常時(ジョージ)Harrison

ハリソン

ちょっとしたことでハリソン (Harrison) 内科学書の最新版18th Edition の日本語訳を手に入れた。おお、ハリソンである。内科学を志した医者ならその名を知らないものはないであろう。ロックにおけるビートルズ、日本野球界のジャイアンツ(嫌いだけど)、政界の自民党(これまた)みたいなもんで、医学のど真ん中にそびえる堂々たるスタンダードである。

研修医の時持っていたが(読んだとは言ってない)、必ずしも使いやすい教科書ではなかった記憶がある。しかしながら日常の臨床とは一段違う格調高い文章を読むと、ボンヤリした僕の瞳が少し大きくなり、頭のゴチャゴチャが少し整理された気になったものだ。回診でもめても、「ハリソンに書いてありました」というと反論する偉い先生の声も少し小さくなったものである。

久しぶりに読むとさすがに up to date されていて(当たり前か)、加齢医学の項目もある。 以前より読みやすいし、なによりも説得力がある。これが教科書だね。ネットでも最新の正確な学術文献が手に入るが、この本は枝葉でなく幹なのである。細かい治療法でなく何故そうするか。

しかしこれがあれば大丈夫という、勝負服みたいな(例えが悪い)、100mのボルトみたいな(こんなもんか)存在感はいいな。外来が終わって気になるところをチェックすると必ず何か得るところがある。いつもハリソン、常時ハリソン、じょーじはりすん(スペルは一緒だけど)と、人間として社会的に葬られることは間違いないシャレを言いながら巻を閉じるものである。

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