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いい習慣、悪い習慣

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ポジティブサイコロジーの第1人者であるタル・ベン・シャハー教授の「ハーバードの人生を変える授業」という有名な本があって、僕の友人が発刊された時に強く推薦してくれた。その時社会人である彼女にとって印象的だったのが「習慣化する」という言葉で、毎日歯を磨かなかったり洗顔しないと気持ちが悪いように、勉強も習慣化するといいんだ!と目が覚めたのである。

「習慣を作るには、確固たる価値観に基づいて、決められた行動を、特定の時間に行うことが必要である」

繰り返しはパワーを持つ。運命とは性格が大きく関わり、性格は行動で作られ、行動は習慣で作られる。つまりあなたの運命を変えるには習慣を変えなければならない・・・多分。

・・・僕には自慢ではないが(とても人には言えないような)悪い習慣しかない。今さらではないが少しでもましな人間となるようにいい習慣をつけよう、と決心する。で、いつやる?なにやる?

僕は大体朝7:45にクリニックに着く。8時半くらいから予防接種や超音波など検査を開始することが多いから大体45分間、朝のゴールデンタイムがあるわけだ。何をしているかというと、①前夜やり残した事務仕事をする ②メールチェック ③唄を歌う ④呪いをかける・・・くらいで大したことはしていない。ここをあてることにする。

でなにやるか?これは決まってる!「確固たる価値観」からいっても筋トレしかないじゃん。でも本格的なやつでなく自重でのスクワット、プッシュアップ、カーフレイズくらい。可能ならダンベルでのカールというところで、1セットしかしないから30分もかからない。十分効果を出すには3セットしたほうがいいけど朝から疲れるからこれくらいでいい。

で、ここ2週間ばかりまじめにやってるのですが、これがはなはだ具合がよろしい。軽く汗ばむ感じなのだが実に爽快。身体も軽い。たった30分でも全然違うんだと驚く。身体の調子がパッとしないときは休めるよりむしろ動かしたほうが改善するというのは経験則でわかっていたが再認識した。

ハーバード大学で「ハーバード・オン・ザ・ラン」というプロジェクトがあって、授業前に短時間ジョギングをしたグループは成績が向上したという報告がある。身体を動かすことは頭を活性化するのである。勿論それも狙ってるわけであるが元々の問題があり著しい変化はまだない・・・かな。少しましなったような気もする。誤解か。

まっ、あとは継続することだなー。人生で初めていい習慣がつくか、勝負の6月。

 

 

 

コウノメソッドで覚醒する連休

今日で連休も終わりっと。

何をしたかというと、これがまた本当に読書三昧でございました。人間換算で100歳という老犬がいてとても預けることは不可能で遠出は出来ないのである。国内旅行は癒し、海外旅行は刺激のためと思うけど、この久々の長期休みはガツンとたるんだ脳細胞に刺激を与えるいい機会ではあった。だけど、ま、お楽しみはまとめてとっとこう。

何を読んだかというとちょっと恥ずかしいので全部は書けない。でもトータル1000ページ以上は読んでるな。今回の休みはコウノメソッドの教科書読み返しという一つの目標があったのだが、新規に「ピック病の症状と治療」も読んだ。ピック病(前頭側頭葉変性症の一部)は認知症の中でそんなに多くはないとされていて、僕も明らかにピック病という患者さんは10名も思い当たらない。それでこの本も読んでいなかったのだが、なんと・・・

この本は素晴らしい名著です。

彼の多くの著作の中でもかなり力を入れた本であるのは間違いない。ピック病という名称はそもそも日本人医師が最初に独立疾患として認めたこともあり日本では一般的であるが、最近の外国の認知症分類では前頭側頭葉変性症分類の下位に組み入れられ消え去ろうとしている。河野先生は尊敬する先生方がピック病という名称を残したいという思いでおられることを知り、それでタイトルにピック病を冠したということを前書きに書かれている。普通だったら学術書だったら入れないと思う。それだけでも思い入れが分かろうというものだ。

彼の本は面白い。文章に本当に経験した凄味がある。そして内容が本当に実践的で、僕の頭の中に「あの人はピックなのかもしれない・・・」という患者さんの面影が複数名よぎった。ピック病は明らかに思っているより多く、見過ごしているだけなのかもしれない。これはいかん・・・。

内科臨床に携わっている医者は是非読むように。医学的知識充実、ヘタなエッセイより面白く、つまらん自己啓発本(キャリヤポルノともいうね)よりはるかにやる気にさせてくれるぞ。後書きのこの自信→「・・・どの医師も経験できないような大勢の患者数から得られた教えが集積されたものなのです。それは「バイブル」と言われてもおかしくない宝の知識だと私は思っています。」

信じましょう。 間違いなく連休のBest Bookでした。 

 

ナイスメダル!

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先日上のメダルを戴いた。4月1日にクリニック近くの路上で女性を人質にとって暴れまわる暴漢を一本背負いでしとめた功績に対して戴いたのである。私もまだ捨てたものではない・・・・・・・

 

うそだぴょーん。

それほど華々しいものではなくて、15年間まじめに(でもないけど)、大阪府警交通機動隊の産業医として警察職員の健康管理と環境衛生の維持に尽力し警察運営に多大な貢献をしたため(これは感謝状の文面)戴いたのでした。パチパチ。

もうそんなになるか、と素直に驚く。僕担当の医務官の方も何代も変わったのだけど、みんな本当にいい方ばかりで、今でも年賀状のやり取りをしている。僕は大学病院時代、某地区の自衛隊病院にかなり長期間バイトに行っていて、そこで何回か非公式に入隊(大学をやめて自衛隊に入るってことね)を勧められたことがあるのだが、どうも僕の心の中にこういった組織に対する親和性がある気がする、日頃の軟派な言動からは想像できないですけど。

制服、アーミー、男社会、というのはなんとなく刺激されるのである。僕だけじゃなくって世に警察小説が人気があるのは、男性にこういったものにひかれる要素があるからじゃないかなー。月に一度本部に行って制服を着たたくましい皆さんとご挨拶をするのはなんとなく楽しい。日頃女性社会(医療介護の世界は完全にそうである。看護師さん、クラークさん、ヘルパーさんなど)にどっぷりつかってるせいもあるかもしれない。実際に務めてみるときっといろいろあるだろうけどねー。他人の芝生は緑か。

 

ま、それはともかく、・・・・

「これを貰えるってことは、交通違反は何度してもいいと。スピード違反無制限オッケーということで」

「いや、そんな。御冗談を」

「車のダッシュボードにこれを置いといたら駐車違反はまずないと?」

「いや、そんなことないです。絶対やめてくださいよ!」

何だ、つまらない。ってことはない。これ以上やると剥奪されるかもしれないから止めとこう。有難う御座いました!

 

ロックは見た目が9割

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CS and N に行ってきた。何のことですか?だろうのぉ、一般ヤングピープルには。Crosby, Stills and Nash である。僕のような遅れてきたウッドストック世代(既に死語か?)にはほぼ神様のようなスーパーグループである。現在一緒にロックレジェンドのコンサート地獄巡りをやっているラブ作君(以前はR作だったが諸事情により愛に生きるラブ作と改名)から「今度来るで」と連絡をもらい、「しんじられない・・・」と思いながら遂に会場に来てしまったのであった。本当にCSNが見れるのか・・・。

一時一番好きなグループだったなぁ。でもファーストアルバム、セコンドの「デジャブ」、そしてライブの「4 way street」位しか聴いてないんだ、考えてみると。これらのアルバムがいかにインパクトが強かったか判る。名曲揃い、タレントの集合である。

ラブ作君は僕のことをクロスビーが好きな変なやつ(多分一番ファン数は少ない)と思っているようだが、僕はそれほど悪くないよ、すごくいい曲もあるし、という程度であって実はスティブン・スティルスが一番好きなのであった。

で、というかしかし、 スティルスもクロスビーもとても太って南部のおっさん然としている。声も悪くないし演奏も素晴らしいのだが、なにかロックスピリットというのが感じられないのである、僕だけかもしれないけど。おっさんの余技という感じがしてしまうのである。現役感が無いのね。

ロックレジェンドのコンサート巡りで一番素晴らしかったのはやはりストーンズだが、彼らは全員ロックなアピアランスを保っている。スリムで、シャツの前をはだけても暑苦しくない。ステージを走り回れる体力。ゲストで出てきたミックテイラーがぶくぶく肥っていて、演奏はよくても何か感動が薄いのは外観が与える印象が大きいと思う。

ロックは見た目が9割、とくに年を経て太るのは単に怠慢としか感じられない。日本でも矢沢永吉とか長渕剛とか(嫌いだけど)、意識して保ってるよなぁ。太ってると一気に普通のおっさん化してしまうのだ。つまり飢えた感がなくなるから。日常生活に満足してしまってるゆるい感じが出てしまうからだ。

ロックミュージシャンでなくても、心にロックのソウルがある人は太ってはいけないのである。

自戒でございます。

 

還暦ですがなにか?

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誕生日の朝は雨だった。まったくふさわしいわい、と思いながらいつもと同じ道を車で走る。

一応還暦です。すげぇ、と他人事のように思う。10代の頃は60なんてよぼよぼのじじいじゃねぇのと思っていたが(大体考えもしない)、いざなってみると幹は変わらず枝葉の変化のみ、気持ちは20代、いや18 till I die(死ぬまで18)か。写真の、僕の娘のような外来スタッフ達から戴いたケーキに書かれている文言が僕の精神年齢をよくあらわしているぜ!

車に乗っている時間は僕にとって妄想、いや瞑想タイムである。最近臨床で認知症に大変興味がわいており、よく訊かれる予防法について考えることも多いのだが、そっから老けない方法について想念が及ぶ。

一つお教えしよう。それは「ちょっと難しいことにトライする」ことである。ちょっと、が曲者で、あんまり難しいと続かない、簡単すぎるとつまらない。届くまであと3cmの困難が貴方を鍛えるのである。

という訳で何をするかと・・・。まずは自主トレである。武ちゃんにパーソナルトレーナーをお願いしてから1年半あまり、最近忙しくなって週2回の筋トレも1回になることが多い(最低限キープだ!)。後は自主トレやっときまーす、と気楽に言ってるがなかなか実現は困難で、出来て週1。これをなんとかして有酸素2、筋トレ2にしたい。

もうひとつ、これは困難の種類が違うが茶道である。お茶。ポリフェノールのキングは抹茶だというのを発見してコーヒーよりこっちに変えようとしている。栄養の見地だけでなく、もう「和」が気持ちとしては中心なである。年は関係ない!

で、普段院長室でコーヒーを飲んでいるが、それを抹茶に変えることにした。お茶をたて、余裕があればお菓子も用意して、しみじみと心を無の世界に遊ばせるのである。俗な君たちにはまず出来まいね、オホホホホ。まずは味に親しみ、後で礼儀作法は色気のある先生をちょっと捜すことにしてと・・・。とりあえずこの前、院長室の頼もしく可愛いゲートキーパーF嬢がたててくれた濃い茶をグビグビと飲んだ。お楽しみはこれからだっ!

後一つ、有力候補があるのだがこいつは秘密。

ふと気がつくとブログを開始してからもう10年である。光陰矢の如し。青年老いやすく学成り難し。でも関係ねぇー、成熟した大人なんて関係ねぇー、僕は「もぉー、年甲斐もなく、いい加減にしなさい!」と言われることを生き甲斐にして生きていくことにしよう。

 

 

 

 

認知症治療研究会

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3月は研究会から始まった。1日に朝5時起きで新幹線に乗って、品川の第1回認知症治療研究会に参加したのである。これはコウノメソッドの河野和彦先生が事実上は代表のような(会長は堀智勝先生)、コウノメソッド研究会のようなものである。

品川駅をおりて歩いて3分ということで、何となくそれらしい人々の後を追ってフラフラしていると着いてしまった。開場してすぐだったのだが写真のように長蛇の列である。おおっ、さすがみんな期待が大きいと思い、イソイソして会場に入る。

400人近くぎゅうぎゅう詰めで研究会は始まったのであるが、医者は6割弱、他は介護職の方という感じであろうか。発表の内容もそこらへんを反映して、各々を対象にしたものが半分ずつくらいで、正直なところおお!と思うようなニューな発表はなし。今回はそういうのでなく研究会旗揚げ的な意味合いが濃いのであろう。

河野先生の認知症治療を判ってない医者、有効な投薬方法を認めない製薬会社に対する怒りはますますヒートアップし、他の方も認知症治療が成功していない現況に対してちょっと言いたい介護の方が多く、まあいろいろ考えさせられる会であった。今までの経過から気持ちはわかる。しかしこの会に参加している方はそういった認識は分かったうえで来ているので、僕としては臨床的、学問的、そして実践的な内容に集中していただいてたらもっと嬉しかったかな。わがままですけど。

帰りの新幹線では結構疲れて暗くなった窓の外をぼんやり見ていた。これではいかん!何しにきてん!と思い、もぞもぞと明日からの診療に役立ちそうな事項を復習する。Business goes on as usual. 明日もクリニックは開くのである、いつものように。

 

フレイルの治し方

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フレイルという言葉がある。日本老年医学会が加齢に伴って筋力や心身の状態が低下した状態のことをFrailty(弱い、虚弱)からフレイルと呼びましょうと昨年提唱したのである。以前は「虚弱老人」と言っていた。健康と病気の中間で、65歳以上の高齢者の1割強があたるとされる。骨や関節など運動器の衰えたロコモティブシンドロームや、筋肉量減少、筋力低下のサルコペニアもフレイルに含まれるが、このまま進行すると要介護状態となるのである。

僕の外来にはご高齢の方が多いが、フレイルにあたる方は結構多い。そういった方は転倒しやすく、免疫状態も良くなくて風邪もひきやすく、気力も減退気味という印象を受ける。要介護一歩手前である。これはいかん。「抗加齢は抗介護」をテーマとするうちのクリニックの一番の対象であります。

でフレイルをパラパラと勉強していたら目の覚めるような知識が。僕も含めてフレイルというと身体的なことしか思い浮かばない人が多いだろう。しかしフレイルの概念には3種類あり、①身体的フレイル ②精神的フレイル(鬱や認知症などだな) そして③社会的フレイル があるのである。社会的虚弱性!そう、そいつが問題なのだ。 しかも日本のフレイルは、まず社会的フレイルから始まり、次いで精神的フレイルが加わり、最後に身体的フレイルと進むとのこと。

必ずしもこの順番ではないだろうが、男性の場合この道を歩む可能性が高いように思われる。定年後、明らかに生気を失う方を散見する。仕事を離れると男はコミュニケーションが非常にとりにくいようなのである。孤立し、そして心も身体も弱っていく。

ジムに行っている元気な高齢者の方も多いが、案外誰とも話もせず、さっさと済ませて帰っていく男性も多いそうである。おばちゃんたちは身体は動かさないことはあっても口が動かないことはなく、おしゃべりが中心のジム通いというケースも多いそうだが、どっちがフレイルになりにくいかというとやはりおばちゃんたちではないか。

ゴルフとか碁なんかを中心に交流する場もあるが、なんというかスポーツやゲームそのものが中心になって交流そのものが目的というのは日本の男性の場合(特に高齢者は)成り立ちにくい気がする。欧米のクラブとかと違うところだ。大体欧米の男性ってすごくしゃべるもんね。道端で1時間くらい喋ってるっていうのもよくある。日本のおっさんも、飲み屋でないと喋れないというのはそろそろ変えなくてははいかんな、と思う。

見知らぬ他人とちゃんと喋ることができるというのは大人の条件だと僕は思っているのですが、ちゃんとどころか、すぐ友達になれるという好奇心、フランクさがあればフレイルなんて笑い話だ。ここから鍛えていく。なにかの縁で隣り合った人、興味をひかれた人には微笑みながらどんどん話しかけていく。そうしてかっこいい大人になっていく。バイバイ、フレイル。おっちゃん達、どう、年を忘れて一緒にやらない?

 

 

 

 

泌尿器抗加齢医学研究会

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2月が始まった。昨日の日曜日は第6回泌尿器抗加齢医学研究会で発表してきた。タイトルは「開業医でのアンチエイジングドック」で、これは主催の順天堂大学泌尿器科教授の堀江先生からいただいたお題である。

昨年秋に話があってから、抄録、パワーポイント提出とスケジュール通り進んできて昨日発表だったのだけど、実はこれはかなりプレッシャーがあったのよ。僕のところは日本に27しかない抗加齢医学会の認定施設とはいえ、アンチエイジングドックを専門にやっている東京のクリニックとかと違ってメインはあくまで地域密着型の一般診療。立地としてはもろアウェイの下町、城東区である。在宅診療も含めた一般業務の合間に人間ドックの進化形ともいえるアンチエイジングドックを依頼があればやるという感じで、研究会で発表出来るほどドックとしての大量データの蓄積はない(学会を意識して集めているデータは別だが)。だからそういった一般クリニックでどのようにやっているか、どこまでできるかといった話を中心にした。

メインの聴衆は泌尿器科の先生方である。科が違うと医者のキャラクターも違い、かなり興味の焦点が違うもので、どうも話の進め方のイメージがわかないのである。しかも他の発表者はほとんどが大学の研究者である。もう許してほしい・・・。今まで学会やなんやかんや人前で喋った経験は結構ある方だと思うが、内容がどのように受け取られるか想像がつかないというのが一番不安ということがよく判った。

かなり苦労した。僕としては画期的に多くプレゼンの練習をし、前日までストーリーをブラッシュアップし、なんとか当日は自信を持って発表することができた。聴衆の先生方はそんなに苦労していたとは思われなかっただろうが、話し終わって本当に心から喜びが込み上げてきた。3年前に専門外の抗加齢医学内分泌研究会で発表した時もプレッシャーが強く実際結果もこけた様な気がするが、今回は全くあがりもせずかなり冷静でまぁよかったような気がする。よしよし。

テストが終わり夏休みに突入したような気分である。今私にこわいものはない。だけどこういったハイレベルの研究会に参加するのはとても勉強になるなぁ。今自分のやっていることの立ち位置がよく分かるし、大学、病院の研究者の先生方のもつ雰囲気が、サボるなよと僕に語りかけるのである。いや、また発表したい、しばらくはいいけど。

 

 

 

 

 

コウノメソッド

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あぁ、日々がぶっ飛んでいく! もう1月も25日である。仕事やなんやかんやに追いまくられていたのだよ。しかし悪くない。忙しいうちが花だろうぜ、きっと。

このところ患者さんに認知症の方が増えてきている。これは昨年コウノメッソドの実践医となったせいだ。コウノメソッドというのは名古屋フォレストクリニックの河野和彦先生が打ち立てられた認知症の診断、治療方法で、専門医でなくても臨床に応用することができる。

認知症の治療は難しい。今まで外来でなぜうまくいかないのか、治るというのがそもそも無理なのか、デイサービス利用ですごく改善される方がいるのは認知症でないのか etc、なにかとフラストレーションの多い領域であった。そんな時コウノメソッドの存在を知り、勉強させていただいてその効力に驚いたのである。

魔術ではない。特徴は、保険適応のある認知症治療薬の使用量や選択を彼の経験からはっきり示してくれたこと(治療が失敗するのは殆どが過量なため)、介護者が困る周辺症状(幻覚や易怒、アパシーなど)を正すことを最優先においていること、顧みられていなかった古い薬剤やサプリメントも積極的に使用すること、などであろうか。 当たり前じゃないと思うかもしれないが、これらのことを痒いところに手が届くがごとくすっきりと教えてくれるものはなかった。

医療者よりも実際に困っている介護者の間で名が知られているのも、その治療法がいかに家族を含めた介護者を助けているかという証拠だろう。僕はクリニックのHPでもコウノメソッドのことを記載していないが、河野先生の本やHPから捜されて受診される方が増えている。

認知症の方が来るとワクワクする(申し訳ないが)。とても興味があるし面白いのだ。少なくともご家族の負担を取る程度の改善は半分以上の症例で出来ている気がする。著効例の経験も少しずつ増えてきた。外来の時間がかかるのは少しつらいがしかたなかろ。

これからの僕の臨床のテーマは「認知症」と「サルコペニア」だと思っている。この2つは大いに関係があるし、僕の抗加齢医学のメインテーマである「男性ホルモン」と「運動」にも大いに関係があるのだ。

まぁ、これが1年の初めの宣言といたします。

 

 

 

年男2015

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知らないうちに(そんな訳ないか)大晦日である。12月は皆さまとご同様、疾風のように過ぎた。年賀状も今年はやめようと思いながら、いい区切りのつけ方を決めることが出来ず、結局昨日に書き上げた・・・と。

前の晩遅かったのだが犬の散歩で早起きし、さていくつかある宿題のどれから手を付けるかねと考えていると、医師会から依頼されたアンケートを思い出した。城東区医師会雑誌の新年号は恒例の「年男・年女」で、僕は来年、年男なのである。

なんでぇ、まだ24かい!えぇ、ほんとに若造でお恥ずかしい・・・じゃなくて、還暦だったかな、多分。

ま、一巡したわけで、再び子供になると。

でアンケートは抱負とかそういうのを書くわけですが、「この企画は年がわかってしまうという欠点があり、そのことも含めて辞退される先生は・・・」という文言があるのが泣ける。

じゃあ辞退。

 

・・・しないで考えることにする。

1)今年の抱負は? 子供に返ったので前よりうまく成長すること

2)ご趣味は? 仕事

3)健康法は? 無理すること

4)最高の気晴らしは? 妄想

5)最近の楽しい思い出は? 1年ぶりに会う古い友人たちと年の瀬にする恒例ゴルフが今年も出来たこと

6)腹が立つこと、面白くないことは? ない

・・・正直なところ、こんな感じかね。時間はだらだらと区切りなく流れていくので、自分で区切りをつけよう。来年は0歳の気持ちで。そして大還暦の120歳を目指して。

サンキュー2014、ウエルカム2015、待ってるぜ。