高血圧の人(特に70歳以上)の血圧はいくらまで下がればいい?

高血圧と診断され薬を飲んでいただいている場合、当院では家庭血圧測定器をどこかで購入していただいて、できるだけ家庭内でも血圧を測定していただくようにしています。診察に来られた場合と家庭内ではほとんどの場合家庭内の方が低く出ますが(これは白衣性高血圧といって医療機関での緊張が反映していると考えられるます)、時により下がりすぎではないですかと心配される場合があります。血圧の下がりすぎは御高齢の場合かえって脳梗塞や心筋梗塞を発症する危険性があるということを良くご存知なのです。

ご高齢の場合、いくらぐらいの血圧が適当なのでしょうか?

米国やWHOなどでは年齢に関係なく140/90mmHg以下が目標とされています。日本でも若年、中年者や糖尿病合併例では同様に考えられていますが、高齢者(70歳以上)に関しては少し異論があるようです。同様の降圧をめざすべきという意見とともに、脳や心臓の循環障害の発生を考え、もう少し緩めの目標が良いとする意見があります。色々なデータの解釈の問題がありますが、日本人を対象にした決定的な高血圧の介入試験がないのが混乱の元と思われます。

しかしながら目下のところの妥当な考え方は、基本的に140/90mmHg以下に下げる、しかし拡張期血圧(低いほうの血圧)は70mmHg以下に下げない というところと思われます。

高齢者は高血圧の人でも拡張期血圧はあまり高くならない傾向があります(血管が硬くなっているとその傾向が出てくる)。高い方の血圧だけに注目して降圧をはかると下がりすぎて、拡張期血圧に依存している心臓の冠動脈の流れが妨げられ心筋梗塞などが発症しやすくなります。

拡張期血圧は70mmHg以下にならないように。ゆっくりと最低3ヶ月ぐらい時間をかけて。めまいなどの症状に注意して、症状があれば 測定値が低くなくても 下がりすぎを疑うというのが注意すべきところではないかと考えます。

高血圧の人(特に70歳以上)の血圧はいくらまで下がればいい?」への2件のフィードバック

  1. 山田 南海男

    76歳の男性ですが最高血圧102mmHg
    最低血圧53mm Hgてす、高、低共に低すぎるように思いますが、どうすれば平均に近くなるか、何に注意したら良いか教えて下さい。namio

    返信
  2. kiyo

    基本的に低血圧の症状(ふらつきとか)がなければそのままでいいと思います。
    不都合な症状があるようであれば(それが低血圧によるものであると確認の上)筋トレで
    筋肉量を増やすのが一番です。たんぱく質の多い食事をとりましょう。
    だめなら血圧をあげる薬を内服する。
    症状が大切で値にはこだわらないでいいと考えます。

    返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です