ピンクのレストラン

 先週の木曜日、大学病院時代の僕のボスに依頼されて高齢者医療の現況を話しにS会-N津病院に行ってきました。彼はそこの副院長をしています。「普段遭遇している老人診療のリアル・ワールドを研修医、専修医に教えたって。彼らは専門化しつつあってほとんど高齢者医療に接する機会がないから」ということです。彼らはべつにバーチャルな世界に生きているわけではありませんが、大病院の外来に歩いて来る高齢の患者さんと、在宅やデイに送迎でないと来られない方とはかなり違うことが予想されます。高齢者医療の特徴がここに一つ出てきます。「高齢者は個体差が大きい」。

 いろいろ考えたのですが「後期高齢者(75歳以上ね)に共通する問題は低栄養であり、それの改善は転倒骨折、嚥下性肺炎、認知症などの予後を大きく改善する」「若いうちは身体の状況が精神を変えていくが、高齢になると精神が肉体を引っ張っていく」といったようなことを喋りました。幸いにも好評だったようです。講義の最中にも携帯のコールがほとんどどのドクターにもかかって来ていて、病院勤務時代を思い出しました。頑張りたまえ、諸君。未来は君たちのものだ、少しは俺のものだけどね。

 講義の後、ボスと一緒に飯を食いに行きました。「お前やったらこんなんが好きかなと思って」と連れて行かれたのはおしゃれな、というかー、ほとんどがピンクのインテリアの、おっさん二人で飯を食うにはファンシーすぎるやろ!というフレンチでした。しかしフランス人らしきビジネスマンが2人で食事をしてたりして、まあええかと注文をする。日頃アルコールとは絶縁状態だったのですが、久しぶりにワイン1本以上飲んでしまいました。気持ち悪いです・・・

 大病院の魑魅魍魎が跋扈する人事の話とか、恐ろしげな話題も多かったのですが、僕の経験では男二人でちょっと高めのレストランに行くとあまり下らん話はしないですね。管理者の心得とか非常に示唆に富む話も聞けてよかった。勤務医時代、男同士で行くのは大概居酒屋で、上司の批判とかどうもあまり健全でない話題が多かったような気がします。まあ、それもありですが。ある年齢になってグッドレストランでうまい食事をしながら話すのに、下らん話題では飯にも自分にも悪い。話す内容もおかずの一つであります。

 東京はかなり立派なレストランで男同士とか、男一人(これはできん!)できちんと食事をされているのに出会うことがありますが、大阪は圧倒的に少ないです。同じようにやたら若いお姉ちゃんを連れているチョイ悪おやじの数も東京は圧倒的に多い。どうも東京のほうが楽しむことに長けているようです。地盤沈下は経済だけにしときたいよな、大阪。ほんとに。

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食いすぎた二人

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