今保険適応で血液検査をしているのは病気を調べるというのが基本です。一方抗加齢医学として血液検査をする場合、病気としてまだ発現していない状態を調べることになります。動脈硬化や老化など、検査指標として確立はしていなくても論文などでかなり認められている検査値を用いて状態を把握し、サプリメントやライフスタイルの改善などでよりいい状態に持っていくのが抗加齢クリニックの役割ですね。
たとえばホモシステインというアミノ酸は血管内皮細胞を傷害し動脈硬化と関係が深いとされています。このホモシステインは血中の葉酸、ビタミンB6,B12レベルと負の相関関係にあり、それらを投与することでホモシステインの低下が報告されています。サプリメントの投与で動脈硬化の進展が防げる可能性があるわけですね。
今トライアルで抗加齢医学に標準的な検査を幾人かの方で調べていますが、この前90歳の素敵な女性が検査を希望されました。彼女は昨年心臓の手術をされたのですが非常に見た目も若く、頭脳も明晰です。化粧もされ話題も若く、パワーリハも喜んで参加されています。抗加齢の検査の話をすると眼を輝かせて是非受けてみたいと希望されました。結果が大変楽しみです。
病気になる前に状態を把握し、危険があれば進展しないように予防的措置を講じる。究極の予防医学が抗加齢医学の真髄であり、単に見かけを若くすることは本当に末梢の話です。アンチ・エイジングという言葉よりエイジレスという言葉のほうがいいよとある友人に意見を戴いたのですが、確かにそうだな。年齢関係無しのこのような方が増えてくると世の中は絶対楽しくなる、そう思わない?
こういうのもまあ一つだな