カテゴリー別アーカイブ: 抗加齢

バック・トゥ・ネイチャー

 あーあ、いい天気だった。今日はゴルフに行ってきました。氷上郡にある「サイプレス」というゴルフ場ですが、ここは完全にリゾートでした。クラブハウスの前には全部芝生の練習場が広々と広がっており、自由に打ってくださいとボールがピラミッド型に積んであります。僕は慎重なK先生と一緒に来たのですが、連休で混むかもという彼の忠告で早めに出たせいで2時間も前についてしまい、練習を優雅にしたり(ボールの飛び方は優雅でない)生のフルート演奏のあるコーヒーハウスで朝ごはんを食べたり、満喫してスタート前にはもう帰ってもいいという気分でした。

 ところがぎっちょん、コースは結構ハード。まずカート無し。全コース歩きで、7Kmとのことでしたが我々は寄り道が多く10kmくらい歩いたような気がします。ドピーカンで暑い。林が多く、打ち込むとまあ半日は出れる気がしません。結局また100を切れず、体重も風呂場で計ると2Kgばかり減っていました。

 しかし完全に日常を忘れました。価値のある時間です。帰りは付近で有名な焼肉屋さんで久々にもどす寸前くらい食べる。1時間ちょっとで神戸に戻り、K先生のクリニックに止めてあった自分の車を夜風が気持ちいいのでオープンにして走っていて、ふと気温をチェックすると12℃でした。半袖のポロシャツ1枚ですが、でも全然寒くないのだ。焼けたせいかもしれませんが肉をたらふく食ったせいでしょうか。太陽の下で動き回って肉を食う。日光は皮膚に悪い、肉を死ぬほど食べるのは止めましょうと医学的には総て肯定できないことかもしれませんが、精神、バイタリティに及ぼす力はそういうのとは無関係です。予防医学はそういうところを考えていかなあかんね。

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リベンジしたい

サプリのせい?

 この頃どうも体調がいい。もともとあんまり体調が悪いことのない僕が感じるくらいだから相当良いんでしょうねー。なんかわからん。気分的にも安定しているのが意識できるくらいでまあ結構なことです。

 少し考えるに最近始めたことといえばサプリメントをとりだした事である。実は僕はずーとサプリに関しては否定的だったのですけどね。抗加齢医学会のセミナーに行ってから、足らないものは補充したほうがそりゃいいな、と考えるようになった。静岡で抗加齢クリニックをされておられる田中先生という方が、世の中にはいい加減なサプリがあふれているから、ということで相当高品質のサプリを少量だが作られている。そのマルチビタミンと、抗酸化物質(ビタミン類も含む)のサプリを送っていただいたので半月ほど前から内服している。

 同じトマトでも作り方、産地で全く味が違う。おお、トマトとは実はこんな味だったのか!と感じることがある。寿司といってもピンキリのように、どんなものでも、名前は同じでも実は内容は相当違うのだ。ビタミンのサプリといってもみんな同じではない。むしろ医薬品と違って厳密な監督をされていないぶん、かなりいい加減なものが多いことは知っておいたほうが良い。

 ビタミンなんかは野菜や果物からとればいいという考え方もあるが、実は野菜や果物のビタミンや他の栄養素の含有量は昔と比べてかなり減少している。味も薄い。昔はもっと濃厚だったという記憶があるでしょう?

 で、最近飲みだしたのだが、効果があったのか判りません。でも何か飲まないと寂しい、心理的なものとはわかっているがちょっと止められなくなっている。このようなものは相当長期にわたらないと結論が出ないと思うが、うーん、やっぱり止めたくないな。

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これ

どうってことない

 夜も更けて夕刊をちらちら見ていたら「男性、性格丸くなれば長生き」というタイトルが飛び込んできた。アメリカのパーディユー大とボストン大からの報告で、43から91歳までの男性1663人を追跡し、調査開始時から性格が神経質になった群と穏やかになった群を18年後の死亡率で比較した。

 他の因子をそろえて比較すると神経質群は半数が死亡、穏やか群は85%の生存率。神経質な性格の度合いはその人の寿命を計る物差しになるとのこと。

 ふーん。そのものの文献にあたらないと正確な論評は難しいが「神経質」とはどんな性格か?物事を気にしやすい、細かい、少し暗い?死因は何が多かったのだろう。免疫機能が落ちそうだから癌かな。

 おそらく性格テストのようなもので判定したと考えられるが、性格が穏やかかどうかなんて結構判定は難しそうだ。パーディユー大の准教授は「血圧を下げれば心疾患が避けられるように、穏やかになれば死を遠ざけることが出来る」と大胆に述べているようですが。僕にはその人に降りかかったストレス量の違い、というかストレスと感じた量の違いのような気がします。

 あまり気にしないこと。最近気に入っている名言のひとつに「10年、100年経てばすべてどうってことない」というのがあるのですが、これを実践できれば確かに長生きできそうです。

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そのとおり

60歳のつもりで

 なんとなく机の上にある「アエラ」を見ると記憶に有る顔が表紙になっている。誰だったっけ?左隅に「東京大学医科学研究所所長 河岡義裕」と書いてあった。2年位前に偶然見た「情熱大陸」で世界中を駆け回っていたウイルス学者だ!確か活躍のメインはアメリカだったはずだ。解説を見ると、おお!俺と同じ年じゃないか!神戸生まれで神戸高校を出て(知ってる奴が何人もいるぞ)北大を卒業した獣医さんである。昨年大変権威のあるロベルト・コッホ賞を受賞した。テレビでもそうだったが格好がよろしいのだ。ハンサムである。確かビートルズのOh, Darlingが一番好きだと言ってたが学生の時にバンドをやっていたようだ。

 彼の言葉。
「対象は何でもいいんです。人生を楽しんでいるかが大切です。」
取り組んでいる研究が楽しくて、朝起きると一刻も早く研究室に行きたいという生活を続けているうちに研究者になっていた。
「メールがたまるのが恐ろしいこともあり、ここ数年、休暇はとっていません。週末も、たまった仕事をこなすのにちょうどいいので、もちろん働いています。」
 全力疾走は60余歳で無くなった父親や親戚の影響かもしれない。
「僕は人生60年のつもりで生きているから、今、頑張っているのです。」

 抗加齢医学では今のところ人間のマキシマムの寿命は120歳である。僕も当然そのつもりである。彼と比べるとダブルスコアだ。でも業績は、そこまで生きてもとてもダブルはおろか、2分の1も3分の1もいかないだろう。でも60年のつもりで120年生きれば、少しでも近づけるかもしれない。僕は今まで目標寿命は120歳と言ってきたが、60歳のつもりで120歳まで生きると少し変更しよう。

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It’s him !

800歳?レスベラトロール?1000本?

 日本エイジマネージメント医療研究機構・発足記念講演会に行ってきました。タイトルは「抗加齢医療の健全な普及に向けて」。抗加齢医学会が主体ですが厚生労働省、文部科学省、農林水産省が後援で、抗加齢医学に官の後押しがはっきり付いたと思わせる会でした。パーティでは医学関係者というより議員官僚が目立ち(元阪神の江本氏も来ていた)、麻生外務大臣まで挨拶に立つという華麗なる一族か!という会だったのですが、基調講演をされた慶応の坪田教授、マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガランテ教授の話が面白かった。

 昨年ハーバードで開かれたエイジング研究会の話ですが、線虫という1mmに満たない生物は遺伝子構成が人間と75%同じということでよく研究に使われます。その線虫の遺伝子を1部いじることで寿命(もともとは3週間)を10倍に伸ばすことが可能になったという話。人間でも可能と考えられており、そうすると今まで人の寿命は120歳が限界と考えられていたのですが800歳まで可能となる。

 カロリーを制限すると寿命が延びることは定説ですが、その機構にSurtuin femilyという蛋白質が関わっており、それを人工的に活性化することでカロリー制限せずに寿命が延びる可能性がある。レスベラトロールという赤ワインに含まれるポリフェノールにその作用があることが実験で明らかにされた!しかし人間で作用を現すには1日1000本の赤ワインを飲まなくてはいけない。

 うーむ。まだまだ研究の余地がありそうですが人間が元気に寿命を延ばせる可能性は本当にありそうです。800歳まで元気に生きている人間が多くなると、その叡智を持って世界中に戦争なんぞ無くなるでしょう。理想の世界が実現できそうです。賢者が多くなる、それだけでも抗加齢医学の意味がありそうです。

 会で偶然会った僕の後輩のM先生はレスベラトロールの錠剤を手に入れてもう飲んでるとのこと。僕はその前に規則的な運動などやるべきことがあるので、そいつをやっつけてから考えることにします。まあ僕は長生きしてもあまり賢いことはしないような気がしますが。

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飲みすぎは毒です

ストレス・バスター イズ バック!!

 ふえー、やっと終わったぃ。セミナーが終了しましたが2日目は食事を挟んで午後10時過ぎまで、翌日も午前9時からびっちりと、かなりダイハードな日程でした。でも得たものは大きかったな。休診して行った甲斐があるというものです。内容についてはまたPearlsに書くことにして、抗加齢医学に携わっている多くの先生方とお近づきになれたのが大きい収穫でした。学会の重鎮であるT教授やそのお友達のW教授(僕より2つ年上ですが滅茶苦茶かっこいい)、実際に抗加齢クリニックを運営されているA先生、T先生など、施設見学のお約束をして別れましたが皆さん個性的で刺激的な人たちでした。

 で大阪に帰ってくると、めちゃ暖かいぜ!なんだこれは!17℃もあるではないか、これってオープンに出来るのとちゃう、というわけで、今年初のオープン。パチパチ。甘い花の香りの漂う夕刻を走るのは最高です。最高のストレス解消が戻ってきた。Strongest Stress Buster is BacK!!というわけで、明日から仕事です。束になってかかってきなさい。

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誰ですか?

言うは易く…

 抗加齢医学のセミナーに来ています。30人程度のクローズドなセミナーで、大学の教授が3人参加していることやらほとんどが専門医、指導士なのでファミリアな雰囲気ですが内容は相当ハイレベル。恐ろしいくらい勉強されてるなという感じを受けました、いつものことですが。

 抗加齢医学会は主メンバーが東京のせいもあって、雰囲気が完全に関東やなーと思います。幹事の食事会の雰囲気もやたらにぎやか、明るい、人生は楽しくやらなきゃというムードが溢れています。こういうのは関西ではあまり経験しない。もちろん裏は皆さん楽しいことばかりであるわけがなく、競争も激しく、ドロドロしたことも多いだろうと思います。しかし少なくとも表面上はそういうのを出すのは礼儀に反するし、場を盛り上げるのは社会人として当然であるという意識がきちんと出来ているという感じを受けました。大人なんでしょうか。

 初日の話題としては「カロリー制限が寿命を延ばす」というのがメインです。これは最近動物実験で哺乳類でも証明されて、いろいろな形で応用が期待されています。かといって絶食していればいいというものではなく、必要な栄養素はきちんととってその上でのカロリー制限で、サプリメントとかが補助として必要になってきます。今のところ軽度な運動と並んで一番確かな長寿を得る方法で、この2つをきちんと実行できれば大こけはしないかなというのが個人的な印象ですが、でもこれってかなり実行は難しい!?

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やったわ!

ちょいダンスおやじ

 「あなたには躾があるか?」俺はない。で、こんな本を読んでいるのです。齋藤薫女史の本ですが、これはなかなかです。主に若い女性を対象に生き方を説く本ですが、365章に分かれていて(つまり毎日読んで1年である)、切れのある短い文章はブログを集めた感じです。雑誌の連載をまとめたようですが。齋藤薫さんは美容の専門家で、いかにも現代に生きる女性ですが、その視点は勉強になる。特に男が考えないようなことを書くので、僕には割りとハッとすることが多いのです。

 その中で、調子が悪いときは腹筋をしようという文章がありました。どうも気分がのらない、暗いというとき、腹筋をしたら気分が明るくなった。精神と身体とはつながっているという内容ですね。これは古くはフランスの哲学者アランが、気分の不調は全部身体的なものだと考えようと「幸福論」で述べていることからもわかるように割とよく知られてはいることなのですが、実際に身体を動かして気分の不調を治している人は少ないのではないかな。

 軽い運動をすると気分爽快になる。誰でもあることですが、ダンスなんかもそれで気分がよくなると思います。盆踊りなんかも同じ。音楽がいいのではなく、身体を動かすことが気分を良くする一番のもとなのですね。パワーリハビリテーションでも、軽い反復運動が脳内麻薬のベータエンドルフィンなどを分泌させ、そこから行動変容が起こるとされています。動かないと精神もどんどん沈滞していくのです。

 何よりも気分が悪いとそれをそのままほっとかないでいい気分にもって行こうというのがいいですね。実際的なアドバイスで、これは是非実行しようと思います。腹筋か?踊るか?

 僕が廊下で踊っていたら気が狂ったのでもなく、気分がいいのでもなく、むしろ不調なのだと思って近づかないように。

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かなり役に立ちます

不良ジジイ

 この前ゴルフをした時、面白いパーティに会った。僕たちの前の組だったのだが、おっさん(というか半分爺さん)3人組で、偶然合ったのだろうが全員黒ずくめのウエアである。面白いのに気がついたのは、みんなものすごく勝手なのである。人相はチョイ悪親父で、ある意味かっこいいのであるが。一人はまんま勝新だ。

 打ち終わると次の人が打ち終わるのも待たないでサッサと前へ歩いていく。「おっさん、危ないぞー」と思ったが、誰が最初に打っても同じである。グリーンでも、自分が終わればとっとと歩いていく。大概悪態をついてである。まあ、うまいわけではないのだ。

 失敗するとクラブを放り投げる。またそれを拾いにいくのが愛嬌でもあり寂しい気もするが。途中で雨が降ってきたが、勝新は打つ時傘を必ず放り投げるのでひっくり返るのである。それをまたさすと、たまった雨でぬれると思うが最後まで変えないのである。

 途中の茶店であったが、おっさんたちはココアと温かい蜂蜜レモンとワンカップ大関(勝新)であった。出るとき、ちゃんと野太い声で「お先に」と声をかけて行った。

 後ろから見ているとなかなか楽しめるおっさんたちというか、不良ジジイグループであった。僕は何が言いたいか。外来で沢山の高齢の方とお話しするが、皆さんいい人で、でもひ弱な感じなのね。年をとるということに不安がいっぱいという感じなのです。

 思わず笑ってしまうくらい自分勝手でもいいんじゃない?今まで頑張ってきたんだし。僕も不良ジジイになりたいです。礼儀正しさを保ちつつ超自分勝手なジジイに。

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まっ、こんな感じね

 

ブンゴウよりマンボウ

 雨が降っている。抗加齢医学会雑誌である「アンチ・エイジング医学」を読む。この雑誌は学会誌にしては画期的に面白く読みやすい工夫をしている。大事なことだ。その中の記事で面白いものを紹介しよう。
 
 「大脳辺縁系共鳴」という言葉がある。大脳辺縁系は感情を司る部分だが、これは外部に開かれているところがあり、周囲の人の感情、辺縁系と響きあい影響しあうという。誰でも感じていることだけどね。不安な人のそばにいると不安は伝わり、幸福な人のそばにいれば幸福を体験できる。犬には犬の好きな人がわかり、子供も子供好きがわかる。

 マンボウという魚がいるが、こいつは大脳辺縁系共鳴作用が強いらしく、病んだ魚はぷかぷか浮いているマンボウのそばに集まってきて、一緒にぷかぷか浮いているうちに癒されるらしい・・・ほんとかな。

 いずれにしても機嫌のいい奴のそばにいる方が楽しいに違いない。というかいつも機嫌よくしているほうが自分自身にとっても精神身体的によろしい。よく感情はコントロールできないというがそんなことはない。人間の感情はとてももろく変わりやすい。工夫すれば簡単に変えることが出来る。その気になるかどうかだけだと僕は思っている。

 太宰治という人は、自分の嫌いな人とわざと率先して付き合ったらしい。そして気分を屈折させ文学の糧としていた。いろいろな生き方がある。僕には文豪となるよりもマンボウのほうが魅力的だ。

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ドクトル・マンボウはこういう意味だったのかな?