タモリ氏が赤塚不二夫さんのお葬式でよんだ弔辞のことが話題になっている。結構ワイドショーなんかでももちきりだったらしいのだが、僕は別のルートで知った。
弔辞自体は本当に素敵な内容だった。というか、僕の知っている弔辞で最もいやみなく感動的なものの一つだったといえる。ところがその弔辞にはもうひとつ、大きな裏技が隠されていたのである。
> 会場のどこか片隅のちょっと高いところから、私に「おまえもお笑いやってるなら、弔辞で笑わしてみろ」と言ってるに違いありません。
と、彼は言った。で、そのまま素晴らしい言葉が続き、
>私もあなたの数多くの作品の一つです。
という決め台詞で弔辞は終わる。弔辞では笑わさなかったんだと誰もが思う。タモリ氏はこの7分以上に及ぶ弔辞が書かれた紙を、丁寧にはっきりと読んでいった。
しかし、実はその紙は白紙だったのである。
会場のどこか片隅のちょっと高いところにいる赤塚氏からは白紙であることが判る。彼だけにわかる密室芸。ちゃんと彼だけを笑わせていたのである。「タモリ、やるねぇ」と。
ろくでもない最近のニュースの中では出色。しびれました。男だねぇ。
しかしこの白紙事件、絶対誰も分からないまま終わるとは思ってなかっただろうな、タモリは。あれだけテレビで写ってんだから。それも見越してのことだと、それもまた立派。
これと並ぶ男前は2大会連続一本勝ちの谷本選手と、スウェーデン戦のなでしこジャパンくらいか・・・あれっ。
最近はつまらない感じがしてたけどねー