年若い友人と話していて、時節柄ブラジルの話題となる(彼はしばらくブラジルで暮らしていたのだ)。
「むこうの人って本当に話しかけるの上手ですよ。知らない女の子なんかにすごい自然に話しかける」
「そういうのってどうして身につくのかねぇ」
「なんででしょうね。挨拶も頬っぺたにチュッチュするのでなんかコンタクトとるの慣れてる感じですね」
「そのチュッチュって普通の知り合い同士でもするの?」
「そうですよ。」 「なんか嫌いなやつとかいるじゃない?そういう場合でもするのか?」
「するって言ってました。これは挨拶だからって。でも嫌いなやつだと後で隠れて拭くと言ってました(笑)」
「(笑)なるほど。しかしフランスとかラテン系は結構抱き合って頬にチュッチュするのが一般的だな。ロシアもそうか。外国では結構ハグしたりするのもやるな」
「そうですね。東洋は接触しないですね。韓国もお辞儀ですね」
「ラテン系はともかく挨拶として握手が一番ポピュラーだけどそれでも身体を触れあってるもんな。アジアは触れないんだ。それが実は問題なんじゃない?最近のコミュニケーション力不足の。チュッチュしてるとコミュニケーション能力も上がるんじゃない?」
「・・・そうですね。案外そういうのあるかもしれないですね。身体をふれたら全然感じが違いますもんね」
「そうだろう。仲良くなると触れる機会が増えるもんな。最初から触れると壁ができにくいかも。いいな。これから院内でも挨拶はハグして頬にチュとすることにしよう。チュはエアーでもいいや。・・・・でも実行すると院長はスタッフの決議で更迭されるかもしれないな・・・」
「それ以外はすごい人格者だとみんなが認識していたら大丈夫ですよ(笑)」
「・・・それが一番自信ない」
実はその後、我々はコミュニケーション力をつける最強の方法を見つけるのであるが、それは彼の名誉のため一時秘密としておこう。しかし他人とコミュニケートするには恥ずかしがっていてはだめなのだ。