どうする?

 今日、紹介患者さんの往診に出かけました。紹介状にはシンプルに病名、処方が記されていました。何故僕が往診行くことになったかは・・・どうも主治医が内科じゃなかったから、かな?よくわからん。

 名前から察するに「中国の人?」「そうみたいです、往診を頼みに来た方もちょっと言葉が不自由そうだったらしいです。」と一緒に行く看護師さん。

 扉を開けると「あれっ」。以前見たことのある笑顔がありました。子供さんをよく連れてきていた患者さんで、確か東大阪市に引っ越されたはずです。「お祖母ちゃんなんです」と少し訛りのある言葉で話されました。そういや彼女は中国の人だったな。

 お祖母ちゃんが転倒し動けなくなった。往診してくれるところがないので困って一緒に暮らしている両親が彼女のところに連絡してきた。で、彼女が僕の名前を出したということのようです。

 お祖母ちゃんは93歳、白内障でほとんど見えない。寝たきり。言葉全く通じず。21年前に日本に来てから日本語は話したことない。なんというか苦労がしのばれます。

 背中を診察していてトントンと叩いていたところ、「●◎X▲♡□…」「えっ?」「有難うと言ってます」と彼女。マッサージと間違われたのであろうか?しかしその時、こりゃ困ったなー、どうするかと考えていた僕の脳裏に、何とかせんなあかんやろ!というフレーズが舞い降りたのです。

 難題をどう解決するか?「出来ません」「これは専門じゃないから」「もう診察時間終わっちゃったから」他に振ることはできます。それをクレバーなやり方と思っている人もいる。つまらねー。

 僕は本来いたってあきらめのいいタイプなのですが、この仕事に関しては割としつこく負けず嫌いである。研修医の頃の本当に怖かった病棟医長A先生の「面白いやないかー、チャレンジングケースやな」という言葉がすぐ浮かんできます。

 この患者さんをどうするか?引き受けたもののなかなか難しそうですが、こういった方を何とかしてこそ医者の本懐。雪かきを誰がするか?オレ、オレがするよ、と絶対言ってやる。まあ気張ることもないか。

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