きのうの神様

 「きのうの神様」を読む。「ディア・ドクター」の西川美和監督が書いた、今年の直木賞候補にもなった(残念ながら取れなかったけど)短編集。「ディア・ドクター」に出てくるキャラクターが登場するということで興味を惹かれて読んだ。

 

 うーん。なんて才能なんだろうと思う。彼女は自分でも、脚本とか撮ることより書くことに興味を覚えるとインタビューで語っていたが、本当にプロの仕事である。

 

 どの話も登場人物、シチュエーションが医療関係であるのだが、そのリアリティには驚嘆する。医者を主人公にしたドラマ、小説は多いのだが、どれを読んでもまあ作り物、脚色があるというのは暗黙の了解事項だが、ここに出てくる人たちの行動、感情に違和感を覚える医者はまずいないだろう。

 

 「ディア・ドクター」でも感じたが、ここには念入りに取材され理解された上での(いろいろな立場での)医療関係者の現実の気持ちがありのままにある。もうこんなことはないよなぁ、という細かいところも12箇所ないではないがノープロブレム。本当に共感してしまった。

 

 映画に続き医療関係者必読。ほろ苦く深みのある真実の味。

 

読むべし

 

 

 

  

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