油と快楽

 「脂っこいものがねー、好きなんですよ」

  肥満の方に食事の話をしていると、少なからずの方が(特に著しい肥満の方が)こうお話されます。そうだなー、うまいもんなぁ。大体健康に悪いものはうまい。

  しかし何故油脂はうまいのか?味ないような気がする。じつはあんまりわかってないそうです。今日の朝日新聞の科学欄で京都大学大学院農学研究科の伏木亨教授がその話をしていました。

  油脂を精製すると無味無臭になる。おいしくもなんともない。しかし舌にはこの油脂の主成分である脂肪酸を受容し舌咽神経を介して脳に伝える経路があり、油脂の刺激が脳を興奮させ、周囲にある味物質を非常においしく感じさせるそうです。

  実験でマウスは油脂をなめさせるとやみつきとなるそうで、油脂を食べた直後のマウスの脳脊髄液には脳内麻薬である快楽物質のβエンドルフィンが検出されるとのこと。快感なのですね。

  しかも面白いことにカロリーのないやつはダメらしい。高カロリーの油脂だけが脳を刺激する。思うに大昔、食料として野生動物をつかまえて食べた時の油脂の感覚が残ってるんでしょうねー。高カロリーでないと生き残れないし。

  人間が飢餓から解放されたのはそんなに昔じゃなく、ここ100年ちょっとの著しい生活環境の変化にまだ身体が適応できてないってことです。頭と身体が解離しているということね。

  ということはなかなか手ごわいということになる。油脂を使っても材料を工夫してカロリーを抑える、そして運動!これが一番確実かなぁ。

ブッー!!

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