光陰矢のごとし。しみじみ。Pearlsの更新日時をホームページで見るたびに感じます。この前は1月かー。もう3月じゃん。ブログの「外来ウォッチ」も、ちょっと更新していないとあっという間に日がたってびっくりしますが、それはいかに日常業務に追いまくられているか、仕事の繰り返しの毎日であるかということである。これでいいのか、院長。
この人は何を言っているのでしょうかとお思いの方もおられるかと思いますが、実は結論を言いたいがための枕で御座います。この前ブログでも書きましたが抗加齢医学会主催のセミナーに行ってきました。講師、受講者あわせて総勢30名程度の非常に内容の濃いセミナーで、大学教授、助教授が5人も参加され、抗加齢クリニックを運営されている方の内容の濃い話もフォーマル、インフォーマル聞くことが出来て大変勉強になりました。
その中で「カロリー制限」がこれからの抗加齢医学の一つの柱になるという話が出ました。単に低栄養ではなくて、十分なビタミン、アミノ酸など必須の栄養は取りながらもカロリーのみ制限するとすべての動物で寿命が延びることはほぼ定説化しています。なぜか?これも今多くの説が出ていて、実際にカロリー制限をしなくても同効果が得られる薬品の開発(ある酵素が増えるからそうなるという説はいくつか出ていて、それを薬品で再現する)もアメリカではベンチャー企業がすでに始めていますが、実際に食事制限をして寿命を延ばそうという団体もあるようです。痩せこけ骨と皮になりながら「快調です、健康は素晴らしい!」と語っている人の映像(アメリカ人らしいなぁー)は僕も見たことがあります。
「健康のためなら死んでもいい!」というのは健康おたくをからかう台詞ですが、本当に冗談ではなくなってきます。何のために抗加齢医学はあるのか?
結論。それは毎日をご機嫌に過ごすためにあるのです。毎日が楽しい、こんな生活を出来るだけ長く続けたい、そのためにあるのです。単に寿命を延ばすことに意味はない。楽しく面白い生活を出来るだけ長く続けるため身体精神のコンディションをハイに保つ、それが目的です。抗加齢医学というのは誤解を招きやすい。アンチエイジングではなくアメリカでもヘルシーエイジング(健康な加齢)やオプティマルエイジング(望ましい加齢)という言葉を使う場合も多くなっていますが、僕は抗加齢ではなく好加齢という言葉を使いたい。グッドエイジング、ラブエイジングという感じですね。
そう考えれば目指すものは明らかになってきます。楽しい生活とは何か、自分がなりたい自分、やりたい生活とはどんなものなのか、まずはっきりそのイメージを持つことから始まります。
今度今の診療所に好加齢クリニックを部分的に開きます。皆さんの楽しい生活のために出来るお手伝いをやっていきたいと考えています。でもそのためにはまず自分がラブエイジングな生活をしていなければだめですよね。冒頭のパラグラフがここでつながる。こんな生活でいいのか、院長?慶応大学の眼科教授で好加齢医学会会長の坪田先生は「こんなに遊んでいいのかというくらい遊ぶことは脳の抗加齢になる」とある講演でおっしゃっていました。いいかい、やるぞー(と単なる言い訳であった)。