家庭血圧測定の際の注意点と逆白衣性高血圧

高血圧に診断、治療には家庭血圧の測定が大事です。その際に知っておいたほうがいい知識を東北大学教授の今井潤先生の文献を参考にまとめてみました。血圧値に一喜一憂しないよう以下の事を覚えておきましょう。

1. 血圧は1心拍ごとに変動するし、わずかな内的外的刺激(腹が立っていること、寒い、痛いなど)により簡単に上昇する。
2. 1度に数回測定すれば一般に最初の血圧値が高く、だんだん低くなる。どの値をとるかは諸説あり、すべて記録しておく。計時的変化を見るには1回目に統一しておく。
3. 測定開始の最初の数日はその後の血圧より高い。
4. 一般に朝寝床から起きて動き出した直後の血圧は夜の血圧にくらべ高い。起き上がらず寝床の中でぼんやりしている状態で測った血圧は基礎血圧といい、この血圧が高い場合は注意。
5. 冬季には夏季に較べ血圧が上昇する。

病院でお医者さんや看護婦さんに測定してもらうと緊張して血圧が上がるのを「白衣性高血圧」といいます。逆に家庭内で自己測定時に神経質になって高い血圧値がでると下がるまで何度も測定を続ける人がおり、病院で測るほうが安心して低くなる人もいます。そういう人を「逆白衣性高血圧」といいます。

血圧に神経質になって自分で高血圧を作り出さないようにしましょうね。

代替療法は安全か?

漢方薬は多くの方が使われています。有効性が科学的に証明されているものなどは医者が積極的に用いる場合も多くなっています。どちらか言うと副作用が少ないという印象をお持ちの方が多いと思いますが、必ずしもそういう訳ではありません。

Chinese Herbs Nephropathy (漢方ハーブ腎症)という病気があり、4月7日発行の医事新報に中本安先生が解説されていますのでそれの大事なところを要約してみます。

1. 半年から2年間の漢方薬服用後に腎障害が起こり、急速に腎不全となる。
2. 日本では今まで30例の報告があり3分の2は西日本。ベルギー、フランス、台湾などでも報告あり。
3. 漢方薬に含まれるアリストロキア酸がその原因と考えられる。
4. 腎不全だけでなく尿路系の悪性腫瘍の合併が多い。
5. 報告されている漢方薬は中国産のものが多く、健康茶の報告もある。

医薬品でなく個人輸入の漢方薬、健康食品、民間薬などを使用する代替療法は最近高まりを見せています。西洋医学の不十分な点、悪い面に対する補足的な役割を果たしているのですが、医薬品のように治験(効果、副作用などを発売前に実際の人間を使って調べる)が行われているわけではなく、代替医療学会などがチェックを行っていますが十分ではありません。安全性に関しては個人の責任が大きいと考えられます。

できるだけ内容の情報が公開されているものを使用すること、副作用などの情報公開が行き届いた会社を選ぶなどが気をつける点ですが、ちゃんと治験を通過したはずの医薬品でも思いもよらぬ副作用が出てくるのはみなさんご存知の通りです。
できるだけ必要のないものは摂取しない。

そのためには精神、身体にいいライフスタイルを心がける。できるかどうかは分らんがともかく心がける!