人生は彼女の腹筋

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人にも影響を受けるが、僕の場合、読書により嗜好が形成されることが多い気がする。10代の頃、植草甚一氏と伊丹十三氏の本を何度読み返したかわからない。20代の一時期、片岡義男氏の著作は僕の生活の指針であった。今、ミュージシャンである中西康晴氏、菊池成孔氏の文章がすごくぴったりくるのだが、まぁひねくれちゃったね。

で片岡義男氏の著作の中に「人生は野菜スープ」というのがあった。彼のタイトルはどれもなかなか素敵だけど、これはよく意味が分からない。何かの比喩じゃなく、ラストの方に野菜スープが出てくるのだが印象ははっきりしない。大体どんなストーリーだったか覚えてない。魅力的な女の子が出てくるのは確かだが。

「人生はなんとかかんとか・・・」というのはよくあるフレーズではあるが、何がいいかな。「誰だ、人生はマラソンって言ったのは?」というなかなかかっこいいリクルートのコマーシャルがちょっと前にあったけど、この前ある書評を見ていて衝撃的なタイトルを発見。

「人生は彼女の腹筋」

うーーむ。最近の私の性向から腹筋に激しく反応する。駒沢敏器氏の短編集であるが、彼の最後の作品集でもあり、しかも彼はミステリアスな死を遂げているのだ・・・。

ちらっと書評を読み瞬間に購買を決意。アマゾンでなんとその日のうちに手に入った。予想通り私の好みである。100%じゃないけどね。いろいろな土地が出てくるがとってもリアルだ。人より場所がいい。村上春樹氏の「女のいない男たち」のように心にズーーーンと重く残らないのは作家としての力量差か。

タイトル作はなかなか魅力的。毎日300回腹筋をやっている女性には会ってみたいものだ。彼女が人生を変えるのである・・・ で、そういう意味なのかと気づく。

とすると、僕にとって「人生は?」  まぁ考え甲斐があるね。

 

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