クラプトンかスティングか?

人は見た目ですよー。またまたー、中身でしょ。いやいや、見た目が中身なんです。これは結構真実よ。研修医のとき、超優秀な病棟医長が言った。「ええか、池岡。見た目若いやつがおるやろ。あれはな、血管が若いんや。動脈硬化でガチガチのやつはな、見た目も老けてるぞ。」はぁー、そんなもんですか。しかしこれは結構常識のようであった。胸部外科とのカンファレンス、手術適応を決める。患者さんの年齢が問題になる。踏み切るにはギリギリの年齢。外科の教授が主治医に言う。「その人、どんな感じ?老けてる?」「いや、お元気でビンビンです。」「あっそう。じゃ、やろか。」はぁー、そんなもんですか。

25年も前の話だ。今では適応も動脈硬化の評価も科学的なもんだが、見た感じがその人の健康状態を表しているというのは変わらない。見た目が年齢です。実年齢、暦の年齢が問題ではない。表情、立ち振る舞い、オーラが年齢を決めるのですが、それは大きく健康状態に規定されると思う。(補足ですがその見た目の法則は犬にも当てはまると思う。大学院のとき動物実験で犬を使っていたのですが、雑種を使用する場合、開胸すると見た目きれいな犬は内臓もきれいで、本当に外と中は相関していたのだった。)

とは言うものの、純粋に見た目を変えることで内面も変わり、ひいては健康状態も変わったりするというのもある。美容整形で性格が明るくなり欝っぽさもとれ、そして運動もするようになると、これは薬よりも健康に効く!ということになりますね。で、話は頭髪のことになるのですが、今月飲む抗脱毛剤が遂に発売された。頭頂部や額の両脇から禿げてくる、いわゆる男性型脱毛に有効で、半年経過を観察した記録では、本来進行性のものであるから不変の場合も有効に含めると実に90%に有効という脅威の結果である。副作用もあまりなく、当初男性ホルモンをブロックすることから懸念されたポテンツの低下なども殆どないようである。育毛剤であるロゲイン(日本ではリアップ)との併用がとってもいいとのことです。保険は利かないので1ヶ月7000円位かかるが、ここら辺は悩み具合により高いか安いか微妙なとこでしょう。男性型脱毛は比較的若くから禿げてくるタイプも多いので、それ位だとかまわないという人も多そうな気がする。ここで長年の悩みから開放されると、ぐっと生活にも張りが出て、見た目も中身も若返る人が多くなるのはいいことだ!これも1種の抗加齢医学ですね。

去年父の日に、憧れの親父ミュージシャンのランキングをFMでやってました。2位はスティング(54歳)、1位は当然のようにエリッククラプトン(60歳)でした。かっこいいもんなー二人とも。あの年でどうなってんでしょう。スティングなんて禿げてても、かえってそれがシャープな感じを増しているという気さえします。目指しましょうぜ、ご同輩。いや、ほんまに。今やスティングでもクラプトンでも思いのままです、少なくとも頭髪に関しては。

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