あぁ、えらい小説を読んでしまった。筒井康隆氏の「パプリカ」です。文庫本の480ページ、終わるのが惜しい。ものすごーく好みです。大好きコレクションが増えて嬉しい。
実は筒井康隆氏は高校生時代すごくファンだった。彼の代表作というのでもないのだが「俗物図鑑」というのがすごく好きで(俗物評論家が集まって梁山泊みたいなプロダクションを作って…とかいう、後半はお得意の大スラップスティックになる)、相当彼の本を読んだ。ヤクザ(奇妙な)の世界を描いた「男たちのかいた絵」とか、スターウォーズの原型みたいな、遥か昔の銀河系世界の物語「旅のラゴス」とか、大傑作!!という感じで興奮したのを今でも覚えている。
一時休筆宣言をした(パプリカを書いた直後だったようだ)とかあって、すっかり彼の本からはご無沙汰であった。でも偶然「パプリカ」いいんじゃないというのをどこかでチラッと読んで、なんとなく嗅覚が働き何年ぶりかで読んだ。
夢は精神分析で使われるが、主人公の女性は精神科のドクターで、同僚と夢をビジュアルに他人が見ることのできる機械を開発して、それを用い治療に使っている。実はそれを用いると、他人の夢の中に入っていくことが出来るのだ…というのが前ふりですが、この女性がすごくいいです。まいりました。
解説は斉藤美奈子氏が書いているが、さすがである。そこで彼女は主人公を「おじさんの妄想の産物?」みたいなことを書いていて(もっと複雑なのだが)、そうだったのか・・・と言い当てられたような気がしました。確かに男性は全員アウト!な感じだと思います。
昔、庄司薫氏の「さよなら怪傑黒頭巾」という小説に出てくるアコという女の子に僕も含め僕の回りの友人全員やられたのを思い出しました。
ま、話はそう簡単ではなく、かなり複雑といえば複雑で(総てダブルバインド)、独特のイメージの世界満載。終盤スラップスティック、大ホラーですが、エンディング、かなり静謐です。傑作です。美しい音楽のようです。
アニメとして2年前公開されており(知ってた?)DVDもあるようです。かなり悪くないが原作には及ばん、というのが大方の評価みたいです。見たいような、見たくないような。あるく君、見た?
ご指名、ありがとうございます!
「パプリカ」ですが、以前ブログには写真も載せていました。(諸事情により削除)。
SF作品の映像化=今敏監督なので、スピード感あふれるめまぐるしい展開、そして映像美は素晴らしいです。特にこの作品は夢世界のパレードのシーンが評価されるべく、いや見所ではあるのですが、アニメでこそ表現できた部分だと思います。パプリカ姉さん、ついていきますぜっ!
あるく映画館くん、レスポンス有難う。
お返事で間髪をいれず注文してしまいました。
うう、楽しみだ。
でもさぁー、君だとパプリカ姉さんになるのね。僕だとどう考えてもパプリカちゃんです。
年ねー。