワ人の平均寿命は39歳」・・・発展途上国、多くはアフリカだが、平均寿命が短い原因として新生児死亡率が高いこと以外にエイズの影響力が非常に大きいことがわかった。「地雷によって世界で毎時間1人は死傷している」・・・あんな時代遅れの兵器が今でも使用されている一つの理由が安価であること。1つ400円!対人地雷禁止条約が発効し世界で139カ国が締結している。しかし47カ国が締結しておらず米国、中国、ロシアはやっていない!米国は地雷を作っている企業との関係である。

 グローバリゼーション-貿易、通信、投資を通じて世界がより深く結ばれること-もいい事ばかりでなく、富裕国が途上国をいろいろな意味で搾取の手段にし、犠牲を強いていることもよくわかる。まあこれは搾取ではないが、タイ人の血が混じるタイガー・ウッズの1日の収入は、ウッズの帽子を作るナイキのタイ工場労働者の38年分の年収である、というのもあるぞ。タイガーがタイに来たとき労働者はそうプラカードに書いてデモをしたそうだがタイガーは彼らとの面会を拒否したそうだ。僕はタイガーのファンだから複雑だな。

 発展途上国に教育施設を作るため募金を!というのを見るとまず日本のことに金を使ったほうがいいのではという意見が出る。僕もそう思うときがある。しかし世界は1つのクラスなのである。学級委員みたいなのもいるしグレているのもいる。みんな自分のことだけでなくクラスのことも考え、助け合わなくてはいけないのだ。自分の国、自分の事情だけに完結していてはいけない。そのために世界のことを知る必要がある。表面的なことでなく真実を知る必要があるのだ。案外真実は伝わらない。貴重な本だ。是非お勧めしたい。

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表紙はかわいいけど・・・

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