月別アーカイブ: 2006年12月

ブンゴウよりマンボウ

 雨が降っている。抗加齢医学会雑誌である「アンチ・エイジング医学」を読む。この雑誌は学会誌にしては画期的に面白く読みやすい工夫をしている。大事なことだ。その中の記事で面白いものを紹介しよう。
 
 「大脳辺縁系共鳴」という言葉がある。大脳辺縁系は感情を司る部分だが、これは外部に開かれているところがあり、周囲の人の感情、辺縁系と響きあい影響しあうという。誰でも感じていることだけどね。不安な人のそばにいると不安は伝わり、幸福な人のそばにいれば幸福を体験できる。犬には犬の好きな人がわかり、子供も子供好きがわかる。

 マンボウという魚がいるが、こいつは大脳辺縁系共鳴作用が強いらしく、病んだ魚はぷかぷか浮いているマンボウのそばに集まってきて、一緒にぷかぷか浮いているうちに癒されるらしい・・・ほんとかな。

 いずれにしても機嫌のいい奴のそばにいる方が楽しいに違いない。というかいつも機嫌よくしているほうが自分自身にとっても精神身体的によろしい。よく感情はコントロールできないというがそんなことはない。人間の感情はとてももろく変わりやすい。工夫すれば簡単に変えることが出来る。その気になるかどうかだけだと僕は思っている。

 太宰治という人は、自分の嫌いな人とわざと率先して付き合ったらしい。そして気分を屈折させ文学の糧としていた。いろいろな生き方がある。僕には文豪となるよりもマンボウのほうが魅力的だ。

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ドクトル・マンボウはこういう意味だったのかな?

向かい傷の仙人

 相変わらずシンプルな生活を続けている。仕事が終われば食事をし、入浴し、後は若干の本と睡眠である。アルコールはなく悦楽も少なそうである。仙人である。

 入浴時に読む本を選んで読みながら歩いているとおでこに激痛が走った。半開きのトイレのドアに思い切りぶつかったのである。もう少し下だったら眼鏡は木っ端微塵であった。「あぶねー」とつぶやきながら再び読んでいるとページにぽつんと赤いものが・・・

 「うん?」出血しているのである。鏡を見ると左の眉に1センチほど垂直に傷がついている。向かい傷である。ただでさえ人相が悪いのにますます悪くなってしまった。じっと見ていると頭まで痛くなって眩暈がしてきた。慣れない勉強をしていたために罰があたったのであろうか。

 翌日も眩暈が少し残った。夏の再現か、と思うと少しうんざりしたが結局1日ほどでほとんど消失した。意識すると結構目立つ傷なのだが、気のつく人は少ない。スタッフで3人ほど、患者さんも3人ほど。いかに人の顔なんかちゃんと見ていないかわかる。人間は見たいものしか見ていないのである。もちろん僕もそうだ。

 このまま傷も消えていくだろう。怪我をしたこともほとんどの人は全然気がつかないままに過ぎていく。なんだか何があってもあんまり驚かなくなってくるな。物に動じなくなってくるというか、気持ちの起伏が少なくなってくるというか。これはあまり良くないことに違いない。仙人になるのには、まだ100年早い。男の子の向かい傷はめでたいと昔の人は言った。これは目を覚ませというお叱りか。

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脂ぎった仙人がいいな

片手で持つハンドル、片手に肩を抱いて・・・

 出かける用事があってCDをごそごそ探していると松任谷由美のベストアルバムが出てきました。おぅおぅ、コピーしたなー。最近聴いていなかったので車のBGMはこれに決定。1曲目は「優しさにつつまれて」です。出だしから一挙に20代にフラッシュバックしていきます。僕にとって松任谷由美のタイムマシン効果は強力です。

 何曲か目に「中央フリーウェイ」がかかりました。人気のあった曲でブレイクするきっかけともなった曲ですが、その歌詞「片手で持つハンドル、片手に肩を抱いて・・・」というのを聴いた時、がーん・・・ときました。

 こんなん・・・今でけへんなー・・・・

 すげー年を感じました。状況というより感情的な意味で出来ないですね。二人になると思わず肩を抱いてしまう、ニコニコしてしまう、これって強烈な若さを感じます。おっちゃんがやったら気持ち悪いだけか。

 同世代が集まって宴会があったのですが、野垂れ死に願望を述べるもの、商売としての新興宗教の設立を呼びかけるもの(勿論冗談ですが)、まあろくでもないです。

 車で肩を抱ける50代をめざせ!「片手で持つハンドル、片手に肩を抱いて、実行委員会、50代支部」設立を決意。まぁ、黙殺必至ですが。でもやってやる!多分、でも、少しは、ちょとだけ・・・

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これとは違う

 
 

悲しみのジェットプレイン

 風呂場で医事新報を読む。このクラシックな臨床医学誌は非常に有益な内容を載せているのだが、実地臨床家向けで大学の医者はやや軽んじているところがあった。しかし僕の指導医であったN先生は激賞していて「こんないい雑誌を読まないのはバカですよ」と独特の鹿児島なまりでよく言っていた。異様に臨床のよく出来たN先生はくも膜下出血で53歳で夭折された。合掌。

 しかし週刊誌だからなー、読まないうちにどんどん溜まるのよ、これが。法人本部で3年前のは処分しますといわれているので、せっせと読むことにした。僕はこの野暮くさい、しかし実のある友人のような雑誌が好きなのである。

 アトランダムに読んでいるのが、今日のは旅行医学が載っていた。年末に飛行機で旅行する人もいるだろうから少し面白そうなところを。

 1万mで飛んでいる飛行機の機内は0.8気圧であり酸素分圧も20%低下(すごい数字だ!)、標高2500mの山岳地帯に匹敵。当然肺疾患や貧血の人、心疾患の患者さんは状態が悪化しやすい。気圧の低下は体内の気体の膨張を招き、中耳や副鼻腔の気体の膨張は耳痛、顔面痛の原因となる。腸内のガスが膨張し腹痛の原因ともなる。炭酸ガスの入ったビールやソフトドリンクを飲みすぎないこと。食べすぎにも注意。湿度は20%以下でこれは砂漠地帯と同じ。コンタクトレンズ使用者は角膜損傷を起こすことがあり眼鏡を使用するように。

 すごい環境で旅行しているのである。高地にある砂漠である。しかも満タンの飛行機は一度離陸するとタンクがある程度空になるまで着陸出来ないのは知ってた?重みのため足が折れるのである。降りたくても降りれないのである。ふっふっふ、飛行機といっても乱暴なものじゃありませんか。家に居るのが一番ですよ。

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と言っても乗ってどこかに行きたい