僕はほとんどの場合本を読まないと寝ない。眠れないことはないが、まあ習慣ですね。心が波立たない、積極的に癒してくれる本が寝る前には適しています。時々読むのがクラフト・エヴィング商會の本です。これは製作者のユニットの名前。ご夫婦です。本の装丁でも有名。ちょっと生真面目で清潔でクラシカルな、大人のファンタジーを出版し続けているユニットです。
初めて読んだのは「じつは、わたくしこういうものです」。いろいろな商売をしている方が写真入りで出てきてちょっとしたエピソードを話します。初めは実在の人かと思っていたのですが、だんだん商売がエキセントリックになってくる。白いシャツしか作らない仕立て屋なんかはありそうですが、思い出を保管する倉庫番とか月を見せる商売(水盤に水を満たして登場し、覗き込むと月が写っている)とかになってくるとこれはファンタジーだったのかと気がつく。登場人物も役者でなく他の本物の商売をしている人なので(末尾でちゃんと紹介される)リアリティがある。
この前の休みは「フィンガーボウルの話の続き」を読んだ。これはビートルズのホワイトアルバムがモチーフになっていて、ジャケットに通し番号が打たれているのはマニアなら知っていますが、そこから話が展開していく。いいです。
であるCDを聴いていたとき、これはクラフト・エヴィング商會の本のBGMにぴったりだなと思いました。ゴンザレス三上氏の「Green shadow, white door」です。Gontitiのリードギターで元ドイツ銀行員。生真面目でシャイでユーモアがあって世俗から離れている。ぴったりだ。
本でも音楽でもこういった作品はどんなに引越しをしても何時までも棚に残っていて、たまに手に取ると何時会っても心優しい友人のように大切にしたくなるのです。
【MUSIC】GONTITI
遅ればせながら、映画『誰も知らない』をDVDで観たのをきっかけに、GONTITIを最近集中的に聴いています。
まだまだ暑苦しい日々が続く今日この頃、そして気忙しい日々、GONTITIの奏でるギターの音色が気持
kiyo様、初めまして。
『poppoのブログ』のpoppoと申します。
トラックバックの承認有難うございます。
記事をいくつか拝読させていただきました。(特に音楽カテゴリー)
実は私も、「じつは、わたくしこういうものです」は以前読みました。ふわふわと宙を漂っている印象を覚えています。
コメント有難うございます。poppoさんは湘南在住ですよね。関西の人間にとって湘南は何か特別な、なんか強烈憧れの地のような気がします。西宮の汚れた海で昔ウインド・サーフィンをしていましたが、湘南出身のやつとよく一緒だったのを思い出しました。彼も帰っちゃったな、やはり。