老年学に学ぶ!

 「老年学に学ぶ」(角川学芸出版)という本を読みました。山本思外里という方(今年79歳)が書かれておられるのですが、ご自分が楽しく有意義に老後を過ごすために古今東西のそれ関係の本を多量にお読みになり、引用しながらご自分の意見を述べられているものです。僕も職業柄同じような傾向の本をよく読んでおり、重なるところも結構あって(しかし彼の量は圧倒的です)、自分自身の整理のうえでも有用でした。

 健康寿命というのがあって、これは日常生活を健康におくれる最長年齢のことであり、普通の寿命との差が、いわゆる寝たきりとか、病的な状態で過ごしている時間ということになります。健康寿命も日本人は男女とも世界で最長です。日本のお年寄りは実はかなりお元気である。しかしなぜ高齢というとあんなに悲観的な論調が多いのか。どうも変だな。

 日本で高齢者関係の本を書いているのは医療関係者、特に医者が多い。医者が普段接しているのは基本的に病気をお持ちになっているご老人であり、研究範囲も病的状態である。それが一つの原因ではないかと思います。

 この本の基本的なトーンは「年をとれば病み衰えて役立たずになり、社会的な厄介者になるという老いの神話を打ち砕き、素晴らしい人生の秋である老年期を愉しもう」というものですが、多くの信頼できる文献(海外のものが多い)を挙げられてかなりの説得力があります。筆者の山本さんもかなり前向きな方だろうと想像できます。

 昔の日本人で「養生訓」で有名な貝原益軒が紹介されていますが、なんかめちゃモダンで、その考え方、生き方たるや今のアンチ・エイジング・メディスンそのままです。いや、勉強になりました。ウジウジしててもしゃあないよ。

 こういう元気が出る本(しかも根拠無い元気でなく裏付けのある)はいいなぁ。今日はばっちり春っぽく、今年初めてオープンにしました。季節も元気出せ!と言っているようです。季節にふさわしくウキウキで生きましょう。

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いい季節はいいなぁ

 

老年学に学ぶ!」への4件のフィードバック

  1. macmama

    人の潜在能力は年をとっても再生や成長が可能であるって所がいいですねぇ~人生 前向きな性格
    と楽観主義で生きていく そういう風に思える人は元気で長生きできる わかっていても マイナス思考になることがよくある私で~す。
    死は生の一部として受け入れる事がわかったと言うシゲリさんはまだまだ これからの 人生も 有意義なものに なるでしょうね。
    私の生命の持ち時間は後どれぐらいなのかなぁ~
    いつ 死んでもいいように生きるって 難しい
    課題ですよね 先生 (*^^)v

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  2. macmama

    すいません 書き忘れてましたぁ~
    今日BSジャパン=後8・55 ブルース・ウェバーの映画が放送されます< トゥルーへの手紙>
    ウェバーが愛犬にあてた手紙の映像です 報告まで

    返信
  3. 着ぐるみ院長

    いつもながら鋭いコメント(老人学の本、読んだんですか?)有難う御座います。マイナス思考が必ずしも悪いわけではないと思います。プラスもあり、マイナスもあり、それが人生ですよね。プラスで行こうと意識していること、それがポイントだとお思います。

    「トゥルーへの手紙」情報有難うございます。知らんかった。必ず見ます。楽しみ。

    返信

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