カテゴリー別アーカイブ: 医療編

華麗老人登場

ふっひゃっひゃっー!!わしは華麗老人、白鳥麗蔵じゃ!おお、字面もほんとに華麗じゃのー。石を投げたら抗加齢医学にあたるというくらい最近よく「アンチエイジング」という言葉を見かけるが、どうも意味がわかって使ってるのか疑問じゃ。ひじょーにビジネス、コマーシャルの匂いがするぞ。クンクン。それに騙されて、サプリがぶ飲み、化粧品をぶさいくな顔に塗りたくりおって、シャツの釦を上2つもはずせばOKと勘違いしているちょい悪(頭が)おやじが量産されているという報告が入っているぞ、ふっひゃっひゃ。愚か者!!わしは本当のアンチエイジングとは何かを教えてあげようと思ってここに来たのじゃ。いや実は今度ブログをやるんでな、その宣伝も兼ねて。タイトルは「激辛!カレー(加齢)塾」じゃ。華麗、カレー、加齢、しつこいぞ!ってな。わかっとる。わかってやってるんだからほっといてー。

<加齢、いや華麗老人、白鳥麗蔵はどう見てもジジイだが年齢不詳だ。明るい感じがするのはポップなジーンズを穿いているからか(トゥルーレリジョンのようだ、初めて見た)。仕立てのよさそうな白いシャツ(あけている釦は1つ)、そしてトッズの革のスニーカーを履いている・・・きわめて感じワルッ!中肉中背で腹は出ておらず姿勢のいいのが目立つ。筋トレをしているに違いない。>

アンチエイジングの目指すものは不老不死ではなーい。誤解しとらんか?生物学的に老化していくのは止められない。しかし!元気に老化していくのと、元気無く老化していくのと2種類あるのに気付いとるじゃろ?こいつじゃよ、問題は。みんな年をとることを異常に恐れておる。それは年をとったら全員寝たきりの認知症になるかのような間違った感覚をもっておるからじゃ。そんなわけ無かろー、わしを見ろ!しかしそんな生活をしてたらまあ絶対なるわな、と思わせるやつが結構おるのも確かじゃがな。病的な老化は生活習慣病じゃ。ということは修正可能ということじゃな。アンチエイジングの目指すのは心身のバランスのとれた、元気で楽しい加齢じゃよ。ふひゃ。

<白鳥麗蔵の顔は非常によく動く。表情豊かであるが、微笑んでいるのがベースになっている顔である。シンメトリカルな顔だ。偏ってない。年齢にしては英単語がスムースに出てくるのがイヤミである。帰国子女か、こいつは?>

今日は一つ、取って置きの秘訣を教えてやろう。オープン記念の特別サービスじゃ。それはな、「異文化に飛び込め!」ということじゃ。異文化と聞いたら海外旅行というステロタイプしか思い浮かばないそこの君、アタマ老化しとるよ。異文化というのは慣れ親しんだ自分の環境と違うものということじゃ。いつもと違う道を帰る、違うレストランで飯を食う、違う友人と喋るということじゃ。潜在意識は基本的に変化を嫌う。いつもといっしょだよーでいたいんじゃ。安心第1、これが生存の基本じゃからの。しかし!これでは頭も体もなまる。兵士の顔を見よ。海外で活躍するスポーツ選手の顔を見よ。安閑とはしておれん、それが脳細胞をフル活動させるのじゃ。戦争に行かんでもいい。それを日常に生かすのじゃ。

よく老化予防には異性と接する機会を増やせという。これは性ホルモンの分泌も増えるだろうが、異文化と出会うという側面もあるわな。わしの友人で以前は女性と聞くと目尻を下げていたやつが社長になって多くの女性スタッフを使うようになってから極端に女性嫌いになったやつがおる。そいつによると女性と火星人は同義らしい。未知との遭遇じゃ。よほど苦労をしたんじゃろうな・・・・いい気味じゃ!うっひゃっひゃ!異文化と出会っても喧嘩していてはいかん。今そこにUFOが着陸して宇宙人が下りてきても「ウエルカム!いらっしゃーい!(三枝風に)」ってな具合にいかんとアンチエイジングには生かせんな。おっ、急に腹が・・イタったった・・(と麗蔵がしゃがみこむと、通りかかった妙齢の女性が大丈夫ですかと駆け寄ってきた。)

<演技だ!! 最悪だ!>

時間が無い僕たちへ

時間が無い。ほんとに無いんだなぁ、毎日少しずつ宿題がたまっていってる感じです。ずーと無い。全然無い。どうすんのよっ俺っ!続く!!ちゃうって。同じように感じている人は結構多いようだ。患者さんに説明する。1日30分、週に2回でいいから歩きましょうよ。いやー、時間無いし。そうだねー、でも身体の事だから・・・。彼はたぶんやらないだろう。でも考えよう。多忙は怠惰の隠れ蓑です。本当にそれだけのこともする時間はないのか?テレビ見てない?「仕事が忙しくて…」というのはデートを断る典型的言い訳だぞ。

優先順位というのがある。センスオブバランスというのもある。何に重点を置くか?そのまっとうな判断ができるのが古典的な英国紳士の資質といわれている(らしい)。テストになれば小説が読みたくなる典型的非英国紳士的資質の持ち主である僕は自戒の意味もこめて皆さんに言いたい。「身体の手入れに時間を使いましょう!これの優先順位はかなり上だよ。」

幸福の条件を考える。

まじめに考えると案外少ない。愛する人がいること、誰かに愛されていること。これで十分か。でも次くらいに健康であることというのが来てもおかしくないでしょ。身体はメインテナンスフリーじゃない。何もしないでちゃんと動くのが普通というわけじゃないのだ。長距離の長い旅に自家用車で出かけることを考えよう。それなりに車の整備に気を使うでしょう?人生って最長の旅で大切なビークルである身体をおろそかにしてどうする!

提案です。毎日テレビを見る時間を30分減らして身体のために使いましょう。散歩でもいい。軽い筋肉トレーニング。水泳。ヨガ。太極拳。打ちっぱなし。マッサージ。他のことは何も考えず身体に集中する。他にやらなければいけないことがあるのはわかる。でもそれを犠牲にしても得るものは大きいと思うよ。

 前にも書いたが今僕はパワーリハビリテーションをやっている。毎日30分。1年半ほど前から両側の股関節、右のアキレス腱の痛み(手術後)でまともに歩けない。誰でもできる歩行を意識してやらないと、とってもみっともない格好になるのだ。積極的に訓練しようと目覚めて半年、わかったことは、①鍼灸はほんとに痛みが消える、しかし効果の持続は数日で、継続しないといけない。②ストレッチは大変有効だ。大層に考えずに、日常のわずかの時間に犬が伸びをするように、こまめに行うのが良し。③パワーリハビリテーションの器械の組み合わせは、発表されているデータが示すように歩行機能の改善にもっとも有効であるように思われる。ストレッチ効果が加わるためか驚くべきことに直後から痛みが消える。伸びをしたときのように気持ちがいい。

 ご老人の多くがいろんな場所の痛みを訴える。その主たる原因は使わないからだ。過負荷で無く満遍なく全身を使うこと(それこそがパワーリハビリテーションの本質だが)で必ず痛みは消える。僕は確信している。そしてできればそこまでいかないうちに予防しておこう。他力本願じゃだめ。自分で時間を作って身体のメインテナンスをしよう。結構快感になるって。やらないとわからないよ。

嘘だと思ってやってね!

僕は雑誌が好きだ。雑誌ポパイの出現により世界が変わったポパイ世代であり、“NOW”(知ってる?)“ワンダーランド”(知ってる?)“話の特集”(めっちゃ面白かった)“アンアン”“オリーブ”(女の子のやつだろ?いやいやこれがなかなか共に初期のセンスの鋭さは当代随一、ノンセックスで楽しめた)“ブルータス”(一時期低調でしたがこの頃はなかなか)などなど、その時々の僕の精神生活を賦活してくれた大切な友人です。

で最近は“GQ”が気に入っていたのですが、延々とヤンエグ(死語)とはお友達路線を続けるのでコリャだめだと思っていたところ、アンチエイジングの特集が出て思わず買ってしまった。渋いグレーをバックに表紙は古田じゃないか!実は古田選手はアンチエイジング特集とは全然関係なかったのですが。で内容はといえば見かけのみ、しかも顔に絞ってケア用品を紹介するのがメインで、やはりどうってことなかった。しかし斉藤薫女史の男のアンチエイジングに関する巻頭論文?は興味深かったです。男の場合若く見える人とそうじゃない人は大きく二極化する。それは見かけに気を使うかどうかという点において分かれるのであり、年をとっても女性を女性としてみているか否かという意識の違いによる。また一律に若く見えれば善しではなくて、その見え方も職業により適切なものがあるのでお気をつけあそばせ等、フンフン、参考にさせていただきやしょう。

でもアンチエイジングにおいて若く見えることは付加的なものに過ぎず、年を取っても元気で楽しく人生を送るということがその本義である!よいか皆のもの!間違えるなよ!若く見えてもボロボロの人はいます。少ないけど。見た目が年齢というのは大本において正しいのですが、それは内面(内臓、精神)の充実が現れてこそ正しいのであり、皮だけ取り繕ってもしかたねぇよ!と言いたい。中身が本物でこそアンチエイジングです。

で、アンチエイジング覚書。今のところ学問的に正しいであろうといわれているところプラス個人的意見をランダムに。詳しくは今までpearlsに書いたものの中に(あるものもあります)。参考になれば幸いです。

①実年齢と実際の老化度とは別。

②中年以降の健康状態は個人差が大きいが、それは遺伝因子よりライフスタイルで   決まる場合が多い。

③ライフスタイルの変更はいかなる年代からはじめてもそれなりの効果があり“手遅    れ” はない。

④基本は脳と足腰。両方とも鍛えればある程度の年齢になってからもちゃんと向上    する。

⑤足腰の鍛錬は単に生活と同程度の軽い運動(散歩など)よりわずかの負荷をかけ   る筋肉トレーニングが有効。

⑥関節の屈曲性能が落ちてくるので、ゆっくり深く関節を曲げるストレッチが有効。

⑦肉体的なトレーニングは精神機能にも好影響を与える。必須。

⑧“食べ過ぎない”というのが基本。何でも満遍なく少しずつ。元気で健康な老人の   共通点は決して太っていないことである。

⑨抗酸化食品、サプリメントなどは金の無駄(と言い切ってしまおう)。

⑩老化とは乾燥である。特に口腔内は要チェック。1日2L程度の水分摂取を心がける。

⑪頭を鍛えるには単に情報を入れるだけなく、自分なりに処理加工して出すこと。人   に説明する、自分なりにまとめて書き留める、気持ちを何かの形で表現する(絵や音  楽にするなど)ことが大事。

⑫手順を考えたり並行して複数のことをするのは有効。料理や掃除など家事をする   のはいい手段である。

⑬“まめ”でいこう!面倒くさがりは百害あって一利なし。足も腰も軽く。

⑭計算や書き取りなど単純な知的活動は脳の回路を錆び付かせないために有効で   あるように思える。

⑮酒、タバコ、日焼けはミニマムに。

⑯義務があることは大切。無ければ作ろう。誰かに必要とされているという自覚はボ   ケを防ぐ。

⑰“年はとりたくないねぇ”“お迎えが来るのを待ってます”などは死んでも言わない。

⑱犬を飼おう。異性と接する機会を増やそう。

⑲でももう一つ。人に頼らない、一人で生きていくという姿勢は精神を錆び付かせな   い。

⑳若くあろうと常に意識すること。

では諸君、グッドラック!

カフェ俺!

嗜好品というのがあります。辞書では「栄養をとるためでなく、その人の好みによって味わい楽しむ飲食物。茶・コーヒー・タバコ・酒など」なんて書いてある。生きていく上で絶対必要なものではないということですが、人間性を表すのは必需品なんかじゃなくこういった趣味性の高いものですよね。それにまったく必要じゃないのかというとそうじゃない。大雪のスキー場でぼろぼろになりながら転がり込んだレストランで飲んだコーヒーなんて本当に生き返った心地がするものですし、僕は吸わなくなりましたがタバコも状況により体がとろける位うまいものであるのはわかっています。せやから止められへんわけだ。そして耽溺する。溺れる。流される。そこから悲劇が始まるのであります。何でもやりすぎはいけませんで、旦那さん。私も覚えがありますが。いえいえ、私は今では酒もタバコも博打もやらないつまらん男でございまして・・・。

でもコーヒーは飲むんだな、これが。かなり中毒かもしれません。出典は忘れましたが10年以上前にアメリカから出た医学論文で、習慣的にコーヒーを飲む人はやめると作業効率が落ちるというのがあり、こりゃますます止められへんなー、ただでさえこの能率だもんと思った記憶があります。で何の気なしに調べ物をしていたらコーヒーに関する文献があったのでちょっとそれを。

「コーヒー及びカフェイン摂取とパーキンソン病との関係」。アメリカ医師会雑誌に2000年に載った文献です。信頼性高し。8004人を30年間にわたって観察したもので、観察期間中102人にパーキンソン病が発症したのですが、コーヒー摂取者の発症率は飲まない人の6分の1で、カフェインがその発症率と関係していた。ナイアシンなど他のコーヒー成分は関係が認められず。ミルクや砂糖も関係なし。パーキンソン病は喫煙者に発症が少ないことが知られていますが、この研究ではコーヒーによる発症率の低下とは無関係でした。

もうひとつ。Diabetes Careというアメリカ糖尿病学会誌に今年載ったばかりの文献。「コーヒー、カフェインと2型糖尿病の危険度」。88259人のアメリカ人女性。2型糖尿病というのは一般的なよく見られる糖尿病ですが、10年にわたっての観察期間中1263人が発症。コーヒー毎日2杯以上飲むと発症率が低下。この傾向はカフェインレスのコーヒーでもインスタントでも同じ。紅茶は影響せず。カフェイン以外の他の因子が発症率低下に関与しているが同定できず。

すごい数の対象者ですね。日本の健康食品でかっこつけてデータを示しているのが時々ありますがほとんど10人以下ですもんね。大嘘というのがよくわかります。なお出典は明らかではありませんが、コーヒーは脂肪酸の分解を促進する(カフェインが脂肪分解酵素リパーゼを活性化させるため)ため、好気性運動(ウォーキングや軽いジョギングなどですね)の30分前に飲むと筋肉のエネルギー源として脂肪酸が使われやすくなり体脂肪が減少するというのもありました。

いいことずくめではないか!糖尿病とパーキンソン病は本当にタフな病気ですが、コーヒーで罹患率が下がるなら飲まない手はない。俺はカフェでいこう!俺カフェ!カフェオレ!・・・失礼しました。こういうのはちょっと疑ったほうがいいよと僕の脳細胞にわずかにこびりついている理性が囁きますが、少なくとも嗜好品としてはタバコやアルコールより益がありそうです。しかしコーヒーをたくさん飲むとなんか歯がコーヒー色に染まってきそうな気がするのですが。そんなことない?誰かいい対策をご存知ないですか?うーむ。

クラプトンかスティングか?

人は見た目ですよー。またまたー、中身でしょ。いやいや、見た目が中身なんです。これは結構真実よ。研修医のとき、超優秀な病棟医長が言った。「ええか、池岡。見た目若いやつがおるやろ。あれはな、血管が若いんや。動脈硬化でガチガチのやつはな、見た目も老けてるぞ。」はぁー、そんなもんですか。しかしこれは結構常識のようであった。胸部外科とのカンファレンス、手術適応を決める。患者さんの年齢が問題になる。踏み切るにはギリギリの年齢。外科の教授が主治医に言う。「その人、どんな感じ?老けてる?」「いや、お元気でビンビンです。」「あっそう。じゃ、やろか。」はぁー、そんなもんですか。

25年も前の話だ。今では適応も動脈硬化の評価も科学的なもんだが、見た感じがその人の健康状態を表しているというのは変わらない。見た目が年齢です。実年齢、暦の年齢が問題ではない。表情、立ち振る舞い、オーラが年齢を決めるのですが、それは大きく健康状態に規定されると思う。(補足ですがその見た目の法則は犬にも当てはまると思う。大学院のとき動物実験で犬を使っていたのですが、雑種を使用する場合、開胸すると見た目きれいな犬は内臓もきれいで、本当に外と中は相関していたのだった。)

とは言うものの、純粋に見た目を変えることで内面も変わり、ひいては健康状態も変わったりするというのもある。美容整形で性格が明るくなり欝っぽさもとれ、そして運動もするようになると、これは薬よりも健康に効く!ということになりますね。で、話は頭髪のことになるのですが、今月飲む抗脱毛剤が遂に発売された。頭頂部や額の両脇から禿げてくる、いわゆる男性型脱毛に有効で、半年経過を観察した記録では、本来進行性のものであるから不変の場合も有効に含めると実に90%に有効という脅威の結果である。副作用もあまりなく、当初男性ホルモンをブロックすることから懸念されたポテンツの低下なども殆どないようである。育毛剤であるロゲイン(日本ではリアップ)との併用がとってもいいとのことです。保険は利かないので1ヶ月7000円位かかるが、ここら辺は悩み具合により高いか安いか微妙なとこでしょう。男性型脱毛は比較的若くから禿げてくるタイプも多いので、それ位だとかまわないという人も多そうな気がする。ここで長年の悩みから開放されると、ぐっと生活にも張りが出て、見た目も中身も若返る人が多くなるのはいいことだ!これも1種の抗加齢医学ですね。

去年父の日に、憧れの親父ミュージシャンのランキングをFMでやってました。2位はスティング(54歳)、1位は当然のようにエリッククラプトン(60歳)でした。かっこいいもんなー二人とも。あの年でどうなってんでしょう。スティングなんて禿げてても、かえってそれがシャープな感じを増しているという気さえします。目指しましょうぜ、ご同輩。いや、ほんまに。今やスティングでもクラプトンでも思いのままです、少なくとも頭髪に関しては。

Decency

実はこのごろアルコールを飲まなくなりました。働き出した25,6歳のころからナイトキャップというか、寝る前に少量のアルコール(時に大量)を本や音楽とともに消費するという生活が定着していて、まったくアルコールの無い日というのは本当に今まで年に数日だったと思うのですが、何なんでしょう、1ヶ月ほど前から突然やめました。ひとつの理由はアルコールを飲んだときの現実から離れた感じ、真実に薄い膜がかかった感じがあまり好きでなくなった。リアルな現実のほうが面白い(ほんまかい!)というのがあります。もうひとつの理由は・・・

内田樹先生という方が神戸女学院に居られます。僕は先生の(といってもほとんど同年輩のようですが)著作を読むたび、なんと頭のいい人がいるのだろう、違った視点で物事を捉えられる人がいるのだろうかと目の覚めるような思いがします。で、先生の最近の文章の中に、僕の心に非常に強く訴えかけてくるものがあったのです。引用します。

とりあえず、ひとつだけわかっていることがある。
それはどんな場合でも、とりわけ危機的状況であればあるほど、「他者からの支援」をとりつける能力の有無が生き延びる可能性に深く関与するということである。
他者からの支援をとりつけるための最良のアプローチは何か?
たぶん、ほとんどのひとは驚かれるだろうけれど、それは「ディセンシー」である。
「強い個体」とは「礼儀正しい個体」である。
この理路は、わかる人にはわかるし、わからない人にはわからない。

Decency・・・上品で礼儀正しいこと。 「丁寧」という言葉もありますが、これは兵士の盾に関係する言葉で最強の防御であるというのも別の方の著作で読んだことがあります。礼儀正しく丁寧である、きちんとしている、これらはこの大変な、でも面白い時代を生き抜く上で強力な力となる、このことを僕は大いなる共感を持って支持します。

この態度は必ずしも他人に対するときだけではありません。物に対しても、出来事に対しても、そして自分自身に対してもです。で、僕は自分自身の肉体に対してもディセンシーであろうとアルコ−ルをやめたのです。

だからたまに飲むときはですねー、これは礼儀も理性も何も無くていいや!というわけで・・・(最悪じゃん)。

「型」は大事よ。

武道とか芸道において「型」ってのがありますね。斉藤孝によると「型」は要約力の結晶であり、様々な動きの中で、最も基本となる動きに動作を限定していくことで全体を押さえることが出来る。これが型の基本であり、これは現実の多彩な動きをいわば要約したものである、ということになる(「できる人」はどこがちがうのか ちくま新書)。基本である「型」を何度も繰り返し自分のものにしていくことで発展していくことが可能となる。

「型」にはいろいろあるが、その一つと言っていい呼吸法というのは結構多くの武道で取り入れられています。今下手の横好きを絵に書いた太極拳を細々とやっていますが、そこでも呼吸はよく言われる。何でもこのては腹式呼吸でゆっくりというのが共通点です。

で、面白い文献を見つけました。Hypertensionという権威あるアメリカ高血圧学会の雑誌ですが、「本態性高血圧においてゆっくりとした呼吸は圧受容体感受性を改善し血圧を下げる」2005,46:714-718というのです。本態性高血圧というのは皆さんご存知の普通の高血圧のこと。圧受容体というのは人間が持っている血圧のセンサーで常に血圧を監視しており、一定の血圧に保つように働いています。高血圧の方はこのセンサーが少し鈍くなっている。ゆっくりとした呼吸(1分間に6回の呼吸。分15回の速い呼吸の場合と比較)はこの感受性を改善し血圧を下げるというのです。

自分で血圧を測ってみるとわかりますが、何回か測定するとき、ゆっくりとした呼吸を繰り返していると下がってきます。吸気、呼気でも心拍数は変化するし、交感神経、副交感神経の反射や心臓への血液流入量の問題などいろいろな因子が関係してきますが、確かにゆっくりとした深い呼吸は血圧を下げる。気分も落ち着いてくる。

「悲しいから涙が出るんじゃない、涙が出るから悲しくなるんだ!」という台詞を読んだことがありますが、然り!この文献でも高血圧患者のもともとの呼吸数は増加していると報告しています。人間は自律神経という、本来自分では意識して調節することのできない血圧や脈拍や発汗などをつかさどる神経があるのですが、呼吸は本来自律神経が支配する領域でありながら自主的に変化させることが簡単にできる唯一の運動であり、それがため自律神経の領域にこちらからアクセスすることが可能な唯一の運動であると考えられます。血圧が高くなると呼吸数も早くなっているが、意識してゆっくり呼吸すると血圧も落ちてくるのです。ヨガの行者は血圧や心拍数を自由にコントロールできるようですが、これは呼吸がポイントになっているに違いない。

で、「型」です。丹田を意識したゆっくりとした腹式呼吸。これを生活の型にしようでないか。武道の達人にはなれないかも知れないが、少なくとも今よりは健康的になると思うよ。そこから大いに人生を発展させよう。

さむー!風邪は生活習慣病だって。

さむー!!寒なりましたねー。紅葉は昔より1ヶ月遅くなってるようですが、急に気温が下がったのでさぞ色付きもよくなるでしょう。寒くなると風邪、風邪といえば医者(というのも今は昔という感じになりそうなご時世ですが)というわけで、季節労働者である開業医が忙しくなってくるのが冬であります。で、診察をしているとちょっと気が付くこと。何度も風邪をひく子供さんがいるのですね。ほんまによー来るなーと思っても「まいど!」とは言いませんがお母さんもなんとなくきまり悪い感じで「何か異常があるんでしょうか?」と尋ねられることがある。栄養状態とか貧血、免疫系の異常とか身体上の問題がないか心配なされてるわけで、ま、ほとんどの場合なにもありません。むしろこう尋ねられるお母さんはよくできた方が多く、実際の回数は平均的です。むしろこちらが心配になるくらい来られるのにあまり自覚のない親御さんが問題です・・・というところでちょっと面白い文献を見つけました。

「多項目の自動解析による子供の生活習慣と風邪の相互影響の評価」昨年、健康科学学会誌に掲載された東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科から出た論文です。4年間に渡り10都道府県から1万人(6から15歳)を対象にアンケートを取ってそれを解析されている。結果を一部抜粋すると、【風邪の罹患頻度との間に有意の傾向が認められた子供の家庭生活】1)テレビを見る時間が長い、2)病気で長期入院の経験あり、3)保護者が口やかましくなりがち、4)保護者が子供の主張を無視しがち、【有意の傾向が見られた子供の食行動】1)無理に食べている(間食が多いということのようだ)、2)ファーストフードをよく食べる、3)おいしく食べてはいない、4)飴、ガム、チョコレートをよくとる、5)副食として冷凍食品が多い、6)野菜を摂らない、7)味噌汁を摂らない、8)保護者は楽しく食事をとることに対する関心が低い、【有意の傾向が見られた子供の交友関係】1)運動が好きでない、2)休み時間も皆で過ごすことが少ない、3)学校では友達がいないと感じている、4)学校が好きでない・・・でその結果として引きこもりがちな子供が多いようである、といった風な結論になっている。

ほんまかいな!というのが最初読んだ印象。あまりにステロタイプでないかい。風邪の診断自体が確実でないかも知れず(アレルギーとの差異は難しい)、風邪をひきやすい子供の精神構造に及ぼす影響などちょっと偏見ではないかしらと思ったりもしますが、何しろマスが大きい。統計としては十分成立しているのでやはり傾向があるのかな・・・。というと風邪も生活習慣病ではないか!ここから出てくるのは身体的にも精神的にも免疫機能が弱くなりそうな生活です。特に親御さんが放任か過保護か、子供とのスタンスがまずそうな感じが印象に残ります。

大人の風邪も、自分で自分の面倒がちゃんと見れる人は風邪が少ない印象があります。よく「お医者さんは風邪ひかないんですか?」と訊かれます。そんなわけはないのですが、比較的あやしいと思うとすぐ手を打つ(ひいた気がして瞬時に薬を飲むと重症化しない印象があります)のは大きいと思います。風邪の人に多く接しているとそれなりに抗体の種類も多くなっているのだろうとも推察しますが(本当に医者は風邪をひきにくいのか?それはなぜか?調べても文献は見当たりません。どなたかご存知の方は教えてください)。昔から「あほは風邪ひかない」と言いますが、悪い意味ではなく、いつも楽しく笑っている人、生活を楽しんでいる人はひかないんでしょうね。大人の風邪は自己責任。生活習慣病との認識をもって今年の冬を乗り切りましょう。しかしこのごろは何でも生活習慣病ということになるな。いろいろ読んだ中でも、一番納得したのは後藤芳徳という人が言っている「もてないのは生活習慣病」というやつです。鋭い!

ちゅうようはじゅうよう

むっむっ、面白い記事を見つけた。少し古くなるが8月25日のことです。前から書こうと思ってたので古くなりすぎないうちに。

「化粧品防腐剤、紫外線で老化促す作用」 朝日新聞 
化粧して外出するとシワやシミが増える?——。ファンデーションなど化粧品の防腐剤として広く使われているメチルパラベンには、紫外線があたると皮膚細胞の老化を進める作用があることが、京都府立医科大生体安全医学講座(吉川敏一教授)の研究でわかった。 メチルパラベンは抗菌作用が高い一方、皮膚に対する刺激が低いことから、パウダー類や化粧水、乳液など化粧品では最も一般的に使われている防腐剤。紫外線カットのための製品にも含まれている。単体での安全性は確認されているが、同講座は、実際に使われる状況での影響を調べた。
実験では、皮膚細胞(ケラチノサイト)に、通常の使用方法で皮膚が吸収する濃度のメチルパラベンを添加し、夏の日中の平均的な紫外線量(1平方センチメートルあたり30ミリジュール)をあてた。細胞の死亡率は、添加しない場合の約6%に対し、添加した方は約19%。紫外線によって酸化した細胞内に発生し、老化の元凶となる「脂質過酸化物」の量は約3倍だった。
吉川氏は、メチルパラベンが紫外線を浴びると、シワやシミなどにつながる皮膚の老化を進めることが確認できたとして「メチルパラベン入りの化粧品をつけたら、強い直射日光は避けた方がいいのではないか」と話している。

うっひょー! パラベンには5種類あり、エチル、ブチル、プロピルパラベンは、内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモンです)の疑いがあるとされているが、メチルパラベンは安全で刺激の少ない保存料として自然化粧品などにも使用されている。日焼け止めにも含まれているが、それをつけて外出したらかえって皮膚の老化を促進していたなんて意味なしだ!パラベンは大体怪しいと専門の人は前から思ってたみたいだけど。実験の結果をそのまま応用できるかは別だけど、僕が化粧品を使っていたら成分のチェックは絶対するね。パラベンフリーの製品もあるんだし。

良いと思ってたのにそうじゃなかった。安全だと思ってたのに実は逆。よくあることです。肉よりも魚がいいというのは多くの人が思っているが、魚(特に大型回遊魚)にはメチル水銀が多く含有されているため、妊婦は摂取量を制限するよう厚労省は勧告している。マグロなんて週1回以下にするべしですよ。PCBも多いみたいだし。無農薬野菜も実態はかなり怪しいという説もある。ラベルは信用できない。ビタミンは安全と考えている人が多いが、脂溶性のビタミンEは過量摂取により死亡率が上昇したとの報告がある。動脈硬化を防ぐために飲んでいるのに。漢方薬は副作用が無いと思っている人もいるが、どっこい効く薬は副作用から逃げられない。一時は肝炎にこれしかないようによく飲まれていた小柴胡湯(しょうさいことう)は間質性肺炎による死亡例が報告され一気に使用量が減ってしまった。病気でいえば脂肪肝はどうってこと無いと思っていたのに、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)という肝硬変にも移行する予後の悪い種類もあることが分かった。確実なものは無いのだ。どうすりゃいいのよ?

なんだか「買ってはいけない」みたいになってきたが、食事に関してもし言えることがあるとすれば、それは過剰にならないことだと思う。チャーの曲で大阪で生活することはギャンブル!という曲があるが、今、世界で何かを口に入れることはギャンブル!です。何でも安全だとの保証は無い。大穴を狙うのは危険。だから満遍なく少しずつ食べましょう。過不足なく腹八分目。サプリメントも然り。われわれの陥りやすいのは「健康に、いいもの全部食べて肥え」という川柳状態です。健康のため何を食べればいいですか?なんでも、そして少しずつ。東洋の叡智、中庸が重要(苦しいしゃれなんですけど)でございます。最初の話題と結論がずれましたがお許しを。

犬は神

犬は神である。

何、神がかったこと言ってんですか?いくら犬が好きだからって、そこまで言っちゃみっともないですよ。

黙れ、俗人!犬が神である証拠は後で示すとして、犬を飼うことが健康に役立つということは最近のペットブームを反映してか報告が増えているのだ。大体大きく分けて散歩による身体的な好影響と精神神経的なものに対する好影響の2つがある。私は犬を飼いだしたのは4年前だが、そのころと比べて明らかに健康になった感がある。飼っているのはダルメシアンという運動量の多い犬種のせいもあるが、ともかく雨が降ろうが槍が降ろうが毎日外には一緒に出る。週に2回は1時間以上歩く。アキレス腱を切った今、走ることはなくなったが、前は本当に走っていたのだ。それで痩せたし、保険会社が割引を言い出るくらい血液検査の結果はいい。大食でアルコールも少なからず飲むし、食後はアイスクリームを食べないと落ち着かない私がBMI 24%に何とか収まっているのは犬のせい(もうひとつはゴルフか)と言うしかない。

はい、はい。

「はい」は1回でいいぞ。

はい、はい。
でもいい事ばっかりなんですか?

そんなことは総ての物事においてありえない。個人的には朝が早いので慢性睡眠不足だ。旅行とかにも行きにくいしいろいろ手間がかかるのだが、メインテナンスフリーで生き物と付き合いたいというのは愛情も無く女性と仲良くするみたいなもので無理だ。つまらんだけだ。あっ、君にはできたっけな。すまん、すまん。しかし私にとっては手間は愛情である。

僕も出来ないですよー・・・一応。
で、精神的な影響というのはどうなんです?

こちらのほうが奥が深いな。欝を軽快させるとか、アルツハイマー型認知症のイライラとか、徘徊などの問題行動が無くなったという報告もある。ドッグセラピーと言ってデイケアなどで利用者さんと触れ合う治療法もかなり一般化しているな。みんなの表情が豊かになるのが明らかに分かるのだ。また手間の話だが、犬の世話をすることで認知機能が向上したという報告もある。頭を使うこと、そして人間は誰か、何かに必要とされているという感覚が大事なのだよ。と言ってもまったく人間と同化して考えるのも問題があるけどな。この前テレビで、飼い主が倒れたとき犬が助けを呼ぶかという実験をやっていたが100匹中0であった。訓練してないから当たり前だ。人間とは違う。倒れたふりをしていたらおしっこをかけられていたおじさんもいたが気の毒なことだ。犬は犬。それを認識して付き合うべきだと思うがね。贅沢すぎるぜ。顔があえば何時いかなる時でも「ようよう!」といって尻尾を振りながらやって来る。素晴らしい事だ。それ以上神に何を望む?

わっかりやしたー。確かに犬はいい奴ですね。でもなんで神なんです?

愚か者め、まだ分からんか。犬はDOGだ。逆さまから見てごらん。何が隠れている?