うっとりお仕事

 今日は肌寒い。あの暖かな土曜日は車で帰るとき20℃だったが、今日は13℃。今まで忙しかったせいもあってシャワーですましていたのだが今日は風呂に入る。恒例により雑誌を持ち込む。切羽詰っているので抗加齢医学会雑誌の最新号である。

 これが面白かった。脳刺激により認知症が予防できるかという総説を東京都老人総合研究所の安藤進先生が書かれている。歩行などの身体活動を継続して行っている人は発症が少ないというのはほほ確定。では知的活動はどうか?僕の患者さんで哲学者で何冊も難解な本を出されている方が認知症になった例がある。しかし彼は糖尿病があった。糖尿病や高血圧などがあると発症率は大きく増加する。学歴は関係ないというのも定説。しかしすべての条件を同じにした有名な米国修道会のスタディは大変興味深い。食事も含め生活が全く同じな修道女を対象にし、20歳のとき書かれた文章を専門家が文章能力を判定して、さて58年後、アルツハイマー病は文章能力の低いグループにのみ発症したのである!ガイーン!若いときの知的レベル(これは学歴と無関係)と老齢になっての認知機能は相関するという研究結果は多い。

 がっかりするなよー、ま、僕もだけど。まだ救いはある。積極的な知的活動を続けることで発症が抑えられるという結果もまた多いのだ。認知症が明らかになる前に衰えるのは㈰エピソード記憶(生活上の出来事の記憶)㈪注意分割(2,3の物事を平行して行う)㈫計画力(段取り)であり、そこを鍛えていると予防効果があると認められている。この㈰㈪㈫って普段の仕事じゃないの。そうかー、忙しく仕事を続けていればいいのね。

 仕事もいやだ、いやだと思っていたらこの効果は出ない。楽しく積極的にしてこそ予防効果あり。どんどん仕事がたまり、あれやったっけ、これはどうだったっけ、こいつを先にしないと・・・うーん、もういやっ!と思わないで、そうか、どんどん認知症が遠ざかるな、うっふん、もっとウエルカム・・・・・・・・(絶対無理)。

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