毒蛇は急がない

 開高健が好きだった。父親が買ってくれた「フィッシュ・オン」は中学、高校と何度読み返したか判らない。それから「夏の闇」「輝ける闇」などにすすみ、一時最もなりたかったのは戦争特派員だった。影響受けやすいな。

 その尊敬する開高健大兄がよく言われていた言葉が「毒蛇は急がない」だった。うん?大して含蓄のある言葉とも思えない。

 しかし最近、身にしみるのである。僕はセカセカといつも急いでいる。それで結局集中できていない。心から満足できる結果も得ていないのである。あせっていると大事なものを見落とす。急がば回れ。少しペースダウンして落ち着いて進んだ方が大きなものを得られるのでは。結果的にそのほうがゲインは大きいのだ。

 「僕はバンコックでチェンマイの貴族に居候していた時、結論を早く出しちゃいけない、人を早く判断しちゃいけない、ということを教えられたの。万事急いではいけない。毒蛇は急がないと。」

 疲れてパラパラページをめくっていると出てきた。啓示?

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巨匠。ちょっと父親に似ている。

毒蛇は急がない」への5件のフィードバック

  1. sega

    今日のお話は身にしみました。ジーンと。毒蛇は急がないのですねぇ。

    僕は今、日々不安の中で過ごしているため、少々気持ちが弱っているようです。自分で底にいるなと感じます。村上春樹の本を読み漁り、ますます暗くなります。

    この本、次の休日に探してみます。浮上のきっかけになればいいなと思います。ありがとうございました。

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  2. 釣りバカ親父

    開高健という名前に異常に反応してしまいました。

    私と同郷(東住吉区)の芥川賞作家だというだけではありません。25年程前だったかな?百貨店で開催された「開高健のオーパ展」を今でも鮮明に思い出したからです。小学生だった私は,小遣いから入場料と電車賃を捻出し,世界最大の淡水魚「ピラルク」の剥製を見に行きました。全長が5メートル,200キロ以上になる魚で,鱗は靴べらになるほど大きく,何もかも桁外れなモンスターでした。「いつか釣ってやる」と小学生だった私は本気で思ったものです。現在では少し大きな水族館に行けば2~3メートルの実物が見られるのですが,当時は剥製や写真でも印象は強烈!「世界は広い」と目を輝かせました。
    大人になった今でも,一生に一度でいいから「100キロ以上のマグロを釣ってやる」と結構マジメに思っています。しかし,よく考えれば開高健の影響だったのかもしれませんね。25年の時を経て,点と点がつながった気がします。
    ブログの「毒蛇は急がない」とはズレますが・・・。

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  3. 釣りバカ親父

    開高健という名前に異常に反応してしまいました。

    私と同郷(東住吉区)の芥川賞作家だというだけではありません。25年程前だったかな?百貨店で開催された「開高健のオーパ展」を今でも鮮明に思い出したからです。小学生だった私は,小遣いから入場料と電車賃を捻出し,世界最大の淡水魚「ピラルク」の剥製を見に行きました。全長が5メートル,200キロ以上になる魚で,鱗は靴べらになるほど大きく,何もかも桁外れなモンスターでした。「いつか釣ってやる」と小学生だった私は本気で思ったものです。現在では少し大きな水族館に行けば2~3メートルの実物が見られるのですが,当時は剥製や写真でも印象は強烈!「世界は広い」と目を輝かせました。
    大人になった今でも,一生に一度でいいから「100キロ以上のマグロを釣ってやる」と結構マジメに思っています。しかし,よく考えれば開高健の影響だったのかもしれませんね。25年の時を経て,点と点がつながった気がします。
    ブログの「毒蛇は急がない」とはズレますが・・・。

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  4. 着ぐるみ院長

    sega君へ:ドーンマイ!底にいると思っても、実はそうじゃないかもしれないよ。10年後の自分が今をどう考えるか、先回りして想像してごらん。今は村上春樹より開高健を読みましょう。

    釣りバカ親父様:コメント有難う御座います。「オーパ展」ありましたよね。僕は行けなかったのですが新聞の広告を思い出しました。開高健の無意識の影響力ってありますよね。僕もいつの日にか嬉々として釣りに行きそうな予感があります。

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  5. Toru has thought aloud.

    10年後の自分を先回りして想像する

    恩師曰く:

    「思っても、実はそうじゃないかもしれないよ。10年後の自分が今をどう考えるか、先回りして想像してごらん。」

    10年後の自分が今をどう考えるか、先回りして想像する・・・か。

    10年前の自分は、10年後の今の自分を想像できなかった。そして、想像とはかけ離れた今がある。その頃僕は新人2年目で、先のことを考える気もなく、周りに影響されてその時その時を過ごしていたと思う。社会人として慣れつつある反面、さまざまな壁にぶつかってばかりだった。それから10年。

    となると、10…

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